2010年03月20日(土) |
土地価格はまだまだ下がりまっせ! |
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オレは日頃インフレ政策を主張している。金余りの状況を政府が意図的に作り出して、じゃぶじゃぶと資金を市場に供給し、今のデフレスパイラルを断ち切ることである。しかし、そのゼニが株式市場につぎ込まれたり外貨購入に充てられて円安になるのはいいが、土地への投機に使われて不動産価格高騰になることは望まない。デフレの中でも家賃が下がらなかったことを思えば、土地価格は未だに高値のままで放置されてると思うからだ。少子高齢化と、都心部のマンション建設ラッシュ、空き家700万戸という現状を思えば土地価格が上がる要素などどこにもないのである。それなのに上がるとすればそれはなんらかの作為が働いてるのであり、自由な市場経済を阻害するものである。
土地価格の値下がりを伝えた読売新聞の記事を引用しよう。
「一等地」総崩れ…新築物件で2割値下げも
18日に発表された2010年1月1日時点の公示地価では、08年までの地価上昇局面で大きく値を上げた東京・銀座や表参道などの一等地で、落ち込みが目立った。
商業地ではブランド店の撤退やオフィスの縮小などが相次ぎ、住宅地ではマンション販売が低迷。08年秋の金融危機を境に再び始まった地価下落に拍車がかかった。
東京・銀座の並木通り沿いには空き店舗が目立つ。近くの不動産業者は「海外の高級ブランド店の入居を見込んでいたが、景気悪化と賃料の高さを理由に急にキャンセルが入った店が多い」と説明する。
テナントが入らないと賃料を下げざるを得ず、これが周辺の地価下落につながっている。銀座では、外資系ファンドの投資などで「ミニバブル」が起きた08年には地価が30%以上も上がった地点があったが、金融危機で状況が一変した。
09年夏には銀座4丁目交差点の近くで、米国の高級衣料品ブランド店「ブルックスブラザーズ」が撤退した。跡地には隣接する「ユニクロ銀座店」が進出し、売り場面積を広げた。賃料下落も影響してか、銀座の目抜き通りである中央通りには最近、ヘネス&マウリッツ(H&M)など、手頃な価格の欧米系のカジュアルブランドの店舗が目立つようになった。
企業が賃料の高い都心を離れたり、オフィスを縮小したりする動きも加速している。中堅・中小企業を主な取引相手としているりそなホールディングスは、大企業が集まる都心に本社を置く必要はないと判断し、東京・大手町の本社ビルを売って今年5月に東京都江東区へ移る。
住宅地もほとんどの地点で下落し、特に千葉県市川市や同県浦安市では、下落率が10%を超えた。JR東京駅から20キロ圏内という便の良さで人気を集め、08年は地価が平均で5%以上、上昇していた地域だ。
「ミニバブルの時期に供給量が増えた地域で、高額な物件ほど売れ残っている」(みずほ証券の石沢卓志氏)といい、過去の上昇の反動も出ている。東京都江東区では、当初の価格を2割引き下げて販売する新築物件もあったという。
数少ないながら、地価が上昇した地点もある。
名古屋市緑区では、来年3月の地下鉄桜通線の新駅開業を前に5地点で上昇した。JR名古屋駅と結ばれて利便性が高まるためだ。
静岡県長泉町でも2地点で上がった。東海道新幹線・三島駅に近く、県立静岡がんセンターを核にした先端産業の企業誘致で人口が増えたことが影響した。
JR池袋駅東口(東京都豊島区)近くの地点も、下落率が大きく縮小した。昨年10月、三越が撤退した店舗を改装して、家電量販店最大手のヤマダ電機が出店。近くのビックカメラとの間で「家電戦争」が始まり、買い物客が増えたことが影響したとみられている。(栗原健)2010年3月19日 読売新聞)
