2017年08月21日(月) |
センセイが足りない! |
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かつては必ずあった教師を主人公にした学園モノのテレビドラマが最近はない。有名な「3年B組金八先生」は言うまでもないが、他にも「ごくせん」とか「GTO」とか、教師を主人公にしたテレビドラマの秀作は存在した。ただ、それを観た人たちが「オレも教師になる!」と思うかどうかはかなり疑問のある内容だったが。
小学校教員養成課程のある学部で、志望動機を学生に尋ねると「教師びんびん物語」を観ていてあこがれたという理由を語った人がいたらしい。そういうドラマで描かれる教師像は、最近増加したモンスターペアレントたちによって打ち砕かれたのだろうか。いまはとにかく「教員」は人気のある職業ではなくなったのだ。
九州の学校では教員不足が深刻であるという。少子高齢化でそもそも若者の人口が減少しているわけで、働く人がどの分野も減っているわけだ。コンビニや外食産業が外国人のアルバイトに頼ってるというのは全国的な状況だが、もはや人手不足は社会のあらゆる職業階層に広がってるのである。そして団塊世代の人が定年退職していった後は、採用しようとしても人が集まらないのである。九州ではこんなことが起きてるという。
元社会教諭に「数学教えて」 教員不足、九州の教委必死
8/21(月) 11:25配信 朝日新聞デジタル
九州各地で教員不足が深刻になっている。年度当初の欠員が相次ぎ、福岡県では1学期半ばでも60人以上が不足していた。第2次ベビーブーム世代の就学時に採用された教員の大量退職が背景にある。切羽詰まって、「教員免許をもつ人を紹介して」と保護者に呼びかける教委もある。
■保護者に「紹介して」メール
「お知り合いの方で、教員免許状をお持ちの方がいれば、是非紹介してくださるようお願いします」。今年1月、福岡県大野城市の小学校の保護者に届いたメールだ。県教委の福岡教育事務所が、管轄する市町の教委と小中学校を通じ、保護者ほぼ全員に呼びかけたという。この保護者は「そこまで先生が足りないのかと驚いた」と話す。
福岡県内の元中学教員の男性(61)には昨年、地元教委を名乗る人から「中学の教員が足りない。講師として来てくれませんか」と電話がかかってきたという。男性は元社会教諭。「社会はいっぱいおるでしょう」と言うと「いや、実は数学なんです。臨時免許を出します」。男性は驚き、断った。「数学なんて教えたこともないし、免許もないのに」とあきれる。
ある中学では今年度、技術の教員が6月半ばまで不在。やむなく技術の時間は家庭科や他の教科に充てた。生徒からは「なんで技術できんと?」と不満が漏れたという。別の中学では5月末まで美術の教員がおらず、授業ができなかった。体育教員が臨時免許で美術を教えているケースもある。
「担当外では満足に教えられない。これで学力をあげろと言われても無理」とある中学教員。別の小学教員は「教員はだれでもできる仕事じゃない。こんな状況では子どもたちにも失礼だ」と話す。
.朝日新聞社
このようなことが実際に起きているのである。 教師をする人がいないのである。足りなくなることを見通してどうして教員を計画的に確保できないのだろうか。辞めていく人はわかってるのだから、その分をちゃんと採用すればいいのである。教員採用試験を行っている以上、その志願者はいるはずだし、教育学部が定員割れにでもなっていない限り教員免許を持つ資格者はいるはずだ。それなのにどうして人が足りないのか。
大阪市は橋下知事の時代に大幅に教員の給与が下がった。なんでも待遇を悪くした方が本当に熱意のある人だけが現場に来てくれるという間違った価値観を持つ人がいたとかいう話であるがその真偽のほどはわからない。待遇を悪くすれば能力の低い人が来るというのは介護業界がそうであるように自明のことだ。さまざまな問題を抱えて他の職業には就けないような人材がそこに吹きだまるのである。より優秀な人材が求められる教育の世界がそうした状況であるというのは、このままではオレは日本の将来に不安しか感じられないのである。
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