2018年02月14日(水) |
なぜ為替相場は逆に動くのか? |
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急激な円高、ユーロ高、ドル安が起きている。2月14日には1ドル=106円台半ばまで円高が進んだ。どうしてこのような状況なのか。さまざまな理由が後付けでなされているのだが、オレにはわかっている。相場が動くことで儲かる人たちがいるからである。
ドルの利上げが予定されているという。そうなると他の低金利通貨を売ってドルを買えば金利が稼げるわけで、ドル高要因となるはずだ。ユーロはマイナス金利を続けている。だったらユーロを持っていても金利が付かないから売った方がいい。だったらユーロは下がるはずだ。
しかしドルはユーロに対してどんどん値下がりした。逆のことが起きてしまったのである。今は為替も株もAIが売買している。AIの判断基準は明確だ。下がるから売る、上がるから買うである。現在のトレンドがどっちであるかを人工知能が判断して売買指示を下すだけである。つまり、今起きていることは人間が判断しての結果ではないのである。
これはオレの憶測なんだが、もしかしたらAIというのは人間の心理のウラをかいて勝てるように仕組まれてるのではないだろうか。だから「ここからは円安になるだろう」と人々が判断したら円高になり、遅れて人々が「もっと円高が進むぞ」と思ったら急に円安になったりするのではないかと。
今、主要国の通貨の中でわりと金利が高いのは米ドルである。これは不思議な現象だ。その通貨が信認されているからこそ、金利が安くても人々はその通貨を持とうとするのである。逆に信認されてない国の通貨は、金利を上げることでその価値を守ろうとするわけだ。ウクライナ問題で経済制裁時を受けた時のルーブルが暴落した時にロシアがありえない高率の金利を設定したことを覚えてるだろうか。
2018年1月現在、政策金利の高い国上位3国はトルコ(8%)、メキシコ(7.25%)、南アフリカ(6.75%)である。逆に政策金利の低いのはスイス(−1.25%)、スウェーデン(−0.5%)EU各国(0%)、日本(0.1%)である。
オレにはこのマイナス金利というもののイメージが湧かないのだが、もしかしてゼニを借りたら利息がもらえるのか? デンマークでは2012年からマイナス金利を導入した。その後住宅ブームが起きて住宅市場が加熱して価格が上昇し、コペンハーゲンの中心部では高級マンションの建設が進んでいるという。デンマークの住宅ローンでは金利がマイナスになって借りた方がお金をもらえる状況になったらしい。変動型の住宅ローン金利の一部が−0.3%になり、マイナス金利の分のお金は、契約者が金融機関に支払っている手数料の割引に充当されているという。この手数料を受け取る金利が上回る例はまだなく、またマイナス金利の住宅ローンを利用できるのは高収入の3%弱にとどまるということで誰もがその恩恵を手に入れたわけではないのである。
もしも日本で住宅ローンがマイナス金利となってしまえば空前の住宅ブームが起きることは間違いない。ただ、銀行は収益の柱を失ってしまうわけで確実につぶれてしまう。今でも銀行は両替手数料を引き上げたり、ATMを有料化したりして小銭を稼ごうとしているわけで、どこも生き残るのに必死なのだ。
政策金利を引き下げた国の通貨がそれほど下がらず、金利を上げたりこれから上がる予定の国の通貨が下がっていく。もっともその程度のことでは大きく変動しないから人々は安心して経済活動できるのかも知れない。
このままどこまでも円高になるのか。それとも巻き戻しが起きるのか。黒田日銀総裁は今後の方向をどのように想定してるのだろうか。少なくとも2%のインフレが絶対に起きないことだけはオレには推測できるのである。
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