2016年09月06日(火) |
JR東海の卑怯なやり方 |
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井戸を掘って大量の地下水を取水すると地下水位が低下して地盤沈下につながる可能性がある。最近はスーパー銭湯とかの目的で深い井戸を掘って温泉として利用してる様だが、その被害がどれくらい出てるのか、被害があった時になんらかの補償がなされているのかオレはまだニュースで見たことがない。日本中にたくさんあるスーパー銭湯の中には地盤沈下の引き金になってるところもきっとあるだろう。
JR東海が鳥飼車両基地の中に井戸を掘ろうとしていて、その敷地は摂津市と茨木市にまたがっている。摂津市とJR東海の間には環境保全協定が結ばれている。これは50年前に地下水のくみ上げすぎで地盤沈下が起きた時に締結されたものらしい。ところがJR東海は茨木市とはそうした協定を結んでいないようなのである。それで卑怯なJR東海は、敷地の中のある茨木市と摂津市の境界ぎりぎりのところ(いちおう茨木市側)に井戸を掘ろうと考えて、それで摂津市が抗しているというのだ。確かに井戸のその場所は茨木市だが、隣接の摂津市にも影響があるのではないかというまっとうな抗議である。
境界ぎりぎりのところに迷惑な施設などを作ってしまい、その被害を隣接自治体に押しつけて知らんぷりというのはよくあることだ。たとえば建設工事中の大間原発の隣接自治体は函館市になるわけだが、海峡を隔てているせいか函館市民の強い反対は無視されっぱなしなのである。大阪市も巨大なゴミ焼却場を大和川の南にある飛び地のようなところに建設し、今は絶賛稼働中である。阪神高速で三宅出口のところを通ると、燦然と夜空に排気筒の照明が輝いている。この大阪市のゴミ焼却場で燃やした煤煙は、ほとんどが周辺の松原市の方に落下する。もちろん風向きの関係で大阪市の方にも流れるかも知れないが、迷惑施設を隣の自治体に押しつけたという事実は否定できない。ただ、自前で焼却施設を持たない松原市から大阪市がゴミ処理を委託されてるという関係でもあるので、一方的に迷惑施設を引き受けてるということにも当たらないわけだが。
JR東海はなぜ「井戸を掘る」という方法に至ったのだろうか。一度掘ってしまえばあとはその水を永久にタダで使えるという算段なんだろうか。もちろん大量の水をくみ上げればなんらかの異変が周辺で発生する可能性があるのは当然のことで、その因果関係が証明されなかったら被害を受けた住民は行政を訴えることになるかも知れない。摂津市がJR東海に対して異議を申し立てるのは当然のことであり、茨木市がその問題をスルーしているのはただ行政側がボンクラなのか、JR東海との間になんらかの裏取引があるのかどっちかだと思うのである。
JR東海はこれからリニア新幹線の工事を行う予定である。その工事で必ず地下水脈がズタズタに切断され、名水が消滅する一方で関係ないところで水が出たりなどのことが起きるだろう。掘り出した土砂はどこに捨てるのだろうか。すでに起きている山梨の実験線でのさまざまな周辺での被害に対してきちっと賠償してるのだろうか。
これからの未来は人の移動を不要にする社会である。レジャー以外の人の移動がどんどん不要になる中で、新幹線をもう一本建設することの意味がどこにあるのだろうか。オレはそんなことを思うのだ。もしも輸送容量が不足するのならば、こだまを廃止して在来線に料金の安い特急を走らせればいい。三河安城とか岐阜羽島とかいう利用者の少ない駅は廃止すればいいのである。在来線を切り捨てる形で地方に広がる新幹線網は、短距離の鉄道利用者をさらに減らしてしまうという結果を常に生んできた。
JR東海がリニア新幹線の建設ではなく、軽井沢→名古屋間に中部新幹線を建設して東海道新幹線の補完路線の役割を果たさせようとしていたならオレはその計画に賛成しただろう。諏訪、中津川に中間駅を設けてそこで在来線と乗り換えできればそれは観光にも大いに役立っただろう。かかる費用も工期もリニアに比べれば驚くほど安く早く、しかも大地震の被害も心配しなくてもよかったのである。
オレが生きてる間にリニア新幹線は完成しないと思うが、もしも完成したとしてもそれは中央構造線の地殻変動でそんなに長くは持たないだろう。リニア新幹線運行中に地震で大きな断層が発生し、リニアの軌道を直撃するならば、時速500キロで移動中の乗客は一人も助からないだろう。史上最悪の鉄道事故が起きることは確実である。
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