2010年06月08日(火) |
古墳をぶっつぶした男 |
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ゴルフ好きの方は、きっと気分を害されると思うので今日の日記は読まないで下さい。
オレはゴルフが嫌いである。ゴルフというのは環境破壊型の反社会的な娯楽であると思っている。ゴルフが趣味という連中はみんな国賊である。ゴルフ場建設によってどれだけ多くの里山が破壊され、大量の農薬によって生態系が破壊されてきただろうか。農業の場合は減農薬や無農薬、有機栽培などの方向性を打ち出す農家もあるし、残留農薬は厳しく規制されている。しかし、ゴルフ場の農薬に関してはほとんど規制されていないのである。考えてもみるがいい。なぜゴルフをしていて虫に刺されたりしないのか。あれだけの空間に虫がいないのかを。蝉の鳴き声がやかましいゴルフ場があるだろうか?もしもあればそこは良心的なゴルフ場である。撒かれた農薬はそのまま地下水になったり、川に流れ込んだりして我々の生態系に影響を与えている。
どうすればこれを防げるのか? 法律によってゴルフを禁止してもらうか、あるいはゴルフをする人から年間100万円くらい税金を取り立てて環境保護の活動に充てるべきだとオレは思っている。そこまでゴルフに偏見を持ってるので、こういう報道に接すると、「そりゃそうだよな」と思ってしまうのである。反社会的な娯楽を推進する連中が「遺跡保護」なんて精神が欠落してるのは当たり前じゃないかと。
毎日新聞の記事を引用しよう。
巨勢山古墳群:ゴルフ場工事で4基壊す 無許可で拡張2010年6月7日 11時41分 更新:6月7日 12時5分
奈良県御所市にある国の史跡・巨勢(こせ)山古墳群で、昨年11月に無許可でゴルフ場の拡張工事が行われ、少なくとも4基の古墳が破壊されていたことが分かった。ゴルフ場側は、文化財保護法で定められた現状変更許可申請を文化庁に出しておらず、市民からの通報で発覚した。文化庁と市教委は、ゴルフ場側に原状回復を求めており、専門家を交えて復旧方法を検討する。
同古墳群は、東西3.3キロ、南北3.5キロの丘陵地に、5世紀中ごろ〜6世紀後半の小規模古墳約700基が集まる国内最大規模の群集墳。02年12月に国の史跡に指定された。
市教委によると、秋津原ゴルフクラブ(御所市)が昨年11月1日から、史跡指定地内の所有地で、ゴルフ練習場の拡張工事をした際、山の斜面約5400平方メートルを重機で掘削した。同26日、通報を受けて市教委が工事の中止命令を出して調査。少なくとも直径10〜20メートル程度の円墳4基が破壊され、うち2基は半壊していた。
破壊された斜面は、市教委の指示で、ゴルフ場側が植物の種を混ぜたマットを敷いて崩落を防止している。市教委は近く土木工学の専門家などを交えて「史跡巨勢山古墳群復旧委員会」を設置し、文化庁や県教委と協議しながら本格的な復旧方法を検討する。
同ゴルフクラブは「一昨年4月に経営者が代わり、許可申請が必要なことを知らなかった。指示を待って復旧させたい」と話している。【高島博之、山本和良】
この「許可申請が必要なことを知らなかった」というのは真っ赤なウソである。わかっていてぶっつぶしたに決まっている。きっと市民からの通報がなかったらそのまま「知らんぷり」で通すつもりだったのだろう。ゴルフ場経営者の感覚というのはそういうものである。どうせここはろくでもない奴らが経営してるのだろう。
一度破壊されてしまった古墳は復旧したところで何の意味もない。盛り土をしてそれらしい形を整えたところでそれは全くの別物だ。だからここで「復旧方法を検討」と書いてあるが無駄な努力である。今回の破壊で副葬品なども破壊されてしまったか、あるいはすでに盗掘で何も残っていなかったのかどっちだったのだろうか。
記事の写真を見ると古墳が削られて無惨な状態になっている。これを見て思い出すのは京都の一条山である。一条山は通称「モヒカン山」と呼ばれ、京都の環境破壊の象徴的な存在の山である。こんな無惨なことを平気で行う神経は、ゴルフ場開発で里山をぶっつぶして農薬をぶちこむ感覚と共通するモノである。自然環境や景観なんかどうでもいいと思ってるからこういうことが可能なのだ。
今はゴルフ場はどこも経営が厳しい。いっそみんなつぶれてそのまま放置されて山林に戻ってしまえとオレは思ってるのだが、ゴルフ場側もどうやら韓国や中国の観光客にターゲットをしぼってきたようでもしかしたら将来は業績回復するかも知れない。茨城空港に上海から格安航空会社の定期便が就航するそうだが、それが中国からのゴルフツアーを呼び込むことになったらいやだなあとオレは憂えている。もしも将来にゴルフ場開発のブームがまた起きたら、わずかに残った里山も破壊されるのは必定だからだ。
破壊された里山はもう元には戻せないし、遺跡も同様だ。遺跡の保護に対して熱心なはずの奈良県でさえも、遺跡の真上に万葉ミュージアムなどという愚にもつかないハコ物を建てて、そこでロック風の万葉集とかを聴かせてくれるのだ。物理的に破壊するだけではなくて精神的にもとどめを刺してるのである。ここまで文化を破壊されるとオレはもうあきれるしかないのである。
ゴルフ場拡張のために古墳をぶっつぶした男に対して下される罰は、もしかしたら罰金50万円くらいの軽いモノかも知れない。原状回復命令が出て、その工事に出費がありそうだが、ゴルフ場側が「そんなゼニはない」と突っぱねたらもうどうしようもない。税金で復旧工事するわけにもいかずそのまま放置されるのだろう。すでに削られた斜面には植物の種を蒔いたマットが置かれているという。情けない話である。遺跡を平気でぶっつぶせる日本人には観光立国なんて口にする資格はない。一罰百戒ということで、このゴルフ場の経営責任者に実刑判決、ゴルフ場は廃業させて山林に戻すなんて厳しいペナルティが科されるならばオレも納得するのだが、世界一刑罰の軽い日本ではそういうまともな罰が与えられることはありえないのである。
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