2018年02月10日(土) |
70年経てば取り壊すタワマンってありか? |
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毎日新聞に千里中央のタワマンの広告が出ていた。50平米で3600万〜、70平米で4800万〜と立地を考えれば安そうな価格設定である。買う気は全然ないのだが、どんな条件なのだろうかと興味深く読んでいて、ふと最後に「解体積立金」という項目を見て「えっ?」と思った。
それでさらに詳しく読むと、なんとこのマンションは定期借地権付きの土地に建設されるとなっていて、その期限が2090年となっている。70年後には解体して更地にして返すのである。そんなことってありなんだろうかとオレは驚いたのだ。
しかし、以前からオレは分譲マンションのことを「空中の権利を売るなんて詐欺だ」と書いてきた。その空中の権利が70年後に消滅するということを最初から提示してるということはある意味良心的なのではないかとも思う。
70年の間に2,3回は設備の更新などの大規模な修繕も必要になるだろう。エレベーターの機械を入れ替えたりなどゼニのかかる修繕が絶対に必要になってくる。だから購入後も毎月支払う経費はそれなりに覚悟しないといけないのである。
考えたら今建設ラッシュのタワマンも、もちろん普通の高層マンションも、いずれは取り壊すことになるわけである。そこを明示しないで売るものと、そこがはっきりしているこの千里中央のタワマンを比較した場合、なんだか取り壊しを明示してるこのタワマンの方が良心的な気もするのだ。
日本ではどんな住宅も「いつかは取り壊す」ことを前提に建てられている。これが外国との大きな違いである。しかし、恒久的に使える住宅を建設する方が居住コストは安くなるのではないか。どうしてそうした方向で住宅を供給しないのか。
大阪では古い団地をリフォームして2戸を1戸にするという物件が新しく供給されている。泉北ニュータウンで90平米という広々とした物件が家賃7万円台だという。こういう物件に居住するのは下手な分譲マンションに住宅ローンを組むよりもはるかにいいと思うのである。もしもオレが20代でこれから結婚するなんてことを考えていたら迷わず選択肢に入れるだろう。
すでに家は余っている。古家をどんな形でリノベーションするのかがこれからの住宅供給の方向である。売れるうちに駆け込みでマンションを建ててしまおうとする悪徳業者の企みに乗せられないことである。オレは大阪市内の便利な所にある町家の中で、車庫付きのものがないかと密かに探しているのである。
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