2012年01月30日(月) |
公費で塾代一万円支給?ふざけるな! |
携帯用URL
| |
|
どうかお読みになる前に←応援のクリックをお願いします! m(_ _)m
オレは塾が嫌いだと公言する。塾は言ってみれば教育の「ノミ行為」みたいなものであり、本来学校がすべてのニーズを満たしていれば不要なものである。ただ、現実問題として現行の学校教育にはさまざまな不備があり、受験に対応していないとかいう理由から親たちはその「ノミ行為」に頼らざるを得ないという現実があるのだ。小学校でも中学校でも高校でも塾や予備校に一度も通ったことのないオレにとって、塾は受験勉強には不要な存在だった。
今、大阪府では教員の給与がどんどん削減されている。もちろん仕事が減ったわけではないので、どんどん時間あたり賃金が下がってるのと同じである。そうして削った財源をこんな形で塾支援に回すのだとすればひどい話である。まずやるべきことは公教育の建て直しではないのか。大阪の教育状況を憂うならば、それを改善させるための長期計画をすすめるならばまずは公教育を改革することから手を付けるべきである。それが、どちらかというと公教育のライバルである塾の側を支援するとはいったい何事か。それではますまず公教育は崩壊するだけである。
朝日新聞の記事を引用しよう。
大阪市の塾代1万円支給 まず西成区で7月
橋下徹大阪市長は29日、低所得者層向けに学習塾や習い事の費用を助成する全国初の「教育バウチャー制度」について、同市西成区内で就学援助を受ける中学生約950人を対象に7月から先行実施することを決めた。支給額は月1万円で、2013年度からは市全域で中学生の7割程度を対象に実施する。
橋下氏は生活保護率が高いなど西成区の課題解決に向け特区化する構想を示しており、他の地域に先んじてバウチャー制度を実施することで特区構想を先取りする狙いがある。
バウチャー制度の対象は、同区内の公立中6校で就学援助を受ける生徒。学習塾や習い事、スポーツ教室などで使用できるクーポン券を毎月1万円分配布する。市の新年度予算を検討する会議で29日、事業費8800万円の計上を決めた。橋下氏は「13年度から全市で実施するためのモデル事業。文化やスポーツ活動などにも使えるようにして、塾以外にもいろんな事業が生まれることを期待している」と語った。
学力の低い生徒を塾に通わせるとどんな現象が起きるだろうか。ますます学校で集中できなくなるのである。一日に2時間しか集中できない生徒が、その2時間の能力をすべて塾で使い果たし、学校ではただぼーっとしているか、あるいは遊んでいるかという状況が生まれるのだ。「学校での勉強+塾の勉強」という形で相乗効果につながるのはごく一部の優秀な生徒だけである。多くの親たちは子どもを塾に通わせるだけで安心しているわけだが、個々の子どもが持っている基本集中能力を塾で使い果たしているだけだということに気が付いていないのである。
これまで塾に通っていなかった、つまり学校だけで勉強していた層まで塾に通うようになればどうなるか。子どもたちは塾を「勉強するところ」と考え、一方学校は「友人とくつろいだりして過ごす場所」ととらえるようになるのである。だからオレは塾が嫌いなのだ。塾があることでどれだけ学校教育が脅かされていることか。
こんなことを書くと必ず「それは学校の授業が面白くないからだ。塾の方が面白いから子どもはそちらで勉強するようになる。学校を面白くすればいい」と反論する人がいる。しかし、そもそも勉強ってそんなに面白いのか?面白くなくてもがんばって身につけなければならない部分の方が多いのじゃないか。因数分解や微積分をしていると面白くてゾクゾクするような人たちは一部の異常な方々だけで、多くの一般人にとって勉強とはつらくて苦しいががんばって克服すべきものなのである。
学校では教員たちががんばって、その面白くない勉強を必死で子どもたちにさせているのである。そうした努力を吹き飛ばすこの政策にオレは反対の立場を表明したい。
←1位を目指しています! m(_ _)m 投票博物館