2016年10月01日(土) |
誰が地下鉄今里筋線を延長させたいのか? |
携帯用URL
| |
|
大阪市営地下鉄はほぼ路線の整備が終了している。これから人口減少社会になっていく中で採算性の見込めない新規路線はもはや建設不要というのは誰もが考えることだろう。当初の計画線であっても見直しは当然だ。
今、かなりの黒字を出しているこの地下鉄を民営化すれば、大阪市に財政的に寄与することは間違いない。それで大阪市は基本方針として民営化という方針を出しているわけだが、大阪市議会の自民党議員団は民営化の賛成条件の一つとして「今里筋線未着工部分の整備基金創設」を提示している。吉村市長は自民党議員団の提示した民営化の条件をほぼ受け入れつつも、その「今里筋線延伸」に関わる条件は拒否した。ニュースの記事を引用しよう。
大阪市地下鉄民営化 吉村市長が自民の条件おおむね受け入れ
毎日放送 9月26日(月)23時23分配信
大阪市の地下鉄民営化に向けた基本方針案について吉村市長は、自民党市議団の要望をほぼ受け入れることを明らかにしました。
基本方針案をめぐっては、自民党の大阪市議団が賛成するための条件12項目を先月、吉村市長に提出していました。吉村市長は26日自民党に対し、市が100%株を保有することや、経営陣の人選に関与することなど12項目のうち11項目は受け入れ、地下鉄今里筋線を延伸するため100億円の基金を設立するという条件のみ受け入れないと伝えました。
「8号線(今里筋線)の延伸は大きな赤字を市民に負担いただくことにならざるを得ない」(吉村洋文大阪市長)
吉村市長はかわりに、バスなどを含む全体的な交通政策のために100億円の基金を設立する意向を示しています。自民党は今後、議会での議論を踏まえ、民営化の賛否を判断するとしています。
現在、地下鉄今里筋線は年間42億円の赤字を出している。もっとも収入の多い御堂筋線は年間で360億円の黒字を出しているわけだが、この赤字の理由は今里筋線が大阪市の中心部に直接アクセスしていないからである。外縁部だけを走ってるからだ。もちろん延長してもその状況は変わらない。延長工事には1400億円かかるそうだが、そうして路線を延長しても利用者が低迷することは間違いない。御堂筋線の乗客数は115万人だが、今里筋線は現在6万人しかない。採算性の見込みのないこの路線を自民党議員団が建設させたいのはなぜか?それはオレがいつも主張している「イナカモンドリーム」である。その路線が通過することによって周辺地価が上昇し、それを宣伝することによって議員が集票できるということである。実にくだらない話である。田舎議員の自己満足のために貴重な税金が浪費されるだけではなく、さらに年間数十億の赤字が未来永劫押しつけられるのである。納税者たちは「ふざけるな!と言いたくなるだろう。
大阪市の交通体系の中で決定的に問題なのは、市バスがきちっと活用されてないことである。混雑するのは朝夕の通勤時の一部の路線だけであり、ほとんどの時間帯は空気を運んでいるのが今の市バスの状況だ。どのような路線があればどのような利用者が発生するのか。そうした検証もなく昔からある路線を引き継いでいるだけである。市民の足としてよく利用されている京都市バスと混雑度は全く違う。
今里筋線を建設するには1400億円かかると試算されている。ドル箱の御堂筋線の4年分の利益をぶち込むことになるのだ。そうして作ってもうかるかというと赤字になることが確実なのである。金を掛けて損を生み出すシステムを作るのは馬鹿である。ところが大阪市の自民党議員団は、その馬鹿なことを熱心に推奨してるのである。オレには想像もつかないような馬鹿か、あるいは税金をどんなに無駄遣いさせても自分の地盤の有権者やコネのある人たちだけがもうかればいいという悪人なんだろう。自分ではゼニも出さないくせに「もんじゅ」を存続させようとしてる敦賀市長みたいなものである。
そんなに地下鉄が欲しいなら地元負担すればいい。駅ができる地域の住民が、みんなで募金して作ればいいじゃないかとオレは思うのだ。ついでに沿線住民に乗車ノルマを課して黒字になるくらいに乗らせればいいのである。もっとも敬老パスの方々がいくら乗ったところで黒字にはほど遠いと思うのだが、
誰が今里筋線を延長させたいのだろうか。推進派の連中というのはその建設利権で金儲けをたくらんでるヤツらしかいないというのがオレの予想である。
←1位を目指しています! m(_ _)m 投票博物館