2016年06月09日(木) |
プロ野球の30年後 |
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中学1年の男子生徒たちに、好きなプロ野球球団を聞いてみたところ、みな一様に「野球は観ない」という答えが返ってきてオレは愕然とした。少なくともオレが中学生だった頃には考えられなかったことである。誰もがひいきの球団を持っていて、堂々と、あるいはひそかに応援しているのが普通のことだとオレは思っていたのだが、どうやら昨今の事情は大きく変わっているようである。もしかしたら野球のルールを知らない若者が増えてるのかも知れない。
野球以外のスポーツに興味があるのだろうか。もともとファンが多かったサッカーだけではなくてラグビー、アメフト、バレーボールやバスケットボールなど観て楽しむスポーツの種類は最近一気に増えた。そういうものに分散してるのか、あるいはスポーツ観戦という行為が娯楽としての人気を失ったのか。
こうして野球離れが進んだらどうなるのだろうか。甲子園に集まる阪神ファンも、もしかしたらこれからどんどん高齢化が進んでいくのだろうか。アルプススタンドの急傾斜を登れずに転落事故を起こす老人が増え、ついには老人の入場禁止になりはしないかとオレは心配してしまうのである。そんな事態はなんとしても避けないといけない。
オレは生徒の中に阪神ファンを増やすために日々啓蒙活動を展開している。阪神が勝った翌日は宿題を減らしたり、阪神が優勝したら試験を易しくするなどの卑怯な方法で生徒の中に「阪神ファン」が増加するように活動中だ。巨人ファンの生徒を弾圧することも忘れない。もちろんオレが何も言わなくても生徒は「先生、こいつ巨人ファンだからあてましょう!」と提案してくる。そういう理由で生徒を指名するのはいじめにつながるのでやってはいけないことだ。オレはただ「巨人ファン」という理由で特定の生徒の採点を厳しくしたりすることは絶対にしない。しかし、わざわざオレに向かって「阪神弱すぎて全然ダメですね」と暴言を浴びせる「巨人ファン」の生徒に対しては、いつかリベンジしてやりたいと密かに策を練ってるのも実はオレの姿なのである。
そもそも大阪に住んでいるということは甲子園の1塁側のスタンドにいるようなものである。そこで巨人の選手を応援するようなマナー違反の行為は慎むべきだ。だからオレは大阪にいる巨人ファンは隠れキリシタンのようにひっそりとその信仰を伝えるべきだと思うのである。
おっと、野球一般の話をしてるつもりがいつのまにか阪神と巨人の話になってしまった。最初の話題に戻るが、このまま行くと将来の野球ファンが減っていくことは間違いない。その徴候はすでに現れている。今、テレビの地上波での野球中継が激減していることを忘れてはならない。野球中継はどんどん有料放送の方に移動させられ、「観たかったらゼニを払え!」ということが起きてるのである。巨人戦などは特にそうである。そうやって有料化することでますますファンが減ってしまうと言うこともわかってないほど、野球関係者は馬鹿なのである。
いつのまにか大相撲はマイナースポーツになってしまった。スポーツ新聞の一面を相撲記事が飾ることもなくなった。今後も伝統芸能として細々と続くだろうが、かつての輝きを取り戻すことはもうない。若貴時代が最後の栄光だったのである。
そうして野球も30年後には今の大相撲のようにマイナースポーツとなってしまっているだろう。いや、その頃には日本という国家はちゃんと残ってるのだろうか? なんか国そのモノが滅んでいそうで怖いのである。
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