2016年03月11日(金) |
震災から五年〜命を無駄にしないために・・・ |
携帯用URL
| |
|
東日本大震災から5年が過ぎた。震災で犠牲になった人たちを慰霊するさまざまな行事が今日は行われた。自分の目の前で大切な人を失った人の悲しみは永遠に消えることはない。それでも残された人々は気持ちを前向きにして生きねばならない。我々はあの震災からいったい何を学んだのか。
大川小学校の悲劇は、地震の時にどうすればよいか、どこに避難すれば良いかという必ず身につけておかないといけないことが忘れられていたために起きた。もしもあの時、全校生徒がすぐに裏山に必死で登るという選択をとっていれば全員の命が助かったのである。大地震が起きればまず津波を警戒するということ、少しでも高台に登るということ、こんなものすごく基本的なことがどうして人々に共有されてなかったのだろうか。
あの大災害を生き延びた人は、「どうして自分は助かったのに友は死んだのか」という問いをずっと引き受けて生き続けなければならない。それはどれほどつらいことだろうか。震災を越えて生き残った人たちは、亡くなった友の果たせなかった「想い」も引き受けて生きなければならない。そうしたさまざまな「想い」をぶちこわすのが、震災復興にむらがる「金儲け」目的の連中、イナカモンドリームを狙うクソどもだ。
阪神大震災の時に「区画整理」という名目で整然とした無機質の街がどんどん建てられていき、多くの人々がゼニと引き換えに街を捨てて二度と戻らなかったことを繰り返してはならないのだ。しかし、巨額のゼニは無人の街と高くそびえる防波堤のために使われている。復興しなければならないのは人々の暮らしであり、街の賑わいを取り戻すことであり、人々が生きる糧となる仕事を手に入れることだ。しかし実際に使われるゼニはそうしたことではなく、巨大な土木工事を受注した大企業やゼネコンが受け取り、もちろんゼネコン本体は何もしないでマージンを抜いて丸投げし、実際の工事は下請け、孫請けが低賃金で請け負っている。仕事がなくなれば簡単に解雇される使い捨ての労働者たちが大量に雇用され、復興事業を担っているのだ。建設業界のこうした構造は昔から少しも変わらない。
日本の原発にはメルトダウン時に作動する「コア・キャッチャー」を装備した安全な原発は一つも無い。ヨーロッパでは新設時に義務づけられているこの安全装置が日本では全く装備されていない。大手マスコミがそれを報じないのはなんらかの報道規制が存在するのだろう。オレの日記や「きっこのブログ」でいくら熱心にそのことを書いても、多くの人がこの事実を知らないままである。新しく建設する予定の大間原発にももちろんコアキャッチャーを設置する予定はない。費用が掛かるという単純なゼニの問題でカットされたこの設備がもしも福島原発に備わっていたら、数十年かかるという廃炉作業が数年程度で完了していただろう。
日本は地震国である。そして、周囲を海に囲まれた津波大国でもある。大地震とそれに伴う津波という自然災害から逃れることはできない。すべての海岸に高さ20mの防潮堤を設置するのは不可能だが、せめて原発のある所だけでも高さ20mの津波に耐えられるようにしっかりとした堤防を築くべきだ。少なくとも東日本大震災級の津波はもはや「想定外」ではなくなったのだから。それくらいの災害を常に「想定内」において対策を立てる必要がある。そうすれば、巨大防潮堤というハードウェアに頼るのではなくていかに迅速に避難するかというソフト面の対応が必要だということがわかるだろう。ゼニをかけるのではなくて頭を使って工夫するということが大切なのだ。
九州では数千年に一度大規模なカルデラ爆発がおきている。そして数万年に一度、阿蘇山のカルデラが形成されたような大規模な火山活動が起きている。それが今突然始まらないという保証はない。阿蘇山のカルデラ爆発のようなことが起きれば、九州がすべて火砕流で埋まり、川内原発は一瞬にして壊滅する。九州に住む人はほとんど助からないかも知れない。そのときに原発がなければ被害は九州だけで済む。しかし、原発が破壊されて大規模で制御不能な事故が起きればその被害は地球規模になるのだ。日本列島という地球上でも特に脆弱で不安定な地域に、こんなに多くの原発が建設され、高層ビルが林立してるのである。長周期の揺れで真ん中から真っ二つに折れるような超高層ビルがあるかも知れない。
震災の復興はさまざまな問題をはらみつつもこれからも進んでいくだろう。唯一復興できない地域、福島原発周辺を残して。高浜原発を再稼働させようとしている関西電力や地元住民は東日本大震災から何も学んでないのである。高浜原発がもしも津波でメルトダウンすれば、琵琶湖に大量の放射性物質が降り注ぎ、京阪神の人々は飲料水を喪失する。もちろん高浜原発にはコアキャッチャーは設置されていない。
←1位を目指しています! m(_ _)m 投票博物館