2017年07月31日(月) |
スカイツリーの悲劇 |
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関東圏の住民にとっては有名な7月29日の隅田川花火大会、当日激しい雨だったので「本当にやるのか?」「中止ではないのか?」と心配する人も多かったのだが、雨の中で決行され、集まった観客たちは傘を差して花火を楽しんだのである。花火大会自体は降りしきる雨の中で決行された。傘を手にした多くの観客が雨の中で花火大会を楽しんだ。雨でも花火が上がるのかとオレは不思議に思うのだが、そこはなんとかなるのだろう。空中で濡れて消えてしまうようなものでもないようだ。まあオレのような貧乏人にとっては「花火大会」=「ゼニを払わないでも楽しめるイベント」という感覚なので、天候くらいなんでもないのである。
しかし世の中には、特別にゼニを払ってでも花火を楽しみたいというお大尽の方々が存在するのである。8月15日の諏訪湖の花火大会の時に、10万円以上払って花火の見えるホテルの客室をキープする人たちがいるように、ほんのひとときのためにゼニを払える人が存在するのだ。
隅田川花火大会を贅沢に楽しみたい方々は、それを高さ450mのスカイツリーから観覧しようと思ったわけである。スカイツリーに観覧席を設けて隅田川花火大会を眺めるというこのイベントは900人限定で、入場チケットは6月中旬頃から抽選販売された。価格は最安のプランでもなんと9800円もする。もちろん参加者にはお土産もつくのだが、もっと贅沢な人たちには展望デッキ内にあるレストランで料理とともに花火を楽しめるプランも用意されていたのである。そちらはなんと食事代込みで4万7000円だったのである。
オレのような貧乏人はどっひゃ〜と思うような金額である。
そうした金額を払ってスカイツリーで期待して待っていた人たちを襲ったのは、天候という不可抗力の悲劇だった。当日夕方の激しい雨、そしてスカイツリーを覆う分厚い雲。これだけはどうしようもなかった。大型扇風機で吹き飛ばしてくれというわけにもいかない。展望台の窓からは真っ白な雲しか見えなかった。
「ほとんど見えない!」
「真っ白で何も見えない!」
ツイッターにはこのような多くの悲鳴のようなつぶやきが書き込まれていた。高い料金を払って、特等席からの観覧を期待していた人たちは、天候という不可抗力の敵の前に涙を飲むという羽目になったのだ。
世の中にはこのようなどうしようもない不運が存在する。せっかくのデートが台無しになってしまった人もいるだろうし、結婚30周年とかの大切なイベントが失敗になってしまった人もいるだろう。もはやそれはあきらめるしかないのである。
スカイツリーの分厚い雲の中で観覧した方々は、花火大会を主に音だけで楽しむこととなった。雲は時折花火に照らされて少し明るくなったりしたが、肝心の花火はほとんど見えなかったという。中にはワンセグでテレビ中継の花火を観ていた人もいたらしい。
これが大阪なら「見えへんやんけ、ゼニ返せ!」と大騒ぎになって収拾がつかなくなるところだが、そこはやはりお江戸である。大阪とは違うのである。参加者からのクレームは一切なかったという。さて、来年はいったいどうなるのだろうか。
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