2013年10月04日(金) |
わいせつか、芸術か、それが問題だ |
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長崎県の平戸市に「井元コレクション」と呼ばれる私立博物館がある。展示されている芸術品、骨董品はオランダに由来するものからキリシタン関連と幅広い。その収蔵品の一部に、浮世絵のコレクションがあり、春画がかなり含まれる。なぜか浮世絵の中で春画というのは不当な扱いを受けていて、美術の教科書に載ることもないし、かなりの枚数が国外に流出してしまっている。高名な浮世絵師も春画に手を染めているはずなんだが、知られることもない。
ところが海外ではそうした浮世絵の春画に対して正当な評価がなされていて、日本国内のように「わいせつ物」として価値を認めないようなことはないのである。だからこのような形で公開されたりする。共同通信にこんな記事があった。
大英博物館で日本の春画展
2013年10月3日(木)19時14分配信 共同通信
【ロンドン共同】ロンドンの大英博物館で3日、江戸時代などの性生活を描いた春画の初の特別展「春画―日本美術における性とたのしみ」が始まった。来年1月5日まで。春画を集めた展示としては日本国内を含め過去最大規模で、16歳未満の入場は保護者の同伴が必要。大英博物館が年齢制限を設けるのは初めてで、異例の展示として注目を集めている。大英博物館の所蔵品のほか、日本などから借りた浮世絵など約170点を展示。
しかもこの春画展、16歳未満は入場できないということではなく、ちゃんと保護者同伴で観ることができるのである。もしも日本ならば仮に開催されたとしても年齢制限がついただろう。
春画は果たしてわいせつ物なのか、それとも芸術かと問われれば、オレは迷わず芸術だと答えたい。宮沢りえの写真集「サンタフェ」は、当時の青少年にとっては「わいせつ物」として認識され、利用されたのかも知れないが、発売当時のオレはこんなに美しいヌード写真集ははじめてだ!と心の底から感動した。あれはまぎれもなく「芸術」だと思うのである。いや、オレはそもそも「わいせつ物」なんてものは認めない。すべてが芸術だと認識している。
日本には豊かな性の文化が存在し、江戸時代に栄えた吉原で太夫と呼ばれた遊女は一流の文化人でもあった。和歌や書のたしなみが必要だったのである。かつての日本は今と違って性に関する文化に対して人々の偏見がなかったのだ。
裏本やビニ本と呼ばれた粗悪な作りのアングラ出版はもはや姿を消してしまった。ブックオフや古本市場と言った大手の中古書店では扱わないからである。アンダーグラウンドの世界で存在したそうした出版物の一部は、熱烈に収集したコレクターによってネット上に公開され、それがわいせつ物と言うことで警察に検挙されたりしている。その取り締まりに対してオレはなんとも複雑な思いを抱くのである。もしもオレが入手した浮世絵の春画をネット上に公開すれば「わいせつ物陳列罪」などの罪名で検挙されてしまうのだろう。それ以前にそんなお宝をオレは持ってないわけだが、テレビでやってるあの「なんでも鑑定団」の番組に春画を持ち込み、それをお茶の間の大衆にどどーんと公開するような放送事故が起きてくれないかとオレは密かに期待するのである。
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