2014年07月10日(木) |
こんなゆるキャラはいやだ |
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鳥取というと何を思い浮かべるだろうか。普通は「砂丘」である。他に鳥取というと、今は水木しげる記念館のある境港では「ゲゲゲの鬼太郎」関係のキャラが人気を呼んでるし、「名探偵コナン」にゆかりの街もある。しかし、羽柴秀吉が吉川経家を攻めた鳥取城攻防戦を知ってる者はかなり限られると思うのである。そんなことは日本史オタクしか知らない。
秀吉はデマを流して米を高値で買い占め、城内の米倉の米まではき出させてから攻撃を仕掛ける。大事な備蓄米まで売ってしまったために、攻められた鳥取城はたちまちに食糧が不足してしまうのである。秀吉のこの策は黒田官兵衛が立案したとされる。
なんとその鳥取城の兵糧攻めにちなんだゆるキャラ、「かつ江さん」が鳥取市によって採用されたのである。オレはびっくり仰天した。なんでこんなふうに悪意のあるキャラを選ぶのか。冗談と言うよりは何か鳥取を貶める目的があって採用したとしか思えないのである。このゆるキャラは、ぼろぼろの着物を身にまとって、食べるものがなくてカエルを握っている女性を描いている。いやはや、誰がこんなのを好きになるのか。
もちろん鳥取市民や県民も猛反発した。鳥取市のWEBサイトからはすぐにこのキャラは外されたそうだが、なんでも名前を変えてあくまでこのイラストのキャラは採用したいという方針らしい。
しかもこの名前の「かつ江」だが、おそらく鳥取県にはたくさんの「カツエ」さんがいるはずだ。「克江」「勝江」「勝枝」などいろんな文字をあてることができるが、その名前自体はありふれているものなので、おそらくこのキャラが自分の名前と同じ人はものすごい不快感を覚えることは間違いないのである。
それにしてもオレが不思議なのは、こういう悪意のあるゆるキャラを選んでしまう鳥取市の職員の見識のなさである。本当に「アホか!」と思ってしまうのである。いったいどういうわけでこんな反発を招くようなものを選ぶのかと。
ゆるキャラといえば、奈良の「せんとくん」もひどいと思った。なんか意味不明の宇宙人のようなあのキャラは、奈良の持つ雅やかな古都のイメージをぶちこわしたのである。しかも今はさらに増殖していろんなところで土産物とかに使われてしまっているのだ。オレはあんなものをのさばらしている奈良県民のことを悲しく思うのである。オレが奈良県民ならばきっと使用停止を求める署名運動をしただろう。
日本中でゆるキャラがブームになっていて、他と差別化をはかるためにはインパクトのあるものが必要であるというのはよくわかる。「くまモン」や「ふなっしー」の大人気ぶりをみれば、鳥取も「かつ江さん」で大ヒットを狙ったのかも知れない。しかし、あまりにもこのキャラはいただけないのである。不幸をネタにしたこのキャラは笑えないのだ。冗談ではすまされないのだ。本当に餓死してしまったその時代を生きた人たちにとって申し訳ないのだ。だからこそオレはこの「かつ江さん」の使用に反対するのである。
ところで大阪にも何かゆるキャラがあるのだろうか。もしかしたらあるのかも知れないが、そんなことちっとも考えたことなかったのである。大阪にはそんなゆるキャラに頼らなくてもいくらでも特徴がある。道頓堀の「グリコ」の看板と、かに道楽の「カニ」があればそれで十分である。
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