2013年09月05日(木) |
婚外子にも同等の権利がある! |
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自分がどんな運命の下に生まれてくるのかはわからない。それは全く本人の責任ではない。離婚率が上昇し、伝統的な結婚制度が崩壊していく中で「事実婚」という形を取る人たちも増えた。もちろん西欧と比較すれば日本ははるかに婚外子の比率は少ない。「できちゃった婚」という言葉が物語るように「結婚してないカップルは子どもを作るな」という価値観は残存している。しかし、いずれは「子どもはできたけど結婚はしない」というカップルはもっと増えていくだろう。
また、ワーキングプアの男性が増加してその中で生涯結婚しない者が増えれば、女性の中でもワーキングプアの男性の子を産むよりも、富裕層の男性の子を産んで未婚の母となるという選択肢を選ぶ人が増加するだろう。その場合、生まれてくる子どもにとって、自分の父親が「母が結婚している男性」であるかどうかということでなんらかの差があるのなら、それは解消しないといけない。子どもに対するさまざまな手当や税制上の控除は基本的に法的に結婚した男女から生まれた子どもを対象にして作られているからだ。婚外子に対する差別は制度の中に多く残存している。
遺産相続の際に婚外子の取り分を半分とする民法上の規程を違憲とする判断が示された。これは過去の遺産相続には適用されないが、ある意味大きくこれまでの価値観を変えることになる判決であるとオレは注目している。
婚外子の相続差別規定は「違憲」…最高裁決定
結婚していない男女間の子(婚外子)の遺産相続分を結婚した夫婦の子の半分とした民法の規定について、最高裁大法廷(裁判長・竹崎博允ひろのぶ長官)は4日の決定で、「法の下の平等」を保障した憲法14条に違反し、違憲・無効とする初判断を示した。
ただ、過去に決着済みの相続には、今回の判断は適用されないとした。この裁判の決定を受け、政府は規定を削除する民法改正案を秋の臨時国会にも提出する方針を固めた。
審理に参加した14人の裁判官全員一致の意見。大法廷が法律の規定を違憲とするのは戦後9例目で、民法については初めて。1995年の大法廷決定では「法律婚の尊重と、婚外子の保護の目的があり、著しく不合理とは言えない」として規定を合憲としていた。
今回の決定はまず、「立法府の裁量権を考慮しても、相続格差に合理的な理由がなければ違憲となる」との判断基準を示した。その上で、婚外子の出生数が増え、家族形態も多様化し、国民の意識も変化したと指摘。欧米諸国に格差規定を設けている国はなく、国連などから再三、格差是正を勧告されてきた経緯も踏まえ、「家族の中で子を個人として尊重すべきという考えが確立されてきた」と述べた。
決定は「父母が結婚していないという、子どもにとって選択の余地がないことを理由に不利益を及ぼすことは許されない」と指摘。遅くとも今回の裁判の対象となった相続が始まった2001年7月の時点では、規定の合理的根拠は失われており、違憲だと結論づけた。(2013年9月5日03時09分 読売新聞)
今回の判決の理由の中で「欧米諸国に格差規定を設けている国はなく、国連などから再三、格差是正を勧告されてきた」という部分にオレは注目する。つまり、日本の「婚外子に対して相続上の差別がある」という状況は世界の中では異端だったわけだ。
相続上の問題が発生するような場合とはどういう場合だろうか。大金持ちがあちこちに子どもを作りまくって亡くなって、その子どもたちがみんな遺産相続の権利を主張した場合にどうするかなんて映画やドラマの中ではあっても、現実にそうそう起きる問題なのだろうかとオレは思うのだ。現実にはろくに収入もなくヒモみたいなDV男が、子どもだけあちこちで作りまくるという種まき野郎の方が多いように思えるのである。そんな男にはどうせろくな相続財産はない。
その一方でオレが考えるのはこういうケースだ。資産家の一族の御曹司が政略結婚したところとんでもない悪妻だった。それでたちまち夫婦関係が破綻したわけだが財産目的で結婚してるので妻は離婚に応じてくれない。そのうちに新しく愛する女性ができて、事実婚という形で暮らすようになって子どもが生まれた。しかし財産の大部分は法律上の妻子の方に行ってしまうのである。そのことの方が理不尽ではないのかとオレは思うのだ。財産目的で離婚に応じてくれない相手に対してどうすればいいのか。少なくとも今回の最高裁の判断は、そういう法律上だけの夫婦関係に対してNO!と答えたことになるのかも知れない。
社会が変わればルールも変わる。この憲法判断の変化は、もしかしたらこれからの日本の少子化問題を解消する奇策が、どんどん大金持ちの男性に婚外子を作らせて資産の再分配を加速するための戦略なのかも知れない。「子どもを増やす」という目的のためになりふり構わずいろんな政策を打ち出すような将来が、もしかしたら現実になるのだろうかとオレはかなり飛躍したことを考えてしまったのである。
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