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2018年02月13日(火) 両備バス「赤字路線廃止」が訴えること        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan




 鉄道やバス事業は今はたいしてもうからない。しかし、それによって生活を支えられている人が多いことは事実である。客が居ても居なくてもバスは定時に運行される。それが公共交通機関の役割だからである。かつては日本国有鉄道がその役割を果たしてきたが、民営化されてJR各社に分割された。そしてJR各社はどんどん赤字路線を廃止していったというのがこれまでの経緯である。

 地方の路線バスを乗り継ぐテレビ番組が人気だが、どのバスもかなり空いている。赤字のバス路線もかなり多いはずだ。しかし、バスがなくなれば一気に不便になってしまうわけで、そうした交通インフラというのは税金で補助してでも守らないといけないものであるとオレは思うのである。

岡山県を中心に交通事業などを展開する両備グループ傘下のバス事業者、両備バスと岡電バスは両社の路線バス網の約4割にあたる路線を廃止するとの届け出を、中国運輸局宛に提出した。廃止を申請したのは、両備バス全36路線中18路線と、岡電バス全42路線中13路線である。黒字路線を残して、比較的乗客の少ない赤字路線を一気に廃止するということを発表したのである。

 両社がこの発表をするに至った理由は、以前から岡山市内で100円均一料金で市内循環バスを走らせている事業者「めぐりん」が、両備グループの主要路線である「西大寺線」に低価格の競合路線を開設しようとして中国運輸局に認可を申請し、それが認められたからである。「めぐりん」が低価格のバスを走らせることで両備グループは約3億円の減収になるという。たいしてもうからない地方のバス事業者にとって、その減収はかなり痛いのである。

 オレは「めぐりん」のWEBサイトを確認して、そのバス会社がどんなビジネスを展開してるのかを確かめた。確かに市内の短距離の移動という点においては便利であるし、岡山医大病院などを利用する老人の足として役立ってることは間違いない。そういう意味では「めぐりん」はかなり公益性のある事業を行っていると言える。

 しかし、このよう岡山市中心部だけの路線網と違って、大規模な路線網を持っている両備バスや岡電バスの場合、輸送密度の低い路線もあるわけで、赤字路線を黒字路線が補うという形で全体で黒字になっているわけである。乗客の多い路線からの収益で乗客の少ないところをカバーしてるわけだ。

 両備グループは西大寺鉄道という軽便鉄道からスタートしている。ところが国鉄が赤穂線を開業したため、西大寺鉄道は廃止された。ただ、国鉄やJRは本数も少なくて不便だったために、両備グループは沿線の開発に力を入れてバスの便数も多くし、役立たずの赤穂線を優越する状況を企業努力で築いたわけである。その自分達が育てた儲かる路線を「めぐりん」という事業者につまみ食いされるということに対して両備グループが怒ったということである。

 どうして西大寺線が両備グループのドル箱となったのか。それはJRがクソだからである。オレは赤穂線のダイヤを確かめたが30分に1本しか走ってない。その上料金も高いということになれば利便性の点で完全に負ける。これはJR北海道でもそうなんだが、JRがバスに負ける理由は、「高い・本数少ない・たいして速くない」からである。そのやる気のないJRが本来運べていたはずの乗客を両備グループが取り込んだのである。

 さて、そこにさらに安い料金をぶつけて「めぐりん」がやってきたのである。客にとっては歓迎すべきことなんだが、減収になる両備グループはたまらない。それで今回「路線廃止」という条件をちらつかせて、「めぐりん」の新規参入に抵抗したのだ。

 まあこんなことになったののは,事前に調整できなかった中国運輸局がカスだったというだけのことである。両社の動きを事前につかんで、話し合いの場を設けて調整すればこんなことにはならなかったのである。その話し合いは市民に公開すればいい。市民も参加して公聴会を開くべきだったのだ。なんでそんな機会を用意しなかったのか・・・ということだが、オレがよく使う「憶測」というヤツによると、たぶん「めぐりん」からなんらかの裏取引が中国運輸局にたいしてあったのではないかということである。もしかしたら賄賂でも動いてるんじゃないのか。

 一番困るのは市民である。オレが思うに「めぐりん」は低価格攻勢で市民を味方に付けて、競争に勝って独占状態になったら今度は料金を引き上げて市民から選択肢を奪うような気がするのだ。さて、今後の成り行きを見守りたいのである。


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