2017年03月26日(日) |
タワーマンションは最後はどうなるのか? |
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新しいモノを建設することよりも、古いインフラをいつまでもメンテナンスして維持していくことの方がこれからの日本では大切だとオレは思っている。東海道新幹線という日本でもっとも大切な交通インフラは、永久に使い続けられるものなのだろうか。鉄筋コンクリートの橋脚の耐久性は無限ではないだろう。
オレが住んでいる家はオレが中学3年の時に両親が建てたから、いろんなところでもう痛みが出てきてしまっている。でも贅沢な注文建築で建てられているからきっとそこいらの建て売り住宅よりは耐久性はすぐれているはずである。夏は暑いし冬は寒い典型的な古家なんだが、きちっと断熱材を入れて大幅リフォームすれば快適になるだろう。もっともオレが生きてる間にそんなことをすることは考えてない。それ以前に駅から遠くにあるこの家は不便でしkぁたがない。買い物も遠いし、クルマがないと生活できないようなところに建てられたこの家ははっきり言って失敗だとオレは思っている。我が家の息子二人は家を出てしまうから、オレが死んだ後はこの家は廃墟となるか人手に渡るだろう。
時間の経過によってさまざまなものの事情が変化していく。50年もの定期借地権を設定した土地が取引されているが、50年後には関係者がみんな死んでるわけでそうなるとどのように決着を付けるのだろうか。
大阪市内にはどんどんタワーマンションが建つ。建てるならいましかないという感じでじゃんじゃん建設され、そして飛ぶように売れていく。もしもそのタワーマンションに欠陥があればどうするのだろうか。建て直すといっても、その業者が倒産したらどうしようもないだろう。報道されているのはほんのわずかであり、実際には数多く起きている欠陥マンションの問題は、マスコミに華麗にスルーされている。貴重な広告主様の機嫌をそこねるわけにもいかないし、そもそも訴訟を起こすことが他の住民の反発を招くのである。雨漏りに困って訴えようとしても、他の住民が「余計な裁判を起こされるとマンションの価値が下がるから迷惑なんですけど」と妨害される。実際に住んでる人たちの不満の声はなかなか公開されることはない。そして管理組合がいつまでもきちっと機能していけるかどうかはわからない。
居住者の中に大勢の「価値観を共有できない迷惑な連中」が入ってきたらもうオシマイだ。まっとうな居住者はさっさと転売して出て行く。トラブルに関わるよりもさっさと別の新築の所に行けばいいと思うからである。
50年後、タワーマンションはいったいどうなるのだろうか。もちろん50年先にオレは生きていないわけでその行く末を見届けることはできない。しかし、オレの地元にある築40年とかの古いマンションがすでに廃墟になっているのを観ると、そういう状況というのはいずれ日本中を覆い尽くすに決まってるのである。
日本はこれからどんどん人口減少していく。無住の地が増えれば、いずれ家や土地はタダになるだろうし、持っていれば固定資産税という税金を払わないといけないという点で「負の財産」となってしまうだろう。家なんか持たなくても、そこら中に空き家が存在して管理されていなくて、勝手に居住してそのまま居座ってしまう人が増えてくるだろう。
誰のモノかわからない家や土地、相続対象者がすべて死んでしまっている不動産がこれから増えていくわけだ。そうしたものを国の財産としてどんどん吸収し、再利用できる仕組みを今のうちに作っておかないといけない。
タワーマンションの問題を一挙に解決する方法がある。それはその所有権を「建物の価値が消滅した時に自動的に消滅します」と規定すればいいのである。50年後には消えてなくなりますよと宣言するのだ。その上で、その消滅の日まで使う権利として分譲販売するのである。土地は最後は誰のモノでもなく国に返されることにすればいい。そうすれば再開発がやりやすい。50年後に爆破解体して、新たに建て直して売り出せばいいのである。
バブルの頃に大量に建設されたリゾートマンションは、一時期は大幅に値下がりしてタダ同然になっていた。それが最近は見直されているのである。タダ同然になったから今度はそのタダ同然の住居を老人が「終の棲家」として購入するケースが増えているのだ。100万円以下で買える物件も多く、都会で家賃を払い続けるよりも安いし、何よりもう都会に住む必要などない。
地下鉄御堂筋線の中津駅の駅前にあった東洋ホテルの跡地に50階建てのタワーマンションが建設されている。オレはその新聞広告を見ながら、50年後はここはいったいどうなるのだろうかと思ったのである。自分が死んだ後なんてどうでもいいことなのかも知れないが。未来の日本が廃墟になっている姿を見ないで死ねるのはある意味幸せかも知れない。
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