2015年03月12日(木) |
日本海エクスプレスを実現しよう! |
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トワイライトエクスプレスは最終便が大人気だ。最終の列車に乗りたがる、いわゆる「葬式鉄」の方々が大挙して予約に殺到したという。しかしこのような「移動の手段」ではなくて「乗ること自体が娯楽」という形で鉄道を利用する人々が確かに存在するのならば、いっそもっと長い距離を走る企画列車を恒常的に運行したらどうかと思うのである。
日本列島の最南端と最北端の駅を結ぶ列車、それも日本海側を走らせる「日本海エクスプレス」を走らせたらどうだろうか。枕崎から稚内まで3日くらいかけてゆっくりと走るのである。もちろん乗客はその区間を通しで乗ってもいいし、売れ残った席は区間乗車する客に販売すればいい。(たぶん売れ残らないような気がするが・・・)そうして週に一本でいいから平日に運行するのだ。
おそらくどこかの国が「日本海じゃなくて東海だ」といちゃもんをつけてくることが予想されるが、そんなのは黙殺すればいい。
始発駅の稚内や枕崎に行くには飛行機や在来線の列車を使うことになるわけだが、もちろんどちらも乗降客数の少ない駅だからそこに人が集まる効果は大きい。いろんな企画列車を走らせて話題となってるJR九州とかが中心となって、豪華な旅を実現する日本縦断列車を走らせるのだ。
この日本縦断列車が通過する3セクの路線にはそれぞれ「線路使用料」が払われることとなるので3セクにとっても大きな収入となる。もっとも週に一往復ではたいした金額ではないかも知れないが。
新幹線と違ってトンネルも少なく、海岸沿いを走る在来線から見る日本海の風景の美しさは乗客を楽しませてくれることだろう。別に全席寝台車にする必要はない。西洋風のコンパートメントみたいな客室を「家族室」として設けてもいいだろう。高額の価格設定にして客を制限するのではなく、高いけど手が届く程度の価格にしてより多くの人に乗車の機会を与えるのもいいだろう。
「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」が我々に教えてくれた事実は、鉄道を単なる移動の手段ではなくて、ただ「乗ること」を目的とする多くの人々の存在である。海外からの旅行者が増えた今、そうした人達もまた日本のローカル線での旅にさまざまなよさを見いだす可能性である。
私は28歳の頃、トーマスクックの欧州鉄道時刻表を読みながらワクワクして、ユーレイルパスでの旅を楽しんだものである。日本にやってきた多くの海外の若者が、日本の鉄道時刻表を手にしてバックパックで貧乏旅行してくれることを願う。「日本海エクスプレス」という形で失われた「トワイライトエクスプレス」や「北斗星」よりももっと充実した旅が生まれることを願うし、鉄道旅行の楽しさをより多くの人々にわかってもらいたいと思うのである。
「日本海エクスプレス」が海外のメディアやブログで紹介されれば、その列車で日本の最南端から最北端まで旅をすることを望む多くの外国人観光客がやってくるだろう。やはりこれから日本が世界にアピールする産業は「観光」だと思うのだ。昨年に日本にやってきた外国人の数ははじめて1000万人を超えた。これが2000万、3000万と増えていけばその経済効果は莫大なものとなる。東南アジアや中東のイスラム圏の観光客を誘致することに成功すればさらに可能性は広がるのである。1000万人が一人10万円のゼニを使うだけで1兆円の経済効果が生まれる。中国からやってくる観光客の「爆買い」もまた日本の産業にとっては大きな追い風である。
オレが北欧や東欧を旅した時、現地の人にとっては何でもない見慣れた日常の風景が、オレにとっては感動的で忘れられないものとなった。それと同じことを日本を訪れた外国人観光客も感じるはずだ。日本人にとってもはや「終わってしまった」という感のあるさびれた温泉地や田舎の景色が、外国人観光客にとっては「日本で出会えた奇跡」になるかも知れないのである。
おっと、「日本海エクスプレス」の話題から少しズレてしまったが、アベノミクスによる円安効果は輸出増にはつながらなかったが、外国人観光客の増加という意味では劇的な効果をもたらしてるとオレは思うのである。今が大きなチャンスなのである。
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