2011年08月13日(土) |
被災地で活躍した医師は実は偽医師だった・・・・ |
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手塚治虫の漫画に登場するブラックジャックは日本の医師免許を持っていない。だから厳密に言えば彼の手術や医療行為は医師法違反にあたるのである。そのブラックジャックのように振る舞おうとしたのかどうかはわからないが、東日本大震災で大きな被害を受けた宮城県石巻市で治療行為を行っていた男性が、実は偽医師であったことが判明した。読売新聞の記事を引用しよう。
医師免許ない男、被災地で治療か…4月から
東日本大震災で被災した宮城県石巻市で、市災害ボランティアセンターを拠点に、医師免許を持たない男性が「医師」を名乗って、今年4月からけが人の治療などを行っていたことがわかった。
男性は現在、所在不明となっており、宮城県警は医師法違反(無資格医業)の疑いもあるとして捜査を始めた。
朝日新聞は10日朝刊の記事でこの男性を、カナダの大学病院所属の「小児救命救急医」と紹介しており、12日朝刊でおわび記事を掲載した。
同センターなどによると、男性は、ボランティア団体「WF(ワールドフュージョン)」代表の「米田きよし」と名乗り、4月上旬から市内の石巻専修大敷地内のテントに診察スペースを設け、けがをしたボランティアたちの治療にあたっていたという。
しかし、6月に大阪市内の調査会社から医師ではないのではないかなどの指摘が寄せられ、同センターが男性に医師資格を証明する書類の提示を要求。
男性は「医師国家資格認定証」などと記載された書類を提出した。また、民間団体の役員で「小児科医」と書かれた名刺も所持していたため、同センターはそれ以上、確認はしなかったとしている。
厚生労働省によると、男性が示した「認定証」は同省では発行しておらず、「米田きよし」という名の医師登録もなかった。
(2011年8月12日13時19分 読売新聞)
なんと天下の朝日新聞は、この偽医師をうっかり「ひと」欄で取り上げて記事にしてしまっていたのである。かなり恥ずかしい失敗である。その後この偽医師は所在不明になっているという。朝日新聞がどういう経緯でこの男性を「カナダの大学病院所属の小児救命救急医」と紹介することになったのかはよくわからないのだが、ちゃんとウラをとらずに記事にしてしまったことは間違いない。なんとも情けない失敗である。
もっとも朝日新聞がウラをとらないことは今に始まったことではない。もうかなり前のことだが大阪府立春日丘高校の野球部が甲子園に出場したことがあった。春日丘高校のOBということで作家の筒井康隆氏は朝日新聞の取材を受け、彼はふざけた内容でホラ話を答えたところそれがそのまま記事になってしまったらしい。筒井康隆氏にインタビューしてその内容をまじめにウラもとらずに記事にしたという失敗を朝日新聞は過去にもしているのである。相変わらずだなとオレは思ったのである。
ボランティアセンターで働いていた期間、この偽医師には報酬が支払われていたのだろうか。オレはそれも気になるのだ。もしも彼が多大な報酬を得ていたのならば、その行為は「金目当て」の恥ずべき行為だったということになるわけだが、無給で働いていたとすればどうだろうか。やむにやまれぬ気持ちで偽医師となって現地で働いたということならそれは間違った行為ではあるがやはり「美談」になってしまうのかも知れない。オレはこの偽医師くんが現場で現地の人々を救うために役立っていたと祈りたいのである。たとえ間違った行為であっても、それによって救われた方がいたのならと期待してしまうのだ。
今回の事例だが、災害ボランティアセンター側は、指摘があってはじめて医師免許の提示を求めたのであり、最初にきちんと確認をせずに自己申告に基づいて受け入れていたという部分で落ち度があったということになる。しかし、せっかく来てくれた善意の方に向かって「医師免許を見せて下さい」と言いにくかったのだろうか。そのあたりの習慣がオレにはよくわからないのである。学校が教員を採用するときは教員免許状のコピーを提示するのはお約束だ。なぜ医師の場合はその手続きをすっ飛ばしてしまうのか。オレはとってもそれを不思議に思うのであった。
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