2013年11月06日(水) |
ヤマト運輸はなぜ劣化したのか |
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ヤマト運輸がクール便を常温で仕分けしていたことが報道されている。これではなんのためのクール便なのかわからないのだが、そうした作業はもはや常態化していたらしい。創業時のかつての志はどこかに行ってしまい、今やただの手抜き集団になりはててしまったのか。
私の同僚が陶器をきちっと「壊れ物」と指定してヤマト運輸で送ったのに、届いた中味はすべて割れていたので抗議したという話を聞いた。「最近のヤマト運輸、本当にダメですよ!」と彼は憤っていたのだが、どうやらたるんでるのはクール便のことに限らず全般に渡ってのことだったようである。
日本が世界に誇る「おもてなし」の精神は本当に健在だろうか。次々と明るみに出る食品偽装のことを思うと、高級ホテルもレストランもあてにならない。金儲けのためになりふり構わず偽装に走ってるのである。そんなやり方で世界に「おもてなし」を自慢できるのか。このままだと自慢できるのは「ごまかし」「なりすまし」の技術になってしまうのである。
かつて日本のサービスの長所は過剰なまでの品質の良さではなかったのか。「安い料金で運んでるのにこんなに速くて安全」というのがヤマト運輸の売りだったはずだ。ところが実際は扱いもいいかげんでしかも輸送中の破損事故も多い。いつからそんなに劣化してしまったのだろうか。これはヤマト運輸一社だけの問題だろうか。食品偽装のように他社もいっせいに「うちもそうでした」とお詫び合戦になるんじゃないか。
駐車違反の取り締まりが厳しくなったとき、オレは「どうして商品配送中の車に駐車違反を適用するのか?」と不思議に思ったのである。そんなときこそ政治献金でも積んで「駐禁取り締まりの例外措置」の中に配達中の宅急便・宅配便の輸送車を入れてもらえば済むことだったのである。
しかしヤマト運輸は自転車で引っ張るリヤカーみたいなやつや、人力で押す手押し車みたいなのを活用することで「駐禁逃れ」「エコ」と一石二鳥の改革を成し遂げた。その時点ではオレはヤマト運輸を高く評価していたのである。しかし、今回のクール便の手抜き作業はどういうことか。冷えたままで運ばないといけない荷物が常温にまで上昇しているということは食品が腐敗したりする可能性も生まれるわけだ。もちろんそれによって食中毒が起きればすべてヤマト運輸が賠償してくれるのだろう。だからクール便で送られてきたものから異臭がしていても食べた方が得である。もしも被害が出てもすべてヤマト運輸の責任だからである。
おもてなしの心を忘れたサービス業に明日はない。食品偽装によって失われた信用はもう二度と取り戻せないだろう。世界中から「日本のレストランはあてにならない」と罵倒されるのは必定である。ヤマト運輸もきっと「ヤマトのクール便はちっともクールじゃないぜ。むしろホットだぜ」と陰口をたたかれるのだろう。このような実態が長らく放置されていたということは、内部チェック機構が存在しないか、あっても働かないかのいずれかである。
昔、「プロジェクトX」という番組で取り上げられていたヤマト運輸の涙ぐましい奮闘をオレは覚えている。そのときの志をすっかり忘れた今の社員たちには、仕事というのは誠実に対処するものではなくてゼニのために一定時間だけを働くものと変化したのだろう。
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