2013年09月20日(金) |
この中国人男性こそが真の勇者である |
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誰かを救うためになら自らの命を失うことも恐れない存在こそが真の勇者であると、太宰治の「走れメロス」を授業したときにオレは語ったことがある。その真の勇者は大阪にいた。あの台風で増水した濁流の淀川に飛び込んで、死を覚悟しながらも必死で子どもを救った26歳の中国人男性がいた。彼のその英雄的行為をなぜ日本の報道機関は大々的に報じないのか。小さな囲み記事ではなくて一面トップで堂々と報じる価値のある記事だと思うのである。オレは台風に関するざまざまな報道の中で、もっとも価値あるニュースはこれだと思ったのである。読売新聞のとても小さな記事を引用しよう。
男児救命の中国人、無数の傷「自分も死ぬかと」
台風18号で増水した大阪市北区の淀川で16日夕、小学4年の男児(9)が流されたが、通りかかった中国人男性が飛び込み助けた。
男性は17日、読売新聞の取材に「一度は自分も死んでしまうかと思った」と話し、命がけの救出を振り返った。
同区のコンビニ店アルバイト厳俊さん(26)。淀川左岸堤防上をジョギング中、「助けて」という悲鳴に振り返ると、男児が茶色く濁った激流に流されていくのが見えた。
とっさに飛び込んで男児の体をつかまえ、両手で岸に押し上げようとしたが失敗。下流へ流され、男児と離れ離れに。
水を大量に飲んでしまい、必死で岸にしがみついた。それでも、騒ぎに気付いた人が持っていたロープを自分の体に巻き付けると、再び川に。「最後のチャンス」と、水中に沈んでいく男児の服を右手でつかみ、岸の人たちに引っ張り上げてもらった。約350メートル流され、男児はぐったりしていたが、無事だった。
上海出身の厳さんは、「先進国の日本で学び、中国の発展に役立ちたい」と3年前に来日。来春からは大学院に進み、経済学を学ぶ予定という。
「助けることができて本当に良かった」。腕や足に無数の擦り傷をつくりながらも笑顔を見せた厳さん。
大淀署は18日、感謝状を贈ることにしている。
(2013年9月18日11時05分 読売新聞)
「助けることができて本当に良かった」
そのとおりである。そして多くの水難事故で、必死で我が子を助けながらそこで力尽きて死ぬ父親や母親がいる。決して簡単なことではないのだ。溺れている人を助けるという行為は必ず自己の生命の危険を伴う行為なのである。それだけにこの厳俊さんの行為は崇高で価値がある。上流の桂川は氾濫し嵐山は大きな被害を受けた。その下流である淀川がどんな水量であったかは想像もつかない。ロープを自分の体に巻き付け、流されていく男児を水中でつかんで引き上げたのである。ああ、なんと立派なことだろうか。もしオレがこの子の父親であったとしたら、どれほど我が子を救ってくれたこの男性に感謝するだろうか。
大淀署が感謝状を贈るそうだが、これはそんな小さな出来事ではない。一国の総理が出向いて感謝を示してもいいほどの英雄的行為なのである。日本と中国の外交関係が冷え切っていたとしても、国民同士は決して冷え切っていない。お互いの思いやる気持ちはしっかりと根付いてるんだということをアピールすることのできる大きなニュースである。もしも日本のマスコミがこの美談を大々的に報道していれば、それは必ず中国の人々にも伝わったはずである。
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