江草 乗の言いたい放題
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2013年06月23日(日) 大阪府の高校入試はどうなるのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 来年度の入学試験から大阪府では学区制が撤廃されて、府内のどの府立高校でも受験可能になるという。大阪でトップの進学実績を誇る北野高校に府下全域の秀才が集まる可能性が出てきたわけである。オレが高校生だったときは9学区に分かれていたのだが、それが統合されて4学区になり、さらに学区制撤廃という流れになったのである。さて、そうして北野高校を頂点とするピラミッドを築くことで、大阪府全体の進学実績が向上して東大や京大に入学できる生徒が増えるだろうか?オレはそういうふうにはならないと思うのである。

 働きアリのうち、10%はさぼっていて働いていないという話を聞いたことがある。ミツバチでも同様だという。それと同じ現象が新たな入試制度でも起きてしまうのだ。つまり、北野高校に入学した生徒全員が切磋琢磨して成績を伸ばすのではなく、その中でも必ず落伍者が出てしまうということである。そういう生徒は自分の能力に見合った他の高校に入れば上位の成績でいられたのに、トップ校に入ってしまったために競争についていけなくなったのだろう。

 9つの学区が存在してそれぞれの学区にトップ校があった状況と、その9校が北野高校を頂点とするピラミッドで序列化された状況を比較すると、前者の方がより多くの生徒が東大や京大に合格するとオレは予想するのだ。京都大学に現役合格できる素質のある高校生が大阪府下に仮に300人いるとする。その300人を全員北野高校に入学させたとして、全員が京都大学に進学できるだろうか?おそらくそういう展開にはならないと思うのである。そればかりか、トップレベルの生徒を失った他の8校は極端な学力低下を引き起こすだろう。そして府立高校トータルの進学実績はむしろマイナスになってしまうとオレは予想するのだ。

 もちろん私立高校に勤務するオレとしては競争相手でありライバルである公立の弱体化をむしろ喜ぶべきなのかも知れないが、なんだか残念なものを感じるのである。それはオレの出身高校である生野高校も今より入学試験のレベルが下がってしまいそうに思えるからである。それはとっても悲しいのである。オレが3年間を過ごした母校への思い入れゆえにそんな感情を抱くのだ。

 オレが在学していた頃、生野高校には勢いがあった。京都大学の合格者を倍々ゲームで増やしていった。オレよりも2年上の先輩の年は京都大学には5人くらいしか合格しなかったのだが、オレの卒業年度は現役10、浪人10で合計20名くらいの合格者が出たと思う。オレと同じ学年には河合塾の全統模試で日本一になった秀才もいた。そんなふうに母校にとっての栄光の時代をオレは体験してきたのである。

 ところが入学試験の制度が変わってて理数科を設置した高校を前期試験で受験できるようになった。さらに学区統合が行われてオレの住む地域から天王寺高校や高津高校も受験できるようになってしまった。その結果として生野高校の進学実績は大きく落ち込んでしまったのである。京大や阪大に現役合格できるような生徒が天王寺高校などに流出してしまったから当然の結果なのだが、年度によっては京都大学に一人も現役合格していない年さえあった。

 もちろんオレがお世話になった先生はみなさん退職されていて、かつての生野高校の伝統はかなり変容しているかも知れない。しかしオレは今でも校歌の歌詞をしっかりと覚えていてちゃんと歌えるくらいである。

 大阪府に9学区があった時代、それぞれの学区のトップ校であるどの高校に入った生徒もそれぞれに「自分は学区のトップ校に入ったんだ!」という達成感を持って高校生活を始めることができたのである。岸和田高校も四條畷高校も茨木高校もみんな学区のトップ校として優秀な生徒を確保できたのだ。しかし学区制度を撤廃して全ての府立高校を北野高校を頂点とするピラミッドに組み込んでしまったら、北野高校に入れなかった生徒はすべて「第一志望に入れなかった不本意入学」になってしまわないだろうか。オレが危惧するのはそこである。他の8校のレベルが低下することで、府立高校トータルの進学実績は必ずレベルダウンするとオレは予想するのだ。

 生徒は教師から学ぶのではなく、むしろ机を並べて競い合う学友から多くのものを学ぶのである。だからこそ優秀な一握りの生徒は適度に分散させてそれぞれの高校で周囲に刺激を与えてもらいたいのである。

 そんなことをオレは主張したいのだが、でも本音は自分の母校である生野高校のことを心配しているのかも知れない。制度変更で今よりもさらに進学実績が落ち込むのではないだろうかと。だからオレの感じる危惧というのは単なる母校への愛情の現れであり、少しでも母校にとって不利な状況が起きてほしくないというただの利己心なのである。

 入試制度の変更は生野高校には逆風になるかも知れない。しかしそこで教える先生方は入ってきた生徒たちを3年間でしっかりと鍛え上げて少しでも高い目標にチャレンジさせようと努力されているのだ。オレは陰ながら母校を応援していたいのである。


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