2017年11月13日(月) |
地下鉄今出川駅とJR杉本町駅 |
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大勢の観光客賑わってるのが11月の京都である。そんな中オレは京都に出張して京都市営地下鉄今出川駅を利用することになった。地下鉄を降りてホームから改札階に上がると目の前にコンビニがあったのでそこで昼食用の買い物をした.その時、オレは地下鉄の構内に、なんと同志社大学への入り口が存在することを発見したのである。いちいち地上に出なくてもそのまま地下から同志社大学構内に入構できるのである。なんと便利なことだろうか。大学に通う学生にとっては本当に助かるのである。
我々は日常生活の中で「ここに通路があれば」「ここがつながっていれば」「ここに橋があれば」という思いをすることがある。たとえば大阪駅の目の前にあるヨドバシカメラに行くのに、いったん地下に降りてかなり遠回りをしないといけなかった頃は迷ってたどり着けなくなる者が続出し、横断歩道のない道路を横切ろうとしてクルマにはねられる人もいたという。今は陸橋でつながってるので本当に便利になり、無理に横切ってはねられるという事故もなくなったのである。
阪和線の杉本町駅は大阪市立大学の最寄り駅で、その関係で一日の乗降客数は約2万人もあるわけだが、2011年までは出口が西側にしかなかった。大学は線路の東側にあるため、学生は電車を降りるといったん改札を出てから、改めて踏切を渡って大学に行かないといけなかったのである。朝の通勤時は通過列車を何本も待避する関係で20分くらい閉じたままの開かずの踏切状態になることもザラだった。
当然大学は駅の東側にも出口を設置してもらって学生の利便性をはかってもらえるようにJRに交渉したわけだが、なんと駅の東側に広がる駅前の商店街の人々はそれに反対したのである。もしも駅からダイレクトに大学に行けるようになると店が流行らなくなるという理由で反対した。確かに学生相手の定食屋とか麻雀屋にとってはそれは死活問題だっただろう。
その開かずの踏切のせいで多くの学生は遅刻したり試験に間に合わなかったりした。その程度ならまだいい。2006年以降だけでも踏切事故が4件発生し、3人の死者を出していたのである。
それで2010年に駅の改造工事が始まって今は駅東側にも出口が設置され、学生は「踏切による遅刻」がなくなったのである。かつて杉本町駅にはJRの貨物専用線が乗り入れていて、不定期にやってくるその長大な列車のために試験を受けられなくなる学生もいて、「留年踏切」とも呼ばれたという。もっとも留年は踏切のせいではなくて本人のせいだとも思うのである。
地下鉄今出川駅の地下に存在する同志社大学の入り口を見て、オレは「便利さ」の真の意味を理解したのである。もちろんそこには大学と京都市交通局双方のウィンウィンの関係があって、おたがいに利益があるからそのような構造にしたということはよくわかる。しかし、日々そこを利用する学生にしてみたら、雨の日も濡れずに大学構内に入れるということがどれほど便利なことか。
「開かずの踏切」をくぐろうとして電車にはねられることはすべて犠牲になった人が悪いのか。そうした構造を放置していた鉄道会社や行政に責任はないのか。オレは杉本町駅の踏切事故の犠牲となった方々の冥福を心から祈りたいと思ったのである。
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