2016年03月07日(月) |
長崎新幹線という馬鹿事業を笑う |
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長崎新幹線をフル規格で建設するなんて馬鹿なことを決めたのはどうせ利権がらみのゼニをフトコロに入れることだけを考えてるクソみたいな田舎議員どもだろう。オレの一番嫌いな「イナカモンドリーム」のために、回収不能なゼニをそこに投入させるのである。なんと馬鹿馬鹿しいことだろうか。どうして山形新幹線や秋田新幹線みたいなミニ新幹線にしようと思わなかったのだろう。そうすれば佐賀県が反対することもなくスンナリ建設できたはずである。在来線がそのまま残るため、旧長崎本線が3セクの赤字ローカル線として地元に押しつけられるという悲劇もなくなるのだ。
長大な単線路線である長崎本線の輸送力には期待できない。そこでなぜいきなりフル規格の新幹線を建設するという壮大な無駄遣いをしようとするのか。複線化して速度を向上させるという方法でなぜ対応しなかったのか。博多から長崎まではたったの153.9キロである。そこを走る特急「かもめ」の所要時間は約2時間だ。単線故に列車交換の待ち時間も発生するために時速77キロしか出せてないということになる。
これが大阪→三宮間を走る新快速なら、30.8キロをわずか20分で走るので途中2駅に停車するのに時速約90キロということになるのだ。少なくとも特急「かもめ」よりも新快速の方がずっと速いということはよくわかる。逆に言えば特急「かもめ」はその車両が本来持っている速度が出せていないのである。列車交換の待ち時間以外にも、駅で分岐を通過するときに減速することなどさまざまな理由がある。もちろんカーブの多い長崎本線ゆえの宿命もあるだろう。
オレの提案は、フル規格の新幹線を建設してゼニを捨てるのではなく、単線の長崎本線に単線の標準軌の線路を増設して複線化するということだ。そうすれば長崎本線を止めずにそのまま広軌化できるのである。そして標準軌の線路が開通した時点で、単線でミニ新幹線として長崎新幹線を開業し、新幹線を運行しつつ残った狭軌の線路を撤去してそこに標準軌の線路を敷いて数年後に複線化するのである。そう、軌間を拡張して高速列車に対応した上で複線化工事してしまえということだ。そうすれば最高速130キロの列車を走らせることが可能になるので別にフル規格の新幹線を建設する必要もなく、また地元負担もフル規格の新幹線を建設する工事の1/3以下程度で済むわけで財政負担も軽くなり、佐賀県の反対もなくなるはずである。何より大きなことは高速化された長崎本線が黒字路線として貢献することでJR九州の収益にプラスになることだ。
秋田新幹線を通すために田沢湖線を改軌する工事にかかった時間は一年間である。しかし、田沢湖線のような山岳地帯と違って長崎本線の通過する場所は平地である。列車を運休させて改軌する工事よりも走らせながら一本増設する工事の方が時間はかかるかも知れないが、それでも工事期間を3年みておけば大丈夫だろう。今から始めれば2020年には鳥栖から長崎までの区間にミニ新幹線を開業することは十分可能である。
在来線をただの赤字ローカル線にして将来のお荷物にしてしまうのではなく、明治からの鉄道施設というインフラをきちっと未来に伝えるために残すことの方が大切だとオレは思うのである。東海道新幹線だって、停車駅を増やした「こだま」を走らせるよりも「のぞみ」だけに絞って小さい駅を廃止した方がはるかに輸送力は増強できる。「こだま」を全廃して、その代わりに在来線の快速などを増発した方がはるかに地元の利便性は増すはずだ。現在の東海道本線はその能力が全く活かせていないのである。
フル規格で新幹線を建設するという馬鹿なことは即刻中止して、現行の長崎本線を活用しつつ高速化も実現するという方法を地元自治体は模索すべきである。長崎県民は地元負担として支出される700億円の有効な使い道を考えるべきなのだ。
もしも長崎本線が完全に複線化できれば、それだけで博多長崎間のすべての列車に時間短縮効果が発生するだろう。通過待ちのためにやたら長時間停車させられた普通列車のスピードアップができれば、それだけ乗客をクルマから取り戻せるだろう。
オレはJR九州の戦略を高く評価している。もともと赤字である鉄道事業を収益の柱にすることをあきらめ、鉄道事業に付帯するさまざまなビジネスを一体化して考えて収益を作り出そうとするそのすぐれた発想をもっと広げてもらいたいと思っている。今回の長崎新幹線だって、地元国会議員の口利きとかで無理矢理作らされ、押しつけられることに対してもしかしたら納得していないかも知れない。ここは万人が納得するような代案を提示していただき、イナカモンドリームに沸き返る連中に鉄槌を浴びせてもらいたいものである。リレー方式でその馬鹿馬鹿しさを示すだけでは不十分だぜ。
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