江草 乗の言いたい放題
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2013年03月24日(日) 辺野古埋め立てという名のレイプ        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 奈良県の大滝ダムが50年の歳月を経て完成した。ダムがある川上村の人口はその間に7600人から1700人にまで減少して過疎が進んだ。ダム建設によって村の中心部が水没することになり、補償金をもらって多くの村人が故郷を去ることを選んだのである。農業や林業という第一次産業の衰退や後継者不足という状況の中で、「ゼニをもらって出て行く」という選択肢は常に魅力的である。そうやって日本の国土は破壊されてきたのだ。長良川河口堰や諫早湾の水門のように「治水」といういちおう大義名分のある目的のためにこうした大規模な環境破壊を正当化してきたのが現代日本の黒歴史である。

 そして今、沖縄では辺野古の豊かなサンゴ礁の海を埋め立てて米軍基地を建設しようとしている。今の我々がもっとも守らないといけないものをぶっつぶして、もっともいらないものを造ろうとしているのである。ふざけるな!と言いたいのだが、どうやら国にも県民にも別の思惑があるようだ。

 さて、これまで日本全国で過去にあった原発誘致時のいきさつと、今回の辺野古の状況は酷似している。例えるならば「女性にゼニを払うことでレイプされることに合意させる」ようなものであり、終わった後でどんなことになっても「だってゼニもらったじゃないか」と開き直るのが国の態度なのだ。それがどれほど理不尽なことかを考えて欲しいのである。まるでレイプされることを望んでるかのように仕向けられる側の苦痛や葛藤について当事者でない多くの日本国民はなんと無頓着だったのだろうか。そしてここで「ゼニを払ってレイプするやつら」に対してなぜ怒りの声を上げないのかとオレは感じるのだ。

 原発が大変な迷惑施設だったことは福島原発周辺地域の今をみればあきらかである。今回のような事故が起きれば住民は二度と故郷に戻れなくなるのである。そのようなリスクのあるものを建設することに地元を合意させるために巨額のゼニをばらまいてきたのがこれまでの原発行政だったのだ。「ゼニを受け取ることと引き替えにいやなことを受け入れる」という大人の選択を住民にさせてきたのだ。

 使えばすぐになくなってしまう「ゼニ」というものと、過去からずっと大切にしてきた「ふるさと」というものと、いったいどちらが価値のあるものだろうか。そんなことは言わなくてもわかる。しかし、目の前に大金を積まれた時に誰が見知らぬ子孫のことを考えられるだろうか。自分の子孫たちが数十年後、数百年後に受け取る豊かな自然の恵みよりも、今自分がもらえるゼニの方が価値があると考えるのが利己的な普通の人間の行動である。

 日本政府は完全にアメリカの属国である。イランがドル建てで行われている原油の決済を円建てにしませんかと日本に有利な提案をしてきた時、それが為替リスクをなくすという意味で日本にとってとても好都合であり、円の国際的な信任を高めることであったにも関わらず、アメリカの顔色をうかがって結局日本は受け入れなかったのである。そんなアメリカは実は北朝鮮の黒幕だ。おそらく金正恩の過激な行動や発言を後ろであやつってるのはCIAあたりの諜報組織だろう。北の脅威が増せば増すほど日本に於ける米軍基地の価値は高まるからである。「大量破壊兵器」などどこにも存在しないのにイラクはアメリカに言いがかりをつけられて攻撃された。しかし北朝鮮は核兵器を持ち、核開発を公言しているのにアメリカから攻撃されることはない。それは北朝鮮の存在がアメリカの国益に叶うからである。

 辺野古の埋め立てにどうやって同意させるか。漁民にゼニをばらまいたらいいのである。国は沖縄県や名護市ではなくて「漁協」という小さな集団を交渉の相手方に選び、ゼニを提示したのである。その額は200億円近いという。サンゴ礁の豊かな海は未来永劫我々に海の恵みを供給してくれる無限の価値がある存在だ。それを「使ったらすぐになくなるゼニ」と交換させる交渉に国は成功し、漁協側はゼニを受け取ることを選んだのである。国はこれからレイプすることにむりやりに合意させたのだ。

