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どうして産業のない小国が金融立国をはかろうとするのか。アイスランドがその好例である。そして仮にそれが成功したからといって、なぜそのゼニをリスクのあることに投資してしまうのか。そのギャンブルに失敗したらそのツケは貧乏国の国民が支払わないといけないのである。しかし、国民の全預金から10%のゼニを召し上げるという措置にはオレもびっくり仰天なのである。こういうことはどうせならギリシャみたいに「借金してどこが悪い」「税金なんか払うものか!」と開き直ってる国に対してやってほしかったのである。ただ、破綻した国家の負うべき責任としてひとつのモデルケースにはなるだろう。
読売新聞の記事を引用しよう。
銀行預金への課税案、金融危機のキプロス混乱
【カイロ=貞広貴志】金融危機にある地中海の島国キプロスで、最大100億ユーロ(約1兆2300億円)の金融支援をユーロ圏から受ける引き換えに、小口口座を含むあらゆる銀行預金に課税する異例の措置が実施されることになり、反発した国民が預金引き出しに走るなど混乱を巻き起こしている。
預金課税は、10万ユーロ(約1230万円)以下の銀行預金に6・75%、10万ユーロ超の預金には9・9%の税金を1回限りで課すもの。これまでユーロ圏で金融支援を受けた5か国でも初めての措置だ。
アナスタシアデス大統領は17日夜、ユーロ圏財務相会議での支援策決定を受けて国民向けに演説し、預金課税が望ましい措置でないことを認めた上で、「最も痛みの少ない選択肢をとった」と理解を求めた。
(2013年3月18日22時21分 読売新聞)
欧州の金融危機の引き金を引いたのはアメリカだろう。そのアメリカはすでに立ち直って復活しつつあるのに、欧州の闇はまだまだ深いのである。考えたらギリシャとかイタリアとかスペインが問題を解決したわけではなくて、事態を先送りしてごまかしているだけで本質的な解決なんて全然道筋がついていないのだ。
アメリカが復活してるのは、産業が復興してゼニを生み出せる状態になったからだ。シェールガスの生産量の拡大は莫大な富を生み出していてそれがかなりアメリカを救っているといえる。ゼニの動きがよくなって社会を循環しだしているのである。株価も上昇しているし、そうやってふくらんだ投資マネーが自己増殖して米社会を潤すという好循環が起きている、
しかし欧州はそういうふうにはなっていない。失業率が高止まりしていて産業は回復しないままで、アメリカのせいで大きな損失を抱えた金融機関の救済はそれぞれの政府に押しつけられているのだ。サブプライムローンがらみの金融商品で世界中の金融機関から詐欺みたいにゼニを巻き上げて踏み倒したくせに、その責任も取らずに自国だけはまんまと逃れてしまったわけで、オレには納得できないのである。欧州への輸出で繁栄していた中国の景気が停滞しているのもその余波である。
さて、今回のキプロスの「国民みんなで借金をかぶりましょう」という措置を受けて取り付け騒ぎが起きているようだが、かの国には税金逃れに口座を開設している欧米の富豪どもの借名口座とか、犯罪者のマネーロンダリング用の口座もあるはずだ。そういうところからも10%召し上げるのならばむしろ国民は拍手喝采してもいいと思うのだが、そのあたりの詳しい事情がどうなのか、今後の報道が興味深いのである。
動画:キプロス問題
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