江草 乗の言いたい放題
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2011年09月01日(木) ポーランドは今、好景気なのである!        ブログランキング投票ボタンです。いつも投票ありがとうございます。m(_ _)m 携帯用URL by Google Fan

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 1988年の夏、オレはポーランドを訪問した。夜行列車でワルシャワに到着し、全く現地通貨のズロチを持ってなかったので困ったが、声を掛けてきた闇両替のオッサンにおそるおそる交換してもらって手にしたズロチで買ったのは、ザピカンカという細長いチーズ風味のピザみたいな食べ物だった。それを食いながら歩き回ったことを思い出す。ポーランドではどこの街角でもそのザピカンカを売る屋台などがあった。当時のポーランドはとてつもなく物価が安く、オレは大富豪になったような気分でドルを闇両替しては使いまくったことを覚えている。タクシーを半日借り切ってもせいぜい20ドルで済んだ。

 今、あの国は今どうなっているのか。読売新聞の記事を読んでオレはなんだか嬉しくなったのである。

ユーロ非加盟が幸い…ポーランド輸出産業が好調
 ユーロ危機が拡大し、欧州連合(EU)加盟国の経済が混乱する中、ポーランドが国内総生産(GDP)のプラス成長を続け注目されている。
 同国はユーロを導入しておらず、通貨ズロチは2008年の世界経済危機を境にユーロやドルに対し下落。これが輸出産業の競争力を高め、好調な経済の要因となった。
 ポーランド西部ポズナニから車で30分の郊外にバスの車両を製造する会社「ソラリス」の工場がある。視界の広い運転席などの工夫が評判を呼んで順調に業績を伸ばし、02年に243台だった販売台数は10年には1120台に増えた。2000年に輸出を始め、現在では欧州21か国とアラブ首長国連邦に販路を拡大。ドイツが10年に導入した公共バスの車両の9%はソラリスが製造。同社はポーランド経済の勢いを象徴する企業だ。
 クシシュトフ・オルシェフスキ社長(59)は「トヨタの生産方式『カイゼン』に関する本を手元に置き、従業員が仕事に誇りを持てる職場作りを心がけている」と成功の秘訣(ひけつ)を語る。効率経営に加え、08年9月のリーマン・ショックで、1ユーロ=3・4ズロチ程度だった為替レートが一時、5・0ズロチ近くに下落し「輸出が楽になった」と通貨安の恩恵を強調した。
 ポーランドは09年のGDP成長率が1・7%で、EU諸国で唯一、プラスを達成。10年は3・8%を記録し、11年は4%程度の成長を見込む。
(2011年8月31日01時49分 読売新聞)


 なんとポーランド製のバスが輸出されてドイツで走っているのか。ドイツで通用するということは世界で通用する品質だと言うことである。通貨ズロチの為替レートが下落したことも追い風になって輸出企業の業績が伸びたのだという。

 かつてポーランドを旅していた時に感じたのだが、この国の人々がとても親日的でオレが日本人とわかるととても友好的に接してくれたことだ。東西冷戦の下でロシアに支配されていた過去を持つせいか、ロシアのことを嫌っている若者も多かった。今はどうなってるのかわからないが、少なくとも経済成長によってあの頃よりも豊かになったことは確かである。

 ポーランドについて我々はどれだけのことを知っているだろうか。この国はかつて国土を分割支配され、世界地図からポーランドという国家が一時消滅するという悲劇があった。第二次大戦の時にはロシアとドイツに分割占領され、ロシアの捕虜になった約5000人のポーランド軍将校がカチンの森で虐殺されて埋められた。その事件の真相が公開されるのは1989年になってからである。共産党支配下のポーランド政府はソ連に遠慮して事件の真相を公表しなかった。しかし、オレがワルシャワで知り合った学生たちははっきりと「我々はロシアが嫌いだ。カチンを忘れない!」とはっきりと語った。その事件で父親を失った映画監督、アンジェイ・ワイダ氏は後に映画「カティンの森 [DVD]」を制作した。

 できることならまたポーランドに旅行したいと思うのである。今度はちゃんと歴史について勉強して、そしてもっとポーランド語もわかるようになってから行きたい。しかし忙しい日々の中でゆっくりとそんな旅ができる時間が作れるだろうか。そして長旅に耐えるだけの体力が今の自分にあるだろうか。そんなことをオレは思ったのである。


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