2015年03月23日(月) |
実家の田んぼで米作って停職? |
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公務員は副業禁止だという。しかしそれはたとえば、奈良市役所のポルシェ野郎とかみたいな悪質なものを想定してのことではないのか。昼は公務員で夜は風俗嬢とか、昼は公務員で夜はキャバレーの用心棒とか、そういう「副業」を禁止するのはよくわかる。しかし親から相続した実家の田んぼで米作って何が悪いんだ。
産経新聞にこんな記事があった。
産経新聞 3月21日(土)7時55分配信
さいたま市職員が水田耕作の副業 毎年赤字も停職6カ月
さいたま市は20日、市に無許可で水田を耕作し収入を得ていたとして、市環境局の男性業務主査(56)を、地方公務員法に基づき21日から停職6カ月の懲戒処分とした。農機具の購入費などで経費がかさみ、収支は毎年赤字だったという。
市人事課によると、男性は昭和63年から相続した県内の水田約2・6ヘクタールでコメを生産。平成13年ごろからは知人らに依頼されて耕作放棄地でもコメを作り、現在は約7ヘクタールもの水田で農業を営んでいた。
男性は市に対し「赤字であれば許可を得なくていいと思った。耕作放棄地を何とかしたかった」と話しているという。地公法は、市職員が市長の許可を得ずに副業を行い収入を得ることを禁じている。
副業っていったいなんだろう。たとえば公務員が株式投資で利益を得ていたり、親から相続した不動産をたくさん持っていてそこからの賃貸収入があった場合、それは「副業」とされるのだろうか。
このさいたま市環境局の職員が7ヘクタールの水田を所有し、そこで農業を営んでいたということがどの程度の労力を必要としてそれがどの程度の規模なのか、正直言って農家の方に訊かないとわからない。ただ、その動機が「じゃんじゃん金儲けしたい」ということであったとは思えないのである。「耕作放棄されてる土地を守りたい」という動機で農業を営むことはむしろ国益である。
「許可を得なかった」ことに罪があるのならば、改めて「許可」を出すべきだ。少なくともオレはこの市職員の行為が悪質なものであるとは思えないし、停職6ヶ月という重いペナルティを科されるようなものではないと考える。
田んぼを守ると言うことは市役所の公務よりももっと大切なことだ。少なくともオレはそう思うのである。それを「副業」と決めつけてペナルティを科すさいたま市は、そんなことよりも議員の政務調査費が切手代とかに大量に支出されていないかどうかをチェックする方が先だろう。
耕作放棄地がどんどん増えて、過疎の村が無人になっていくというのが今の日本の残念な状況である。そういう土地を「どんどん利用しよう」という人が一人でも増えるようにするのが「行政」のつとめである。
オレがさいたま市民で市職員ならば、この男性の処分撤回のための署名運動でも起こしたかも知れない。そんなことを思ったのである。
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