2017年11月29日(水) |
旅行社はそれで利益が出るのか? |
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今年の春に旅行代理店の「てるみくらぶ」が破綻した事件はみなさんの記憶に新しいところである。最後はゼニをかき集めるために激安ツアーを組んで現金で払わせ、そのあげくにその預かり金を踏み倒してしまったわけだが、そもそも適正価格を無視してコストを度外視した料金設定に問題があるのではないだろうか。
新聞の広告には激安ツアーがたくさんある。北海道2泊3日で3万円というものもある。ホテル代に航空運賃も合わせて大阪から3万円で行けるなんてどう考えても異常である。飛行機が片道5000円、宿が1泊1万円くらいなんだろうか。それとも飛行機が片道1万円で宿が1泊5000円なんだろうか。どちらにしてもあり得ない安さである。こんなものが常態化してしまったら、旅行する人の金銭感覚もおかしくなってしまうのである。
適正な価格に設定して、その分ちゃんとしたサービスの質を維持することが大事なのではないか。せっかく「旅行立国」をめざし、「おもてなし」の精神をアピールするのならば、その対価をちゃんと要求するのが筋である。
安いモノはそれなりの理由があり、高いモノにはそれだけの付加価値がある。先日安い外食店で店側のサービスに対してツイッターで文句を言ってる馬鹿文化人がいたが、文句を言うならちゃんと高い店にいけばいい。高い店なのにサービスがなってない時に文句を言えばいいのである。
オレはそうした新聞広告を見るたびに「定年退職したら時間もたっぷりできるから旅行に行きまくりたいなあ」と思うのである。そのときにちゃんと旅行に耐えられるだけの体力を維持していたいと思うのである。健康で長生き、これがもっとも価値あることである。「激安ツアー」のあり方に文句はいちおう言うが、でも自分はその安いのを利用してみたいというなんとも矛盾する考えをオレは持っているのである。
熊本は地震の被害からどれだけ復興できたのだろうか。阿蘇は昔旅行したことがあるだけにとても気になっている。時間があればぜひとも行ってみたい。高千穂峡のボートにもまた乗ってみたい。震災の後、復興支援名目で旅行者には補助金が出たのだが、あの制度は今はどうなってるのだろうか。その金額を割り引いたツアーも確か大手旅行社は設定していたはずである。
基本的にオレは旅行するときは自分で移動し、自分で宿を決めてということにしてきた。旅行者の設定するパックツアーというものをそもそも利用したことがないので、それがいかなるものであるのか全くわからないのである。海外旅行の時にそうして連れて行ってもらえるというのはとってもラクチンだなということも思う。自分で宿を予約し、自分で列車の時間を調べて・・・という個人旅行をしてきた自分にとって、そういう手間が全くいらないというのは苦労がなくて楽と思う反面、旅の楽しさの大切な部分も失ってるような気がしてならないのだ。
旅をすることは人生の大きな楽しみである。若い頃は本当に休みのたびにどこかに出かけていた。仕事が忙しかったりしてそうした時間を失ってしまったことは、まるで人生の宝物をなくしたような気分になる。
20代の後半にオレはヨーロッパ放浪旅行をした。その時のことは「白夜特急」という旅日記の形で書くことになった。その30年前の日記を読むと、今でも当時の思い出が鮮明によみがえってくる。あれから30年、ポーランドやフィンランドはどんなふうになってるのだろうか。
「白夜特急」(カクヨム)
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