2017年12月02日(土) |
鉄道はまだ増やすべきか? |
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日本の人口はどんどん減っていく。それはもう止められない流れである。そして通勤通学の人も減少するので、交通インフラ、特にその中でも鉄道はこれから売り上げの拡大の見込めない業種である。そこに設備投資して路線を拡張したり輸送力を増強しても意味がないというのが今後の世の中の流れではないだろうか。
大阪市が地下鉄路線を新規に開業しないという方針で新線の建設を凍結してるが、オレもそれには賛成である。今後は不採算路線をどうするかという話になるだろう。ただ、今は不採算の路線であっても、沿線に人口を集中させる、いわゆる「コンパクトシティ−化」の流れの中で利益が出るようになるかも知れないとは思うのである。
今、大阪は「地下鉄なにわ筋線」の開業に関して動き出している。大阪駅の近くに「北梅田駅」を開業させて、そこに関西空港から直通の列車を走らせるというものである。今でも関西空港から特急「はるか」や南海電車の「ラピート」が走っているわけで、そこからたかだか10分や15分短縮できたとしても、それが何になるんだとオレは思う。費用対効果を考えるとこれは無駄な事業である。しかし、その事業をすることでさまざまな利権が発生して土建屋ももうかるし、議員たちも仕事をした気分になれるから必要なんだろう。いったいどれほどの事業費がかかるのだろうか。
もっとも関西空港から入国する外国人の増加で、今の関空快速や「はるか」ラピート、の輸送は限界に達してるのかも知れない。これが将来も増加するならば、なんらかの対策は必要だろう。それならばいっそのこと、超高速で関空と大阪市内を結びつける「リニア新線」でも臨海部に作ればいいじゃないかと思うのである。中国の上海空港にあるようなものである。
都市部に新線を建設する費用に比べれば雀の涙のような金額の赤字しか出していないのに、北海道のローカル線は廃止されようとしている。そこに鉄道が存在するということだけで大きな価値があるのに、そのために国はゼニを出さない。日本中の鉄オタたちが基金を作って、みんなが寄付することでローカル線を維持すればいいとオレは思うのだが、あれだけ大勢の鉄オタがいるのにそんな動きはないのである。100万人の鉄オタたちが一人1万円寄付すれば100億円だ。それで北海道のローカル線は全て守られるだろう。撮影機材に何十万もかける人たちである。その撮影対象が存在しなくなるということなら、ゼニを出すに決まってるとオレは思うのである。廃止される三江線に多くの「葬式鉄」が押し寄せてるという。なんで行ってやらなかったんだ。本当に守りたいと思うならばじゃんじゃん乗って黒字にしてやれよとオレは思うのだ。
オレが学生時代の旅行中に北海道で乗った「天北線」や「標津線」なども今はもう存在しない。そうした鉄道こそが実は宝物だったとオレは思っている。「何もないけど鉄道だけはある」それが出発点じゃないか。高倉健の主演した映画「鉄道員」が多くの人の心を打つのはなぜか。どうしてあんな宝物を単なるゼニの問題だけで捨ててしまったのか。
もう新線はいらない。その代わりに今存在する鉄道をなんとか守って欲しい。そして災害などで普通になった区間はどうか税金で復旧して欲しい。民営化したJR各社は「経済的合理性」しか考えていないから、普通になったらこれ幸いと廃止にすることをたくらむからである。水害で被害を受けた九州北部の鉄道もなんとか全面復旧してもらいたいのである。
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