2013年10月25日(金) |
阪急阪神の社長はすべて知っていたはず |
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食べ物屋の利益を増やすためにはどうすればいいのか。まず客を増やすことである。お客が増えるためにはあの手この手で宣伝をする。食べログにやらせの投稿をするという方法もあれば。「るるぶ」などの観光ガイドブックに宣伝記事を載せてもらってという方法もある。わざとモタモタ対応して行列を作らせるという方法もある。とにかくいろんな方法があるわけだが、そうして客が増えてからはどうすればいいのか。そこからさらに利益を増やすためには、今度はコストを下げればいいのである。使ってる食材のグレードを落としたり、納入先に値下げを要求したりする。そうしてさらに利益を増やそうとするわけだ。
阪急阪神の今回の食品偽装事件の背景には、そうした「利益至上主義」が存在したとオレは思っている。もちろんすべての責任はその経営方針を指示したトップにあることはいうまでもない。下々の者たちはその方針に従っていただけである。だからオレはトップが腹を切ってそれでお詫びをするというのが今回の対処法だと思うのである。
コストを下げるために食材の産地を偽装していたのが「故意」であることは誰が見ても明らかなのに、それを「誤表示」で済ませようとしてる時点で、この社長はクズである。なんで自分が全責任を取って「私が指示しました」と言って退職金も返上して犠牲になって他のすべての社員を救わないのか。もしもそうすればオレは賞賛記事を書いただろう。そうでないからこうして罵倒するのである。
読売新聞の記事を引用しよう。
食材「偽装でなく誤表示」阪急阪神ホテルズ社長
阪急阪神ホテルズ(大阪市北区)が運営するレストランなどがメニュー表示と違う食材を使用していた問題で、出崎でさき弘社長は24日、大阪市内で記者会見を行い、自身の報酬を20%減額するなどの処分を発表した。
出崎社長は「偽装ではなく、誤表示と思っている。お客様をだまし、利益を得ようとしたものではない」と強調した。
取締役6人と監査役3人は報酬の10%を6か月間減額する。同社取締役を兼務する親会社の阪急阪神ホールディングス(HD)の角和夫社長も、HDの社長報酬50%を自主返上する。
出崎社長は「信頼を裏切ることになったお客様に心よりおわびします」と陳謝した。自身の報酬減額は信頼回復のめどが立つまで続ける。辞任については「今のところ考えていない」と述べた。また、「疑念のあるケースは調べる」と述べ、一部のメニューについては再調査を行う考えを示した。
(2013年10月25日08時24分 読売新聞)
昔通っていた食べ物屋に久々に行くと味が変わってるということがよくある。それが「おいしくなってる」のならいいのだが、実際はまずくなってることの方が多いのだ。それはなぜだろうか。やはり人気が出てから利益至上主義に走るからだという気がするのである。オレが昔通っていたあるイカ焼き屋は、店主が亡くなって代替わりしてから値上げしたのにイカの質が悪くなった。値上げと質の劣化が同時に起きたのである。もちろんそれからオレは二度と行っていない。店の前をたまにクルマで通過するが、値段は値上げされたままである。イカの質が改善されて元通りになったのかどうかは最近食べてないのでわからないが、少なくとも二度と行く気はしない。
そのネギが九条ネギか普通の青ネギか、食べた人にはわからないから大丈夫だと提供するレストランの側は思っていたのだろうか。どうせ味オンチの客の舌では区別できないだろうと甘く見ていたのだろうか。多くの客は値段が高かったらおいしいと勝手に錯覚してくれる。オレのように値段に左右されずに常に自分の舌の感覚を頼りにする人間はきわめて少ないのである。
日本が世界に誇るべき文化の一つが「和食」である。和食の大事な要素はやはり「素材の味を活かす」ということである。産地がどこなのか、どんな食材を使ってるのかということはきわめて重要なのである。その付加価値に対して客はゼニを払うのだ。大衆食堂やファーストフード店にはない高級感を売りにしているホテルのレストランではよりいっそうそうした努力が求められるのである。
阪急阪神側は客からの要求に応じて返金してるそうだが、その中にはヤクザのような言いがかりをつけてくる客もいるだろう。それらすべてに対応して返金してるのだろうか。レシートなんて保管していない客も多いだろうし、そもそもその飲食が不倫関係とかの密会ならば絶対に証拠のレシートなんか残していないわけで、クレームの付けようもないのである。「何ヶ月か前に食べたけど日にちまで覚えてないし・・・」なんてものにまでいちいち返金してるのだろうか。
客商売でいちばん大切なのは信頼である。「船場吉兆」が廃業したのはその信頼を失ったからである。阪急阪神が信頼を取り戻すにはいったいどれほどの時間がかかるのだろうか。それとも取り戻せずに廃業するのか。阪急阪神グループがすべてのホテル・レストラン事業から撤退しなければならなくなるという可能性も100%ないとは言えないのである。
追記:やっぱり他もやってるなあ。
リッツ・カールトン大阪が偽装
2013年10月25日(金)11時41分配信 共同通信
大阪市のホテル「ザ・リッツ・カールトン大阪」は25日、レストランやルームサービスで提供したジュースやパンなど3種類について、メニュー表記と違う食材を使用していたと明らかにした。
リッツ大阪によると、自主調査で発覚した。2012年10月から13年10月までの間、「フレッシュ・オレンジ及びグレープフルーツジュース」と表記していたにもかかわらず、冷凍したジュースを提供していた。同社は「質を一定に保ち、ごみを削減するためだった」と説明している。
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