2012年07月22日(日) |
マネーゲームで苦しむのは誰か? |
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EUが金融緩和に動き、アメリカがQE3でドル安に誘導しようとしている中で、そこからあふれでた巨額の低金利のマネーはどこに向かうのか。これまでそういう状況で起きたことは石油の高騰であったり、土地投機の活発化であったりしたわけだが、ここにきてアメリカの干ばつというタイムリーな話題が登場し、ゼニは一気に穀物市場に流れ込んだのである。その結果こんなことが起きている。朝日新聞の記事を引用しよう。
穀物が高騰、食卓にも影響か 米国の干ばつ深刻
米国の干ばつなどの影響で、穀物の国際価格が急上昇している。国際的な指標である米シカゴ商品取引所のトウモロコシの先物価格は、史上初めて1ブッシェル(約25キロ)あたり8ドルを突破。大豆も3日続けて最高値を更新した。穀物価格の上昇で家畜のエサなども値上がりし、食卓にも影響が出てきそうだ。
トウモロコシの先物価格(9月物)は20日、1ブッシェルあたり8.2875ドルまで上がり、前日につけた過去最高値をぬりかえた。大豆も一時、1ブッシェルあたり17.7775ドルに値上がりした。小麦も高値圏で取引が続いている。6月1日時点と比べると、トウモロコシと小麦の価格は5割、大豆は3割それぞれ上昇している。
原因は、米中西部の穀倉地帯で、記録的な暑さと少雨により「56年ぶり」(米メディア)といわれる深刻な干ばつ被害が広がっていることだ。米国は世界最大の穀物輸出国。「秋の収穫量が大きく減るのではないか」との見方から、価格が上昇。世界的な金融緩和であふれかえったお金が、欧州危機で行き場を失い、穀物市場に流れ込んでいることもある。
マネーゲームのためにもっとも被害を受けるのは誰か。それは食糧を輸入に頼る貧しい国である。アフリカの貧しい国の中には食糧の自給できない国も多い。なぜ食糧自給できないかというと、欧州諸国が植民地にしていた時代に自分たちに都合がいいような作物ばかり作るようにされているからだ。もともとアフリカの人たちが食べていたようなものを作る農地は一気に失われてしまったのである。
小麦が5割上昇しているということは、それを原材料とするものの価格を直撃するわけだ。日々のパンにも困ってる人たちにとって、その値段が5割上昇すればどうすればいいのか。食べる量を減らせばいいのか。それとも他を削ってゼニをひねりだせばいいのか。もちろん穀物価格の上昇でもうかったゼニは生産者ではなくて投機マネーを動かす金持ちのフトコロに入るだけである。そのゼニで貧しい人たちが救われることはない。ゼニを儲ける人たちと、飢えて死ぬ人たちは全く別世界に生きているのだ。そして一方のボロ儲けは一方の悲惨な死につながるのである。こんな理不尽なことが今起きているのだ。
我々日本人は多少値上がりしたからといっても気にしないだろうし、パンやうどんの値段が少しばかり上昇してもいきなり餓死することなんてない。他にも選択肢は多いわけだし、複雑な流通過程の中でその価格の動きはかなり小さなものとなってしまう。
一方でゼニを手にする人がいて、他方でそのために死ぬ人がいる。武器を使わなくても大量殺人は可能である。穀物市場で投機マネーを動かす人たちは実は間接的殺人者である。その理不尽さをこの社会は受け入れているのである。
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