2018年04月07日(土) |
オレはコナンを観たいんだ! |
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高畑勲監督が亡くなった。そのために金曜ロードショーは急遽4月13日の放送の予定を変更して、その日に予定されていた「名探偵コナン・から紅の恋歌(ラブレター)」ではなくて高畑勲監督の「火垂るの墓」を放送することになったのである。
「火垂るの墓」はすばらしい作品だ。毎年終戦記念日が近づくと地上波で放映されることが多い。すぐれた反戦映画として日本人は必ず観るべき作品だと思っている。そして世界中の人々にも紹介したい映画である。ただ、どうしてそれをこのタイミングでやるのかということである。
実は4月13日金曜日から、名探偵コナンシリーズの映画「ゼロの執行人」が上映される予定である。前作である「から紅の恋歌(ラブレター)」を地上波で放送するのは、その映画の公開に合わせてのことである。これはつい先日「ちはやふる・結び」の公開に合わせて「上の句・下の句」を二週連続で放送したことと同じ効果を狙っていたわけであり、テレビ局の側の戦略としてはとても正しいことである。だからこそ4月13日の夜はやはり「名探偵コナン・から紅の恋歌(ラブレター)」を放映すべきなのである。こんなときは故人の追悼ということよりも、直近の映画をこそ優先すべきである。オレのようにコナンを期待してる人間も多いのである。「火垂るの墓」はちゃんと終戦記念日の頃に観るから、今回はどうかコナンをやってくれよと思うのである。
故人の追悼ということでここは100歩譲って高畑勲監督の作品を受け入れとしても、そこでどうして「火垂るの墓」なのかということである。「火垂るの墓」ほど気持ちを重くさせる作品は他に存在しない。テレビで「火垂るの墓」を観ながら分厚いステーキを食いビールを飲める人間がいたらそいつはクソ野郎だ。あの作品の前では何も食べる気は起きない。ただもう悲しくせつないのである。
だから今回上映すべきは、高畑勲監督作品の中で選ぶなら「平成狸合戦ぽんぽこ」だったのである。もうすぐ平成という時代が終わるわけで、そういう意味でもあの作品はふさわしいし、何より明るくユーモアにあふれたあの映画を放送することが、高畑監督への供養になるような気がするのである。
「火垂るの墓」は名作だ。そして野坂昭如氏の原作もすばらしい小説である。ただ小説を読むのは少しハードルが高い。それをアニメの形で世界中の多くの人に知ってもらえるようにした高畑勲監督の功績は偉大である。どんなに楽しいときでも、どんなに気分のいいときでも「火垂るの墓」を観せられるとオレは泣いてしまう。何とも言えない悲しみに包まれる。70年以上前にこの日本で起きていた悲劇を思い、そこで失われた多くの命のことを思うとただもう涙が溢れる。
そんな苦しいことはもうやめたい。だからコナンを放送して欲しかったのだ。楽しい気分でその夜を過ごしたかったのだ。なんてことだ。オレは最低の人間だ。よりによって「火垂るの墓」よりも「コナン」を放送してくれだなんて言うとは・・・
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