2017年09月05日(火) |
「おいしい牛乳」は「少ない牛乳」だ! |
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明治乳業の人気商品、「おいしい牛乳」のパッケージが変わった。注ぎ口にねじ式の蓋がついたので、飲んでる途中で密閉できるようになったのである。この変更のためにコストが上がったからなのか、よく見ると容量も一割減って900mlになっていた。
こういう卑怯な手口をオレは少し前に体験した。それは森永乳業の乳酸菌飲料の「マミー」である。マミーは紙パック1Lはそのままに中味だけ減らしたので、オレは買ってから「なんか少ないなあ」と気づいたのである。
そうやって分量を減らすことで巧妙に値上げしてるわけだが、そんなことにみんな気がつかないと思ってるのなら相当な馬鹿会社である。そんなこと、購入者はすぐに見ぬいている。そして、そのまま買い続ける無頓着な客と、二度と買うもんかと怒るオレのような客の二つの反応が起きる。おそらくオレのような客は一定割合存在するだろう。結果として値上げには成功しても、客の信頼は失うのである。そんな卑怯なことをしても売り上げの減少を考えれば利益が増えるかどうかも疑わしいし、そんな方法で業績がUPすると思ってる時点で経営陣の頭の悪さをオレは笑いたくなる。まあ投資家としての判断は「明治乳業は売り」である。他社に先駆けて分量を減らした「おいしい牛乳」という主力商品の売り上げが減少することをオレは予言したい。
スーパーやコンビニに並ぶさまざまな商品を見ていると、期間限定で容量を増やしてるものがある。値段はそのままに一割UPとかいうヤツである。こういうサービスはとても嬉しいし、オレはそういう商品を引き続き買おうと思うのである。
明治乳業はこれから確実に起きる「おいしい牛乳」の販売数量の減少をどのように受け止めるのだろうか。自分達のやったことが失敗だったということに気づいた時にどうするのだろうか。
オレがライバル社の経営者ならば、明治乳業に打撃を与える絶好のチャンスである。ここですかさず「一割中味を増やす」という戦略で販売競争を仕掛けるだろう。900mlと1100mlということになると、200mlもの差が生まれるわけである。その二つが同じ値段で売られていれば誰しも容量の多い方を買うはずだし、仮に量の少ない方が少しだけおいしいとしても、2割以上の容量差を考えればオレのような貧乏人は迷わず量が多い方を選ぶだろう。
ところがそうした発想の1100mlの容量の牛乳紙パックは見たことがない。オレのようなど素人の一般人が思いつくような販売促進策を、生乳業界の方々は誰も思いつけないのである。要するにおまえらは政府の庇護のもとでいっぱい補助金もらって外圧にさらされることもなく守られてきたわけで、ビジネスを戦いだととらえることができないのである。
おそらく明治乳業は、「おいしい牛乳」がよく売れたことで牛乳業界の中で大ヒットをとばしたと自己満足し、そしてなんとなく強気になってしまったんだろう。だったら容量はそのままで値上げだけすればよかったのである。しかし、そういうまっとうな道をとらずに分量を減らし、気づかずに買っていく老人客を巧妙にだますという錯誤作戦をとったのである。
オレの妻はよく「おいしい牛乳」を買っていた。妻はこのような変化には無頓着で、容量の減少もオレの指摘を聞くまで全く気づかなかったのだった。「これからはこんな姑息な商品は絶対に買うな!」とオレは指示した。我が家の冷蔵庫で明治の「おいしい牛乳」を今後見ることはなくなるだろう。
オレはよく牛乳を飲む。週に3〜4Lは飲んでいる。明治乳業は容量を減らすという愚行のために、オレのような優良顧客を失ったのである。経営トップの間違った判断で経営不振に陥り、結果としてボーナスがカットされたりする悲劇が今後起きる可能性を思うと、オレは少し明治乳業の社員の方々に同情するのである。
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