2014年07月15日(火) |
トヨタ86もスバルBRZも卑怯である |
携帯用URL
| |
|
クルマは進化した。今や軽自動車でもスマートキーの時代だし、今時マニュアルエアコンなんてありえない。そういうものはついていて当たり前になったからこそコストも下がってるのである。そう思ってオレは、購入を検討しているスバルBRZやトヨタ86のカタログを見ていて、その装備品を知って唖然としたのだ。なんと、205万〜300万程度の価格帯の中で、もっとも高いグレードを選ばないと、オートエアコンとスマートキーが標準でつかないのである。なんということだろうか。さまざまな「当たり前の装備品」が、なぜかメーカーオプションやディーラーオプションとなっていて、差額を出さないと装備されないのである。デジタルメーターもBRZでは標準だが、86では最上級グレードにしかつかないのである。たぶんみんな迷わず最上級グレードを買うのだろう。
オレは自動車メーカーやディーラーはせこいといろんな場面で思う。たとえばフロアマットというシロモノがある。このどうでもいいような、おそらく汎用品があればたったの3000円くらいで済みそうなものは、なぜかディーラーオプションという形で5万円近かったりするのである。なんでこんなものがそんなにぼったくり価格なのか。
そういえば14年前に三菱FTOを購入したときも同じことを思ったのだった。そのときにセリカとどちらを買うかと考えていたのだが、排気量の小さいセリカの方がかなり合計価格が高かったのである。4気筒1800CCのセリカの方が、V6・2000CCのFTOよりも高かったような気がする。また、安い方のFTOはセリカでオプションになってる多くのものが標準装備されていた。そのため、両車の価格差はますます大きくなってしまっていたのだ。値引きもFTOの方が大きく、その結果オレはかなり安くFTOを購入できた。その直後にFTOはリコール騒ぎがあり、そのお詫びということで最初の車検までの3年間、オイル交換はディーラーで無料でやってもらえた。なかなかラッキーだったのである。なぜあの頃FTOが不人気で売れずに生産打ち切りとなり、高くてぼったくりのセリカの方がよく売れていたのか全くもって不思議である。
工業製品というのは量産効果がある。もっとも多くの台数を生産しているトヨタが圧倒的に有利で、同業他社はトヨタと同じ水準のクルマを同じ価格で販売すればかならず損をしてしまうのである。同じコストでは絶対に作れないからだ。ところが国産車を比較した場合同じ車格ならトヨタ車が一番高価で、マツダや三菱はかなり安いのである。どう考えてもトヨタの方がはるかにもうかるということがわかる。値引きしないと勝負できない他社は最初から同じ土俵で戦えてないのである。
トヨタは最初から安売り戦争なんかしたくないと考えている。売上高に対する利益率の高さが際立ってる今の状況を変える気はないのだ。それは業界全体を守ることにもつながっている。価格競争なんかしないで、どの会社も繁栄していくというのが今の日本の自動車業界なのである。価格カルテルのようなものが暗黙の了解で存在するのだ。また買う方も馬鹿である。たとえばトヨタ車ならば、ほぼ中味が同じ車でもレクサスのエンブレムに変えるだけで値段を100万円上げてるのをホイホイ買うのである。オレはあきれてモノも言えないのである。
自動車業界に「コストを下げよう」という意識は薄い。そういう努力は下請けにやらせようと最初から思ってるからだ。テールランプとか、ドアハンドルとかをメーカーの枠を越えて共通化してしまえばコストも大きく下がるし、汎用品メーカーもどんどん参入してこれるようになる。オレの今乗ってるFTOはドアミラーの自動格納機能が故障していていつも手動で倒すのだが、交換するのに5万と言われてあきらめたのである。だったらいちいち手で倒す方がいい。そういうものを同じ規格の共通部品にしたらどれだけコストは下げられるだろうか。
クルマは高い買い物だ。そして若者がどんどんクルマ離れしている理由の一つは、コストを下げて値下げするのではなくて、自動車メーカーが利益を出すことしか考えてないそのユーザー無視の体質にもある。実に情けない話である。
←1位を目指しています! m(_ _)m 投票博物館