土地価格の下落は景気をよくするというのがオレの持論である。国民の多くが住宅ローンの債務を背負わされてるという状況は、江戸時代の農民が重い年貢の取り立てに苦しみ生かさず殺さずの状況下で搾取されたことと似ている。年収の5倍の住宅を、35年ローンで買わされるということは、金利分を合わせれば最終的には実際の取得額の2倍近い金額を払わされるのである。そうして銀行が肥え太り、不動産業者が大儲けするというのがこれまでの日本経済の状況だったのだ。しかし、バブルがはじけて銀行がこけたとき、健全な利潤を上げていたはずの製造業から貸しはがしなどの形でゼニが引き上げられ、日本全体が不況に陥ってしまったのは政策的な間違いだった。あの時、政府は銀行はみんなつぶしてもよかったが、製造業は守るべきだったのだ。不良債権もろとも銀行には死んでもらい、税金は日本経済を支えてきた製造業を保護するためにこそ投入すべきだったのである。しかし、政府は大きく方針を誤って進み、銀行にはゼニが投入された。多くの中小企業は貸しはがしにあってつぶされた。経済のことをろくにわかっていないクソみたいな政治家が官僚の言いなりの政策を実行した結果である。日本のハイテク産業が国際競争力を失った原因の一つはそうした政策的な過ちのせいである。
国民が住宅ローンという重い年貢から解放されれば、可処分所得は一気に増えてそれは自動車や家電といった耐久消費財やレジャーに使われることになる。そうすると一気に景気が良くなるはずである。
オレが子どもの頃、クラスの友人たちはたいてい長屋住まいだった。一戸建ての持ち家なんてブルジョワ階級はあまりいなかったのである。豊かになってみんなが家を買ってしまえば、今度はその家に次の世代が住めばいいのだから住宅ローンの負担はなくなるはずだった。しかし、現実には30年で価値が無くなるような粗悪な住宅が販売され、庶民は世代ごとに永遠に住宅ローンを背負わされるという仕組みが作られてしまったのだ。
しかし、少子高齢化によって状況は変化した。空き家が大量に発生してきたのだ。市場経済の論理をそのまま適用すれば土地価格も家賃も下がって当然である。しかし、家賃はなかなか下がらない。都心部では需要があることと、政府や自治体に公営住宅をまじめに整備する気がないからである。離婚率の増加によって単身者や母子家庭が増えたことも家賃を高止まりさせている。郊外で一戸建て住宅の空き家が急増しているのに、都心部では高い家賃を払って狭いマンションやアパートに住まわされてるのだ。就労していない生活保護世帯や低収入の世帯に、空き家になった郊外の戸建て住宅を安く貸し出す仕組みは存在しない。「いつかはまた値上がりする」という夢を捨てきれない守銭奴どもが家を手放さないのである。オレの家の周辺にも空き家になった戸建て住宅はいっぱいある。庭には草がぼうぼうに茂り、雨戸は閉じたままである。こうして放置するのならもっと活用すべきだろう。少なくともわが家からは1時間以内で梅田まで通勤可能なのだ。スーパーも近く通学にも便利である、府が開発した彩都や箕面の山奥のクソみたいなニュータウンよりもはるかに価値ある場所である。しかし放置された空き家だらけなのだ。
土地価格が下がり、家賃コストが下がることでビジネスチャンスは広がる。法外な家賃を支払うために利潤を乗せないと行けない都心のレストランよりも、家賃の安い郊外に立地させた方が同じ値段ならいいものが出せるはずである。都心部で地価の下落が起きている今の状況をオレは歓迎する。このまま適正価格まで下げていくことでもう一度そこにチャンスが発生するのである。空きオフィスのダンピングが起きることで起業を夢見る人々にもチャンスが生まれるのだ。
土地価格の上昇を伴わないインフレ政策はなかなか困難かも知れない。だったらデフレのままでも、せめて家賃だけ、土地だけでも値下がりしてくれればきっと景気は良くなるとオレは信じているのである。
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