2011年08月18日(木) |
天竜川下り船はなぜ転覆したのか? |
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天竜川下り船はなぜ転覆したのか。流れが急なカーブのところで岩に激突したのだという。明らかな操船ミスである。しかし、人間の行為に100%はないし、ミスすることは誰にでもある。だから今回のことでオレは川下り船を転覆させてしまった船頭さんを責める気にはなれないのである。自動車の事故でも飲酒や覚醒剤、認知症などの明らかな「運転してはいけない状況」以外は不可抗力だとオレは思うし、今回も「不幸な事故だが100%起きないものでもない」と言うしかない。京都の有名なあの保津川下りでさえも過去に事故を起こしているのである。もっともそれは落石で負傷者が出たという事故であり、操船ミスではないのだが。
オレが不思議に思ったのは今回の乗船者たちが救命具とかを身につけて乗船していなかったということである。それだけこの川下りは安全なものと思われていたのだろう。読売新聞の記事を引用しよう。
川下り船、岩に激突…「助けて」と子どもの声
静岡県浜松市の天竜川で17日午後、川下り船が転覆し、女性1人が死亡し、3人が行方不明となった。
安全で楽しいはずの夏のレジャーが暗転した。川には多くの乗客が投げ出され、「助けて」という子どもの叫び声が響いた。現場は流れが急なカーブで、船頭は岩にぶつかったと話しているという。県警は業務上過失致死傷の容疑で捜査に乗り出した。
「船頭の叫び声が響き、すぐに年配の女性が流されてきた。『助けて』という子どもの声も聞こえた」
転覆船の後続の船に乗り、おぼれた年配の女性を助けようと川に飛び込んだという静岡市清水区の会社員望月祐介さん(21)は、青ざめた表情で事故を振り返った。川に投げ出された人が板につかまりながら下流へ流されていった。おぼれた人の中には、後続船の乗客に助けられた人もいたが、「なぜこんなことが起きたのか」と肩を落とした。
転覆現場から数十メートル下った河原では、乗客ら数十人が疲れ切った表情でうずくまっていた。乗客の男性は「怖かった。疲れた」とうなだれ、消防隊員に肩を抱かれて歩く高齢の女性や、洋服が泥で汚れた若い男女、半裸のままいらだった様子で声をあげる若い男性もいた。
(2011年8月17日23時51分 読売新聞)
この天竜川下り船を運航していた天竜浜名湖鉄道が非難されるとすれば、操船ミスで転覆などの事故が起きた場合の対応を社内できちっと決めていなかった場合である。事故に備えて保険に加入していて、万一乗客になんらかの事故があったときに速やかに対応できるという体制はきちっととれていたのだろうか。オレが気になるのはその一点である。ドライバーが万一の事故に備えて任意保険に加入するように、なんらかの事故対応が事前になされていたか否かということだ。少なくともこの川下りが100%安全な乗り物ではなくて、船頭の能力にすべてを委ねている以上それは絶対に必要なことである。
国土交通省は川下り船など小型船舶の場合に12歳未満の乗船者には救命胴衣の着用を船舶職員法で義務付けているという。しかし12歳以上については努力義務にとどまり、義務にはなっていないのである。12歳未満への着用も2003年に初めて義務付けられた。大人の場合は体力もあって安全とされたのだろう。
猛暑のために涼を求めて人々は水辺で遊ぶ。今年は例年異常に水難事故が多いかも知れない。そうした事故をすべて防ぐことは不可能だ。想定外の事態が必ず起きる上に、人間というのは100%完璧に行動できる生き物ではないからである。
もしもオレがその川下り船に乗船していたらどうだっただろうか。勇敢にも救助のために後続船から飛び込んだ方がいたという。その行動がなかったらもっと犠牲者が出ていたかも知れない。それにしてもなんと不幸な事故だろうか。オレはTVの報道を見ながらいたたまれない気持ちになったのである。
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