2016年04月20日(水) |
燃費が悪くてもいいじゃないか |
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三菱自動車は4月20日、生産している車の燃費試験データを不正に操作していたことを発表した。車種は軽自動車のekワゴン、そして日産に納入していたデイズなどで、その合計の生産台数は60万台をこえる。過去にリコール隠しで問題になった企業体質がまたしても今回露呈したわけである。経営危機に陥ることは間違いないだろう。
製造業というのは大量生産できればできるほどコストが下がり、利益率が上がる。そういう意味ではトヨタがもうかるのは当然のことであり、ついでホンダや日産が利益を上げていることも頷ける。しかし、三菱自動車はシェアも小さく、そこから大きな利益を上げるのは至難であるということは自明の理である。
ところがその規模の小ささを活かしてがんばってるメーカーもある。富士重工やマツダである。トヨタのようにはなれない・・・ということを自覚し、わざわざ自社ブランドを選んでくれるマニアックな顧客を大切にするという路線で一定のシェアを獲得してるのだ。オレは三菱もそれで十分だったと思うのである。
三菱自動車はこれまでずっとカルトなクルマを作ってきた。オレが15年間も乗っていた「FTO」だけではない。「スタリオン」「GTO」そして2015年8月に生産を打ち切った「ランサーエボリューション」などの、マニアが垂涎して求めるクルマを作ってきたじゃないか。どうしてそのことを誇りに思わないのか。軽自動車でも「i−MEV」とか他社にマネのできない面白いクルマを出してるじゃないか。どうして開き直って「うちは燃費では負けてるけど、クルマの魅力では勝ってる!」といえなかったのか。どうして「カタログ上の燃費性能」というどうせ実際の運転では誰も実現できない夢の数字にこだわったのか。そんなものデタラメだって、実際にマイカーを所有しているドライバーは全員理解してることである。
プリウスを運転している人たちが全員本当にあの驚異的な数値を記録してるわけじゃないのだ。カタログの燃費なんてそんなものじゃないか。そんなものを気にするよりも、ダイエットしててめえが体重を減らした方がはるかに燃費がよくなるということがわからないのかそこのメタボ野郎。そんなことをオレは思うのである。どうしてそんなことに三菱自動車のトップは気づかなかったのか。部下に達成困難な目標を押しつけ、ついにはデータの改竄に至ったことはトップの責任だぜ。
さて、不正発覚後の対応だが、三菱自動車はクルマを購入した客に対してガソリン代の差額分を賠償するという話が出ている。うーん、それしか方法はないのだろうかと悩むのだが、本当にそれくらいしか方法はないのか。そもそも客はどんなふうにしてもらいたいのか。やっぱりゼニなんだろうか。
さて、今回のことの決着だが、オレは「希望者に対してはクルマの買い取り」「そのまま乗り続ける人に対しては謝罪と、点検や車検無料」でいいと思うのである。そもそも基準が明確ではない「ガソリン代」なんてものを支払うよりも、さっさと手放してもらって、それをわかった上で中古車で購入する人に乗ってもらえばいいと思うのだ。考えたら2000年に購入したオレの「FTO」の時だって、最初の車検までずっとオイル交換を無料でしてもらたなあと思い出すのである。謝罪の気持ちと、過剰なくらいのサービスがあればそれで客は満足するのだ。それを「ガソリン代の差額」なんてくだらないゼニで解決しようとすることは大間違いである。
まあそんなことを思うのだが、差額のガソリン代を今払おうとしているのは今ならガソリンが安いからという思惑があるのかも知れない。いずれにしても社長や会社の幹部がボンクラであり、提携先の日産の指摘がなかったらバレなかったという点でまことにダメな企業だなとオレは三菱自動車を哀れに思うのである。
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