2012年02月26日(日) |
AIJ運用資金はなぜ消えたのか? |
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投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が顧客企業などから預かった年金資産の大半約2000億円を消失させた問題がマスコミをにぎわせているが、これはオリンパスの損失隠しと本質的には変わらない単純な問題である。2007〜2008年の世界金融恐慌やリーマンショックによる株価暴落、そして昨年の東日本大震災による暴落などで、株式中心に普通に資金運用してる人たちは必ず大きな損失を抱えたはずである。オレのようによく研究して運用していても損失を出したのだ。たぶんオレよりも何も考えずに運用していた「AIJ投資顧問」の幹部、おそらくはどこかの大手証券会社の元社員だったヤツが大損して運用資金を吹っ飛ばして焦ったことは容易に想像できる。
さて、そこでどうしたか。そこで「これだけ損しました」と顧客に正直に報告すればいいのに、その値下がりした金融商品を第三者に売却するなどの方法で損失を見えなくしたのである。そこまではオリンパスと全く同じだ。ここからはオリンパスと違って、その後もウソの運用実績を報告することで、ゼニを集め続けたわけである。なぜウソの運用実績を報告したかというと、出資してくれる企業関係者はその中味を精査せずに運用実績の数字だけで判断するからだ。自分のゼニでないから無責任なのである。AIJ側はそうして集めたゼニを配当に回すという自転車操業をしてごまかしてきたのだ。いつまでごまかせると思っていたのだろうか。
株式投資で100%もうかるヤツというのは悪質なインサイダーだけだとオレは思っている。それはたとえば倒産寸前のジョイント・コーポレーションにオリックスが出資するという情報を知って、安値でジョイント株を拾った関係者とか、BNPパリバがアーバン・コーポレーションの増資を引き受けたと見せかけて実はゼニなんか出していなかったという内幕を知っていてアーバンコーポを空売りしたBNPパリバの関係者みたいな手法なのである。投資家向けにオモテに出す情報と、自分たちだけが知っている真実の間に大きな落差があるからこそ儲かるのだ。そんな不正を行っているのにBNPパリバの日本国内での営業が禁止されたとか巨額の罰金を科せられたとかいう話は聞かない。投資家がいくら損をしても自己責任、インサイダー取引でつかまるのは数百万規模の小物、銀行と証券会社が組んでやった巨額のインサイダー取引は全マスコミがいつもスルーである。うっかりそれを日記に書いたオレは、もしかしたら暴力団関係者を使って消されるのかも知れない。
読売新聞にはこんな記事が出ている。
AIJ運用資金、ケイマン諸島や香港を転々と
投資顧問会社「AIJ投資顧問」(東京都中央区)が顧客企業などから預かった年金資産の大半約2000億円を消失させた問題で、運用資金は、英領ケイマン諸島や香港など海外にある私募投資信託や金融機関を転々としていたことが、証券取引等監視委員会の調べでわかった。
監視委は、国際間で複雑に資金を移転させた経緯やその流れを突き止め、消失に至った原因について解明を進める方針だ。
関係者によると、同社は預かった2千数百億円の年金資産の大半で、関係の深い東京の「アイティーエム証券」を通じ、ケイマンの私募投信を購入。しかし、資金はその後、香港の銀行など、複数の金融機関などに流され、運用されていたとみられる。
ケイマンの私募投信は、AIJと密接な関係のある人物が設立。流れた資金の運用には、英領バミューダの外資系信託銀行も関与しているという。
さて、投資顧問会社が顧客から預かった資金の運用に失敗して損害を発生させたとする。法律的にはなんの問題もないのだ。元本保証の商品じゃない以上、そういうこともよくあることだからだ。ただ、損失を出しても投資顧問会社側は必ず「信託報酬」を得るのである。これも考えたら馬鹿馬鹿しい話である。競馬のプロである友人にゼニを預けて勝負してもらった。預けた1000万円は結局500万円に減ってしまった。それであきらめてその500万円を受け取ろうとしたら、そこから100万円は「これは手数料です」と友人に引かれてしまった。「おまえのせいで500万負けたじゃないか!」と文句を言いたいのに、さらに100万円持って行ってしまうというのが信託報酬の世界なのである。本当に馬鹿馬鹿しいのだ。
オレは絶対に投資信託とか不動産リートとかは買わない。それはなぜかというと、自分で株式投資などで運用して損をすることは自己責任だからあきらめられるが、運用に失敗したヘタクソが「手数料」というゼニを平気でかっさらっていくことが許せないからである。
企業はその年金資金の運用を他人任せにせずに、ちゃんと企業内で「資金運用部」を作って、そこにオレのようなまともな個人投資家を投資顧問として複数招いて合議制で運用させればよかったのである。そうすれば少なくともこんな大きな損失にはつながらなかったのである。
東日本大震災と円高、この二つの要因で東証の主要な銘柄はどこも暴落した。パナソニックやソニー、シャープなどの電機業界の下げは特に激しい。しかし、そんなことはここ数年の家電業界の動きを見ていれば容易に想像できる。エコポイントで需要を先取りした需要を食い尽くしてあとはじり貧なんてことはオレのような業界外部の人間にもわかる。
ではそこで値下がりしなかったのはどこか。オリエンタルランドのような内需関連銘柄や、ゼンショーのような外食産業大手である。社会情勢を冷静に判断すれば、買ってはいけない業界や銘柄というのはある程度判断できるのだ。原発がみんな停止して採算が悪くなるのは明らかなのに電力会社の株を買うのは大馬鹿である。
円高は底を打ったように見える。1ドルは80円台を回復した。ここから再度76円台を目指すということはないだろう。世界各国が金融緩和、通貨量の膨張という政策をとった中で日本だけが出遅れ、いまやっと日本の金融緩和の動きが世界の流れに追いついてきたからである。
オレが大企業の資金運用部門にいたとしたら、2月の日銀の追加金融緩和直後の動きをにらみつつ必死で円を売って外貨を買いまくり、短期間でかなりの含み益を得ただろう。もちろんオレは個人で円売り外貨買いを実行したが、わずかな手元資金で得られる利益は知れたものである。ここに1兆円くらい資金があればどれだけ稼げたかと思うと残念でならないのである。
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