2012年08月19日(日) |
長崎新幹線が本当に必要なのか? |
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九州新幹線が鹿児島まで開通した結果、大阪から鹿児島までが約4時間で結ばれることとなり大変便利になった。それは素直に認めよう。しかし、鳥栖から分岐して長崎へのルートを建設することに関してはどうかと思うのである。それこそ秋田新幹線や山形新幹線みたいな形で在来線の線路を利用してやればいいじゃないかと思うのだ。なんでそこにわざわざフル規格の新幹線を建設するのか。地元の連中の「イナカモンドリーム」の実現のためにゼニを無駄にした揚げ句、その責任は誰も取らないのがわかってるのになんでこんなことするのかと思うのである。
朝日新聞の記事を引用しよう。
長崎新幹線、長崎―諫早間が起工 開業は10年後
国が着工を正式認可した九州新幹線・長崎ルート(長崎新幹線)の諫早―長崎間(約21キロ)の起工式が18日、長崎市であった。同区間を含めて「フル規格」で整備することになった武雄温泉―長崎間の建設費は約5千億円。開業は10年後の見通しで、長崎―博多間は現行の特急「かもめ」と比べて最速1時間48分から1時間20分に短縮される。
長崎ルートは在来線も走れる「フリーゲージトレイン(軌間可変電車)」を導入し、新鳥栖―武雄温泉間では在来線を使用する。
起工式は長崎県とJR九州、工事を担う鉄道・運輸機構が主催し、約300人が出席した。中村法道知事は「39年を経てこの日を迎えることができたのは大きな喜び。新幹線という大動脈で結ばれたことは、時間という効果以上の可能性を秘めたものだ」と話した。羽田雄一郎国土交通相は「整備の妥当性をしっかり確認したうえで着工の判断に至った」と説明した。
羽田雄一郎はここで「整備の妥当性」という言葉を用いている。その建設が巨大な赤字しかもたらさなかったときにも彼は「妥当性」という言葉を使うのだろうか。
長崎にフル規格の新幹線を走らせるとして、その乗客を増やす方法として考えられるのは長崎を中国からの観光客の入り口にすることである。上海から長崎という航路を充実させてそこが観光客の入り口になるようにして、大阪や京都まで新幹線で移動するというルートを選ばせるのだ。あるいは日本旅行を終えて長崎まで行って船で上海に帰るというのも考えられる。しかしこれらの考えはあくまで「もしも」なのである。もしもこういうふうに利用されれば利用者は増えるかも知れない・・・ということであり、あとは地元や九州各県の努力に委ねられているのだ。
不要なものを建設してしまったときにどうすればいいのか。あきらめてそのまま借金と一緒に沈没するのか、あるいはそれ有用にするために必死で努力するのか、この二つしかないのだが日本各地で起きていることは主に前者である。大阪市内にある再開発の施設はみんなこの前者であり、巨額の累積赤字で次々と破綻して行っているというのが現実の姿である。閉じたシャッターばかりで100円ショップしか入らず閑古鳥の鳴く駅ビルを我々はいくらでも見つけることができるだろう。昔の駅前商店街の賑わいをぶっ壊した後に手に入ったものはこんな無惨な姿なのだ。
鳥栖まで九州新幹線でやってきた人たちを、そこから約1時間半、長崎本線の特急でのんびりと移動してもらうことがなぜいけないのか。なぜそこでほんの20分時間短縮する必要があるのか。20分なんて、乗り換えの時にちょっとトイレに行って、自販機でジュースでも飲んだら経ってしまう程度の時間である。
しかも長崎県というのは「諫早湾干拓事業」という、税金を使って無駄なものを作り海を汚した前科者である。そこから何も学ばず、今度は調子こいて新幹線まで作らせようとしてるのだ。馬鹿そのもの、イナカモンドリームもここに極まれりという感がある。通過されるだけの佐賀県が建設に反対していて、結局その区間だけは在来線のままなのでフリーゲージトレインというのを導入するというのも結局は地元の不同意を強引に押し切った結果である。もしも秋田新幹線や山形新幹線の方式を採用するならば地元すべてを支持に回らせることが可能だったはずである。
この長崎新幹線が完成予定の10年間のうちに日中関係はどう変わるだろうか。軍事衝突は起きるだろうか。オレは昔長崎を旅行した時に、野母崎から東シナ海を眺めた。そこからは東京よりもむしろ上海の方が近かったはずだ。長崎がその地理的条件をどのように活かすのか。あるいは新幹線だけに頼って失敗するのか。それがわかるころには日本の政治状況はいったいどうなってるのだろうか。全く予想がつかないのである。
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