2011年08月28日(日) |
いつか帰れる日まで・・・・ |
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福島第一原発周辺住民はいつになったら帰郷できるのだろうか。放射線の量は自然に減少していく。永遠に帰れないということはないにせよ、5〜10年は帰郷できないことになるかも知れない。その試算結果の記事を毎日新聞で見つけたので引用しよう。
福島第1原発:帰郷困難、20年超も 政府試算
福島第1原発周辺の状況 政府は27日、福島市内で開かれた「福島復興再生協議会」で、年間被ばく線量が200ミリシーベルトと推定される地点では、除染しない場合、帰宅可能な水準(年20ミリシーベルト以下)まで線量が下がるには20年以上かかる可能性があるとの試算結果を示した。菅直人首相は27日、福島県庁で佐藤雄平知事と会談し、東京電力福島第1原発周辺の放射線量が高い地域について「長期間にわたって住民の居住が困難な地域が生じる可能性は否定できない」ことを認め、「心からおわび申し上げたい」と陳謝した。
放射性物質が風雨で拡散されることなどにより、被ばく線量は除染なしでも自然に低下していく。試算結果によると、帰宅可能水準まで被ばく線量が下がるには、現在の推定線量が100ミリシーベルトの地点で10年程度、50ミリシーベルトの地点で4年程度かかる。この期間をより短くするには、除染作業を効率的に進める必要がある。
◇汚染物質保管「福島で」 首相が知事に要請
会談で首相は、除染作業によって新たに汚染土壌が発生することも踏まえ「汚染物質を適切に管理する中間貯蔵施設を県内に整備することをお願いせざるを得ない」と述べ、汚染物質を一時保管するための中間施設を県内に設置したい考えを伝えた。
政府関係者によると、中間施設は国が建設し、放射性物質の空中や地下水への拡散を防ぐための遮蔽(しゃへい)壁も備える。首相は「最終処分場にすることは全く考えていない」としたが、佐藤知事は「突然じゃないか。非常に困惑している」と、受け入れは困難との見方を示した。
汚染土壌やがれきについて、政府が26日発表した「除染の基本方針」は、国が処分場を整備するまでの間、市町村や地域ごとに仮置き場を設けるべきだとしている。しかし、「仮置き場では安全な管理は難しい」との批判が地方から出ていることを受け、国が責任を持って中間施設を整備する必要があると判断した。
会談に同席した細野豪志原発事故担当相は記者団に「一定期間は貯蔵できるものでないと、(市町村の)仮置き場と変わらない」と述べ、放射性物質の封じ込め効果の高い施設を造る意向を明らかにした。
また、首相は「国策で進められてきた原発が事故を起こしたのだから、国の責任で対応しなくてはならない」と強調。「次の内閣にもしっかりと引き継がせていただきたい」と述べ、首相交代後も、事故収束と被災地支援に国は全力を挙げるとの考えを示した。【笈田直樹】
除染しないと放射線レベルはなかなか下がらないのだが、除染すれば低レベルの放射性廃棄物が大量に出ることになってその処理が今度は厄介である。かといって汚染された土壌をそのままにということも住民の反発を招く。そもそも山林や田畑の除染が可能なのか。そうした矛盾を抱えたまま、政府自体にも打つ手がない状況であるとオレは思っている。
さしあたっての住民への補償は、原発周辺地域をすべて国が借り上げた形にして、地代を支払うという形でスターとするしかないのではないか。そうすれば避難して別の場所で長期間生活する上での生活資金の足しにはなるだろう。もちろんその地代に関してはかなり決まるまでに紆余曲折があることは間違いないが、少なくともそのゼニをけちってはダメだ。高齢者の中には二度と故郷に帰れずにそのまま死ぬことになる人も出てくるだろう。そうした苦痛を強いるわけだから地代+補償の性格がないといけない。
オレはもしも自分が避難地域の住民だったらどうだろうかと考える。住む家を失っただけではなく、多くの住民が職場も生活基盤も何もかも失っているのである。その補償がきちっと行われているのだろうか。何十年も続けてきた仕事を奪われて、それでも生活のために新たな仕事を探さないといけないという苦しみをそもそも金銭に換算できるのかと思うのである。少なくともそうした多くの訴えに対して、政府や東京電力は誠実に向き合う必要があるはずだ。ゼニでは換算できないものだが、とりあえずはゼニだ。最低でも避難前の収入が補償されるような水準にしないといけない。
もしも住宅ローンを払ってる家が避難地域にある場合、そのローンは払い続けていることになっているだろう。しかしその家には住めないのである。政府が借り上げということになってその家の地代を受け取るようになれば、そのゼニでローンを払えということになるのだろうか。もしも地代は受け取りながらローンを踏み倒せばどうなるのか。しかし住んでもないし住める可能性もない家に対して住宅ローンを払わされるというのはどうか。そうしたさまざまな難題が、それこそ避難住民の数だけ存在するのだ。
いつか帰れる日までこの苦悩は続く。しかしその「帰れる日」というのが果たしてやって来るのだろうか?
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