2012年08月18日(土) |
阿部野橋はいったいどうなるのか? |
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「阿部野橋」と言っても大阪以外の方には「?」だろう。大阪駅のある場所は関西人には普通は「梅田」と呼ばれていて、さすがにその「梅田」という地名は大阪以外にもメジャーになっているのだが、「阿部野橋」は全然メジャーじゃない。おそらく大阪の人間でも北半分に居住するハイソな方々はその存在すら気にも止めないだろう。そして「天王寺」というJRの駅名でこの地域を呼ぶに違いない。「阿部野橋」を「阿部野橋」と呼んでいるのは、近鉄南大阪線という近鉄線の中でも忘れられたポジションに位置するローカル線の沿線住民だけなのだ。そしてオレはその沿線で生まれ育ったのである。
その近鉄阿部野橋駅にある近鉄百貨店は今、超高層ビル「あべのハルカス」に生まれ変わろうとしている。工事中のビルが少しずつ少しずつ上に伸びているのがわかる。このビルにはシャープが入ることになっていたのである。しかし、今シャープはこんな無惨な状況である。朝日新聞の記事を引用しよう。
シャープにつなぎ融資 最大数百億円、月内にも
シャープが主な取引銀行から月内にも、最大で数百億円規模のつなぎ融資を受ける見通しとなった。多額の有利子負債を抱え、悪化した資金繰りは当面、落ち着く。ただ、来年秋に約2千億円の社債償還を控えるなど本格的な銀行支援が今後も必要で、事業の売却など思い切った追加リストラも求められそうだ。
シャープは6月末現在の有利子負債が1兆2520億円と、3月末よりも1200億円超増えた。1年以内に返済する短期の負債も約7千億円。株価の低迷などで市場からの資金調達は難しく、銀行につなぎ融資を要請していた。
奥田隆司社長は今月2日、銀行への支援を求める一方、5千人規模の人員削減に踏み切ることなどのリストラを発表。また、業績を回復させて今年度下半期には営業黒字を達成するとした。シャープ幹部は「つなぎ融資を受け、黒字化の達成に力を注ぐ」とする。
シャープはほとんど瀕死の状態である。そんな追いつめられた企業が、わざわざ新しいビルに引っ越すなんてことをするだろうか。今頃はシャープから近鉄に「撤退します」という通告がなされてるのではないだろうか。なんだかもう入居話はキャンセルされてるような気がするのだ。そうなると近鉄は核テナントなしで超高層ビルをオープンさせることになってしまうのである。いったいどうするつもりなんだろうか。
近鉄があの超高層ビルの計画を発表したときに、オレは「身の丈に合わないことをすれば自滅する」という意味でこの日記で警鐘を鳴らした。その後、近鉄の株価は大きく下がってしまい、奇しくもオレの予想通りの展開となったのである。そして今、シャープはそれこそどんぞこの状態だ。銀行が支援をあきらめた時点で倒産するしかないのである。もちろん銀行もつぶしたくないから必死だ。1兆円を超える有利子負債を抱えているシャープには今の赤字を乗り切れる方策は何もないのである。ただ外部に売れる部門をどんどん切り離して売り飛ばしてしまい、会社を思い切りスリムにして、それでなんとか助かろうとしているのである。もちろんそれでうまく行くかどうかわからないので株価も低迷しているのだ。
近鉄の社運を賭けたビッグプロジェクトが成功するのかどうか。オレはかなり悲観的だ。しかし、それが失敗すれば阿部野橋という街もさびれてしまうのである。オレはこの先いったいどうなるのだろうかと、工事中の「あべのハルカス」を見ながらいつもあれこれと思うのだった。
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