2010年03月19日(金) |
マグロを日本に売りたい国も多いです! |
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「希少動物だからクロマグロを食うな」と日本に理不尽な要求をぶつけ、会議の場で「禁輸」を決めようとした連中の企みは何だったのだろうか。クジラを食うなとかイルカを殺すなとか、こうした要求に対して日本はきちっと日本の立場を説明して断固拒否すべきである。インド人がアメリカで「牛を食うな!」などとデモ行進をしてもみんな「こいつはアホか!」と思うだけだろう。オレにはその程度の問題に思えるのである。読売新聞の記事を引用しよう。
大西洋・地中海産クロマグロ禁輸案を否決
【ドーハ=是枝智、実森出】絶滅のおそれがある野生動物の国際取引を規制するワシントン条約の締約国会議は18日午後(日本時間同日夜)、第1委員会が開かれ、地中海を含む大西洋産クロマグロの国際取引を禁止するモナコの提案を賛成20、反対68、棄権30で否決した。
禁輸実施まで1年間の猶予期間を設けるとした欧州連合(EU)の「修正禁輸案」も賛成43、反対72、棄権14で否決した。ただ、禁輸に賛成する米国やEUなどが、25日の会議最終日までに本会議での再投票を求める可能性もある。
委員会では、即時禁輸を提案したモナコの代表が「密漁が横行し、クロマグロは絶滅の危機に直面している」と訴えた。これに対し、日本は「ワシントン条約の管理下では資源の有効利用ができない」などと主張し、韓国、アラブ首長国連邦(UAE)、チリ、トルコ、リビアなどが日本に同調したとみられる。
当初は、討議を重ねた上で21日以降に採決を行う予定だったが、リビアが即日採決を提案。無記名で投票が行われた結果、モナコ案とEU案はともに、採択に必要な3分の2以上の賛成が得られなかった。採決後、モナコの代表は記者団に対し、モナコ案の本会議での再投票を求めるのは難しいとの考えを示した。
大西洋産クロマグロは従来、漁業関係国でつくる大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)が資源保護を行ってきたが、ICCATの漁獲枠を無視した乱獲などのため、2000年代に入り資源量が急減していた。このため、環境保護団体などから、野生生物として取引制限するワシントン条約での保護を求める声が強まっていた。
しかし、18日の委員会では、大西洋クロマグロの最大消費国として禁輸反対を求めてきた日本に、マグロの輸出国や途上国などの同調が相次ぐ形となった。
クロマグロは「本マグロ」とも呼ばれる。08年の大西洋クロマグロの日本への供給量は約2万トンで、日本で出回るクロマグロの約半分を占める。
赤松農相は18日夜、記者団に対し「資源管理については日本の積極的な姿勢を各国に訴えてきた。我々が想像した以上の良い結果が出た」と述べ、禁輸案が否決されたことを評価した。今後については「太平洋、インド洋などでも資源管理、調査を行い、日本がリーダーシップを取っていくことが大事だ」と述べた。(2010年3月18日22時54分 読売新聞)
さて、記事の中にあった禁輸の理由である「密漁が横行し、クロマグロは絶滅の危機に直面している」だが、それはいったい誰の責任だろうか。漁獲枠を無視して獲りまくる連中が悪いのだろうか。密漁と知っていても買う日本の責任だろうか。そもそも日本の輸入商社はそれが漁獲枠の中に入ってるものか密漁なのかを区別できるのだろうか。成魚しか獲らない日本の漁船と違って、稚魚まで根こそぎ獲りまくる連中が資源を枯渇させてるのであり、日本はきちっとその違いを説明すべきである。
大西洋クロマグロのうち日本に入ってくるものが2万トンもあるという。これは金額ベースで計算したらどれくらいになるのだろうか?日本は2006年に140億ドルの水産品を輸入している。これは世界一である。そのうちクロマグロの占める金額がかなりあることは間違いない。しかも最近は中国も輸入量の増加が著しいのである。ここで「禁輸」ということになれば日本だけではなくて中国も大打撃を受けるのだ。今まで日本と中国は対立することも多かったが、今回のクロマグロの問題に関しては利害が一致したのである。
今回、日本を支持した国々の中には日本向けにマグロを輸出するというのが重要な外貨獲得の手段になっている国もあるわけで、それがなくなるとかなり困るのである。また、アフリカの諸国の中には漁業の振興によって経済を建て直そうとしている国もある。そうした国々の自力更生の道を閉ざすことでアメリカやEUの国は何の得があるのだろうか。アフリカの国々を植民地にして搾取して奴隷を運び出してめちゃめちゃにした連中には、アフリカの国々の自力更生を助ける義務があるのだ。
オレは今回の提案がモナコみたいに観光とバクチ以外の何も産業のない国から出されたことがきわめて不愉快なのだ。おまえの国は関係ないくせに余計なことを言うな!と思うのである。マグロの取引に関する利害関係者じゃない第三国が、勝手にいちゃもんをつけて、勝手に「マグロは希少動物だ!」などとほざいてるのである。ふざけるなと言いたいのである。
ただ、今回の採決が「モナコの提案を賛成20、反対68、棄権30で否決した」とあるように、圧倒的に反対票が多かったことでオレは安堵している。少なくとも現時点ではモナコの提案の方が理不尽であり、輸入国である日本の立場を支持する国の方が多いということだからだ。
大西洋のマグロ問題は今後どうなるかわからない。こういう議論は「価格つり上げ」の一つの道具にもなるだけに注意が必要である。しかし、食いものには適正なコストがある。理不尽なまでにクロマグロの価格をつり上げたとしても、その結果日本の消費者は他のものを食うだけであり、結果として輸出量が減れば損をするのは輸出側である。日本政府はそのあたりのことをよく考えて、うまく自国にもっとも有利な道を探らないといけないのである。クロマグロをどうすれば安定して輸入できるか、まだまだ会議の結果がどう転ぶかわからないだけに油断は出来ないのである。
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