 読売新聞の記事を引用しよう。

政府、辺野古埋め立て許可を沖縄知事に申請
 政府は22日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設先となる沖縄県名護市辺野古沿岸部の埋め立て許可を仲井真弘多(ひろかず)知事に申請した。
 普天間飛行場移設問題は1996年の日米両政府の合意から18年目で大きな転機を迎えた。沖縄では県内への移設に根強い反発があり、今後は仲井真知事の判断が焦点となる。
 申請は公有水面埋立法に基づくもので、防衛省沖縄防衛局の職員が22日午後、県北部土木事務所(名護市)に必要な書類を提出した。埋め立ての工事期間は5年、面積は約160ヘクタールとしている。防衛省は同日、移設先の漁業権を持つ名護漁協と埋め立ての同意書を交わし、併せて県に提出した。
 県は今後、地元の名護市長の意見を聴取するとともに、政府が埋め立てに伴う十分な環境保全策を講じているかどうかなどを審査する。県は、知事の判断には6か月半から8か月半程度かかるとしている。
(2013年3月22日22時03分 読売新聞)


 サンゴ礁の海を埋め立てるにあたって「環境保全策」なんてものがそもそも意味があるのか。これは女性をレイプするときに「処女性には十分に留意しています」と発言してるようなものである。オレはつくづくあきれてしまうのである。

 漁業や農業従事者にとって共通する問題は後継者がいないことである。大学を出ても就職できない大量の若者がいる一方で、後継者がいないために多くの土地が耕作放棄されて荒れ果てている。政府は農業を立て直すのではなく、補助金というゼニをバラ撒くことで人々から勤労意欲を奪い農業をダメにしてきた。つぎ込まれる補助金はちっとも効果を上げてこなかったのである。もっともこの補助金が実は農業を破壊するという目的だったのならば、政府の狙いはみごとに成功したとも言える。アメリカの属国である日本にとって、TPP交渉への参加や国内農業の衰退はすべてアメリカの国益に沿った行為であったことは言うまでもない。

 このまま行けば辺野古の海は埋め立てられることになるだろうし、普天間の基地の移転という日米両国政府の悲願は達成されるだろう。現在の普天間基地の場所には工業団地や商業施設が誘致されるのだろうか。そこでも優先されるのはあくまでも「地主たちの利益」である。市街地の中心部に基地があるのは危険だ。それを移転させるのはまことに理に叶ったことである。そういうわけで今回のレイプは実に周到に仕組まれているのである。これを阻止する方法はただ一つ、アメリカ国内で環境保護をキーワードにした反対運動を市民に呼びかけることだ。政府にその意志はなく、その運動のために使うゼニもない中ではそんなことが可能なはずがないのだが。アメリカ国内で反日ロビー活動のために巨額のゼニを支出している韓国系の企業とは違い、日本企業は自分たちの利益にならないことには一切協力しない。 

 辺野古への基地建設は、過疎の村への原発誘致と本質的には同じ現象である。農業や漁業が衰退することに対して政府は無策であった。それはむしろ衰退することを望んでたからである。農村票に支えられている自民党は、この援助交際政策の果てに農村自体が消滅したときにどうするのだろうか。一票の価値を不均衡にするという作戦もそろそろ使えなくなるだろう。

 人類が滅亡に向かうカウントダウンの中で、今の日本で起きているさまざまな事象はすべて単なる些事に過ぎないのだろう。原発事故もこれから先もっと致命的なものが起きるに決まっている。中国で原発事故が起きればおそらく作業員は全員逃げ出すだろうからもはや手が付けられなくなって福島原発の何十倍もの被害が起きることは確実である。これだけの事故が起きながら日本政府がすべての原発を廃炉にするという英断をとれないのは、日本がアメリカの属国であり、アメリカの核戦略の中に組み込まれたコマでしかないからである。

 レイプされているのは辺野古の漁民だけではない。日本という国家が、アメリカの属国として宗主国に日々レイプされてるようなものである。このような状況の抱える本質的な問題について誰も口にしない。もしも口にすれば巧妙に始末されてしまうのだろう。もしかしたらこの日記を書いているオレが消されてしまうのかも知れない。


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