2016年09月19日(月) |
マスコミはなぜ稲田朋美のインサイダー取引を許すのか? |
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インサイダー取引とは何か。少なくとも政治家にはこの言葉はちゃんと理解しといてもらいたい。その昔、菅直人という馬鹿総理がいた。彼の不用意な発言のたびに為替相場は大きく動いた。その時に思ったのだが、「こういう発言をすれば為替はこう動く」ということがわかってるのなら、菅直人には黒幕がいて為替取引で莫大な利益を得てるのじゃないか・・・ということだった。
もっとも後で彼がただの馬鹿だったことがわかってオレの心配はただの杞憂だったわけだが。金儲けのためにあの発言をしていたのなら尋常ならざる策士なのかも知れないと当時のオレは本気で疑っていたのである。
政治家がもしも株取引や為替相場で儲けようと思ったら、どんな発言でどんな株が動くかを予測したうえで、あらかじめ先回りして買ったり空売りしておけばいいのである。政務活動費の領収書をごまかすとかいうセコい方法ではなくて、確実に数十億のゼニを合法的に稼げる方法である。しかも日本ではインサイダー取引はやり放題である。たまに検挙されてる人がいるが、あれは証券取引等監視委員会が「いちおう仕事はしていますよ」というアリバイつくりのためのただの生贄であり、本気で取り締まるには人員も熱意も全く足りない。
オレがこの日記で過去に取り上げた大規模なインサイダー取引疑惑、たとえば新興不動産のジョイント・コーポレーションの破綻劇とか、アーバン・コーポレーション倒産にからむBNPパリバの増資疑惑とか、明らかに投資家を食い物にした犯罪としか思えない事件はこれまでに多く起きている。インサイダーの規模も数億や数十億だ。しかし、それらについて取り上げた大手マスコミは一つもなく、すべてがスルーされたのである。新聞記者たちに株取引の裏側まで理解する知識が欠けていたということも大きい。信用倍率のことや逆日歩のこと、増担保のことなど記事にしても読者も理解できないだろう。
オレのようなただの個人トレーダーが見ていて明らかにおかしい取引であってもマスコミはいつもスルーなのだ。きっと世間には巧妙に隠蔽されたインサイダー取引は無数にあるだろうし、日本ではアメリカのように巨額の罰金を科されることもない。たとえば防衛大臣の稲田朋美の夫が、自衛隊にかかわりの深い三菱重工や川崎重工業の株主であることは明らかに問題である。防衛大臣の発言ひとつでこれらの企業の業績は大きく変化するのだ。それをなぜ許してるのか。これはもしもアメリカなら政権が吹っ飛ぶような問題なのである。どうして日本はそれを問題視しないのか。
防衛大臣就任がわかったのならば、仮に株を取得した時にそんな可能性があるとは思っていなかったとしても、防衛関連の株は即座に売却してしまうのが政治家としてのただしい身の処し方である。どうしてそうしなかったのか。それがインサイダー取引であるという認識が全く欠けているからであるし、政治家は決して訴追されないという傲慢さが見え隠れするのである。
日本のマスコミには正義や良心などない。いくら東芝が会計上の不正を行っていても絶対に「粉飾決算」とは書かない。きっと「広告料がもらえない」とか「電通には逆らえない」とか思ってるのだろう。NTTドコモが「dマガジン」というサービスをはじめてわずかな月額料金で雑誌が読み放題というサービスを始めたが、あんなものがビジネスモデルとして通用するのは雑誌がそもそも売り上げに頼っていないからである。今の出版業界は雑誌本体の売上冊数よりも、その雑誌が公称何部売れてるかということで入ってくる広告収入をあてにしてるのであり、広告業界には絶対に逆らえないのである。
大手新聞もすでにページの半数以上が広告で埋まっている。全面広告を打つ連中の中には投資詐欺の輩まで混じっている。もちろん広告の中身に決して新聞社は責任を持たない。以前に「SPF」(スイスプライベートファンド)という詐欺集団が元本保証年7%という全面広告を読売新聞などに出していたが、連中が検挙された後も新聞社は広告を出したことの責めを受けることはなかった。オレのような個人投資家が「こんなの絶対ウソだろう」と思って疑うようなものでも新聞社は金さえもらえれば掲載して読者に金銭的な被害を与えてきたのである。
政治家にも逆らえないし、もちろん広告業界にも逆らえないくそマスコミは、稲田朋美をインサイダー取引だと追及することなどない。せいぜい芸能人の不倫ゴシップを報道したり、有名人のレイプ疑惑や覚せい剤使用を報道する程度のことしかできない。オレはかなり前に新聞の購読をやめてしまった。職場にあるから朝日新聞や毎日新聞を読むことはできるが、それはマスコミの馬鹿さの程度をはかるために読んでいるのであって、こんなものにゼニを払う価値などないと日々改めて感じているのである。
NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」の中で唐沢寿明演じる出版社編集長は「記事の内容を左右されたくない」と広告の掲載を断固拒否する。あんな信念を持った真のジャーナリストはもういないのだろうか。正義や良心はネットの中にしか存在しないのか。
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