2011年08月31日(水) |
原発と健康被害の因果関係 |
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福島第一原発の復旧作業に携わった人たち、そして周辺から避難した人たちが今後なんらかの健康被害を受けたことが原因で癌などになったとして、その原因が「放射線の被曝」によるものであるとどうやって証明できるのだろうか。これはなかなか困難な問題なのである。たとえばある人が白血病になったとして、関係があるのかも知れないし、ないのかも知れない。それを証明することなど不可能だとオレは思うのだ。
たとえばオレは髪が薄いわけだが、その原因は大学生の頃から10年くらい使っていたサンスター・トニックシャンプーにあるとオレは勝手に思っている。しかし、シャンプーが原因で薄毛になったことを証明する方法はないのである。もちろんシャンプーの発売元であるサンスターは「おまえの父親もハゲだから遺伝だ!」と主張するだろう。
関係のないことを証明するここと、関係があることを証明することを比較すれば前者の方がはるかに困難だと思うのだ。それなのに関係者が急性白血病で亡くなっても東京電力が「因果関係はない!」と胸を張って発表してるのを見るとオレはどうも納得できないのである。おまえらそんなに自信たっぷりに言える立場か。いったい何様なんだと。
原発事故の影響というのは今後数十年単位で現れてくるものだとオレは思っている。癌患者の発生率の変化が福島原発を中心に同心円状になるとかいうふうに、なんらかの統計的処理ではじめて明らかになると思うのだ。
アメリカはベトナム戦争で大量に散布した枯れ葉剤の健康被害を公式には認めていないのである。多く生まれる奇形児と枯れ葉剤にはどう考えても因果関係があるに決まってるのだが、もしもそれを一度認めてしまえばすべて賠償しないといけなくなる。それでずっと「関係ない」と言い続けてるのだ。
それと同じようにこれから先、東京電力に対して原発被害と癌発症の因果関係を認めさせるのはかなり困難であるとオレは思うのである。もしも一度因果関係を認めれば、今後発生する癌の原因がすべて福島原発のせいだということになり、すべて賠償しないといけなくなるからだ。東京にもかなり放射性物質が飛散したわけで、今後東京で癌や白血病になる人の中には確実にその影響でなる人がいるはずだ。しかし、どうやってその因果関係を証明するのか。そんなことは現実に不可能である。
アスベストの場合は病気が肺線維症(じん肺)や中皮腫という限定された形だったので比較的因果関係を証明しやすかった。しかし、放射性セシウムが原因で癌になるとして、いったいどんな癌にどの程度の確率でなるかなどということは現段階では全くわからないのである。
そもそも安全な放射線量の基準というのはあいまいじゃないか。国は学校の校庭の放射線量の基準を引き上げて、これまで危険だった数値を安全なものに変えてしまった。ではその基準ならば100%大丈夫なのかというと、そんなことはわからない。人体実験していない以上なにもわからないのである。そして人体実験なんて非人道的なことができたのはナチスドイツや旧日本軍の731部隊のような例しか過去にはない。まっとうな世の中では不可能ということだ。
放射線と健康被害との因果関係について我々は何もわからないという状況の中で今後ずっと暮らし続けないといけないのである。そして仮になんらかの健康被害を受けたとしても、それを関係づけて証明することなど不可能だ。しかし、関係があることを証明することよりも関係がないことを証明する方がもっと困難なはずだ。それをいとも簡単に「因果関係はない!」と言い張れる連中に対して、どうして国民が今後起きる健康被害を認めさせて賠償させられるだろうか。オレは暗澹たる気持ちになるのである。
国民はどうやって自分の身を守ればいいのだろうか。我々は何に気をつければいいのだろうか。今後発生する被害というものは、原発の存在を受け入れ、原発宣伝のくだらないCMをそのまま安易に受け入れたオレたちが甘受しないといけないものなのだろうか。
原発事故による健康被害が顕著になってくるのは今後数十年かかるだろう。東京電力の関係者は今後は「因果関係があることを証明して下さい!」と胸を張って強気で主張するようになるのかも知れない。きっとゼニで味方にした御用学者どもを従えて裁判でも勝訴するだろう。ああ、なんてことだ。正義なんてこの世にあるのか。
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