江草 乗の言いたい放題
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2011年10月20日(木) Fランク大学は何のためにあるのか?        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 少し以前のことだが、千葉県にある日本橋学館大学の2010年度のシラバスがネット上で話題になったことがある。「日本橋学館大学のシラバスがすごい件」というまとめブログの記事でも読めるのだが、アルファベットの書き方や読み方、辞書の引き方、小数や分数の計算などが含まれていて、あまりの易しすぎる内容のために2chで祭りになったのである。ただ、大学全員入学時代ということを考えればそういう学生が入学してくるのも当然のことである。昔だったら中学卒で「オレは勉強に向いていないし働くか・・・」という選択肢があったんだが、今はとりあえずみんな高校に行く。そして高校を出たら今度はとりあえず大学受験をする。もちろん難関校は昔も今も相変わらず難関校である。ところが半数以上の大学が今は定員割れという状況下で、偏差値の高い大学を選ばなかったらどこかに入れるというのも事実なのだ。

 どうしてFランク大学は新設されるのだろうか。これは実は意味のないハコモノ公共事業と同じ性格を持っているのである。税金をいっぱい使ってどうしてこんな馬鹿なもの作ったのだろうと思われるお馬鹿な施設が日本にはたくさんあるわけだが、そういう馬鹿な施設を作ることでゼネコンは潤ったし、天下りのポストは生まれたし、国からの補助金も得ることができ、その結果として税金を浪費することもできたわけだ。

 大学の設置を認可する文部科学省の官僚の天下り先が、そういうFランク大学の関係先になっているという事実がある。どう考えても設置認可に手心を加えてもらうために天下りを受け入れてるとしか思えないのである。大学を建設するためにはゼネコンに仕事を発注することになる。そして田舎に大学ができれば、その田舎に学生のためのアパートを建てたりするわけで、地元民も喜ぶのである。二束三文の田畑が高値で売れたりするのである。いわゆる「イナカモンドリーム」というヤツである。やってくるのが勉強しないでパチンコばかりしている最低の学生たちで、その後治安が確実に悪化することに地元民はまだ気が付かないのである。

 また、入学偏差値の低い大学ほど、実は親の収入も低いという統計がある。東京大学に入れるような学生の親の平均年収が高いことの裏返しなのである。大学生になっても小数や分数がわからないような学生の親の平均年収はかなり低い。結果として行く価値のない大学が実は貧しい人間からの搾取のためのツールとして機能しているのだ。これは恐るべきことである。そうして貧富の差はますます拡大していくのである。

 大卒者が就職難になってるのではない。大学生の数が多すぎるだけだ。求人総数が減ったわけじゃないのだ。大卒者への求人数はそのままなのに、とにかく大学が増えすぎたからである。ただ、そうして小学校レベルの勉強をさせている大学にも潤沢に補助金は投入されている。そう、Fランク大学を作ってしまえば、あとは入学者数に比例した補助金を国からもらえるのである。これは経営者側にとってはかなりおいしいことである。一種の補助金詐欺みたいなものである。学生数を水増しするために中国からの留学生で定員を満たしているところもある。中国人の側にも「大学に入学する」という理由で日本に長期滞在できるというメリットがあるわけだ。入学者はすぐに中退したり来なくなったりして働き出すのである。

 大学生の数の異常なまでの増加は、勉強に向かない大量の大学生を生み出した。いわゆるニート予備軍であり、若年生活保護受給予定者たちである。これからの日本社会の中で「穀潰し」となっていく集団である。際限なく大学を増やせばどんなことになるのか・・・という未来の図式を文部官僚たちは考えていたのだろうか。連中はただ天下りのことしか考えていなかったような気がするのである。

 もっともこれから先、大学がどんどん倒産する時代がやって来る。誰でも入学できるのに誰も入ってきてくれないのである。入学者を確保できない大学はつぶれる。それは間違いないことである。現に募集停止になっている大学が毎年徐々に増えてきている。そうして淘汰が進めば少しは正常化するのかも知れないが、自然に任せていても時間が掛かるだけだ。

 将来、定年退職して悠々自適の身分になればオレは大学に入り直してみるのもいいかと思うのだが、その時にあえてFランク大学の実態に触れてみるのも面白いような気がするのである。究極の馬鹿学生たちはどんな日常を送っているのか。野次馬的な興味が湧いてしまうのである。


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