2009年11月28日(土) |
「ドバイ・ショック」で世界はどうなるのか? |
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月に一度くらいのわりで強烈な円高がやってくる。何か悪材料が出れば安全資産として円が買われるのである。日本に暮らしていて、日本経済の崩壊ぶりを知る我々から見れば「どこが安全なのか?」と言いたくなるのだが。さて、その超円高が今日もやってきた。原因は「ドバイ・ショック」だった。ドバイ発の金融不安を報じる読売新聞の記事を引用しよう。
「ドバイ・ショック」円高・株安のきっかけ
27日の東京市場で進んだ円高と株安は、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイ首長国の金融不安がきっかけとなった。
中東発の「ドバイ・ショック」は、円高・株安を通じて日本経済に打撃を与えるだけでなく、世界の金融市場を揺さぶる可能性も出ている。
「ドバイ・ショック」は、ドバイ首長国が25日に発表した政府系の投資持ち株会社ドバイ・ワールドと、その不動産子会社のナヒールの債務返済の一時凍結要請が発端だ。地元メディアによると、ドバイ・ワールドの負債総額は約600億ドル(約5兆円)。債務不履行の懸念が強まり、他の新興国企業の資金繰りにも不安感が一気に広がった。
中東の金融・物流センターとして世界中から資金を集め、急成長を続けてきたドバイには、欧州勢を中心に日米の主要な金融機関から資金が流れ込んでいる。「ドバイ・ショック」は世界の金融機関の新たな重荷となり、金融不安や世界経済混乱の再燃につながりかねないとの動揺が市場関係者に広がった。
東京外国為替市場では前日までの「ドル独歩安」が一変。欧州の金融機関がドバイへの巨額の融資を行っていることから、円はユーロに対しても急伸した。他通貨に対して比較的安全と見られている円が買われ、「円独歩高」の展開となった。
東京株式市場にも影響が広がり、金融危機の波及を嫌気して銀行株が売られたほか、中東に巨大プロジェクトを抱えるゼネコン株や、中東とビジネスの関係が深いプラントや海運などの株が売られた。
欧州の主要株式市場でも、27日の取引は値下がりで始まった。世界的な金融緩和を受け、先進国の資金は景気回復が進む新興国に向かっており、「『新興国リスク』が確認されれば、世界的な信用収縮につながる恐れがある」(日本総合研究所の湯元健治氏)との懸念も強まっている。(富塚正弥、関根晃次郎)(2009年11月27日23時49分 読売新聞)
ドバイのバブル景気はとっくにはじけていたと思ったのだがどうやらまだはじける途中だったようである。すでに世界経済が失速していて、ドバイのバブルが影響を受けないわけがないと思っていたが。今になってやっと「債務不履行」の恐れである。その発表の意図はいったいどこにあるのだろうか。オレにはデフォルトの可能性を匂わせることで債務の大幅圧縮を狙ってるような気がするのだが。これが駆け引きではなくて本当にデフォルトすれば欧州の銀行がいくつかふっとぶような気がするのである。ドバイに投資してるのはユーロ圏の機関投資家が多いからだ。
日本のバブル景気の時もそうだったが、土地価格を高騰させて争って買わせようとした時、最後にとてつもない高値でつかんでしまい、次の買い手を見つけられなかったヤツが投げることで暴落がスタートするのである。ドバイの不動産価格の高騰が最後にはこのような結末を迎えるということは誰もがわかっていたはずである。しかし、誰もが「転売益」を得ようとして手を出すのだ。だからこそ自分が「最後の購入者という大馬鹿」であるという事実に直面したとき、すべてを投げ出すしかないのである。
「ドバイワールド破綻」の報道が世界を駆けめぐったとき、強烈な円高ドル安が発生し、日経平均も暴落し、世界中の株価が下がった。与える影響の大きさがわからない以上、いったんポジションを閉じて様子見するしかないからである。
オレは日本株の底打ちを待っていた。もちろん底打ちしたら買うつもりだからである。しかし、いつになっても底が見えないのである。どんどん悪材料が出てくるからだ。そして極めつけがこの「ドバイ・ワールド破綻」だったわけだ。
瞬間的に84円台をつけたドルは86円台後半まで戻した。しかし、ドルの不安が払拭されたわけではない。いつでも再度下値アタックする可能性がある。アメリカがこれからも垂れ流し続ける巨額の財政赤字をカバーするには借金を増やし続けるしかなく、それはさらなるドルの価値下落につながるからだ。
零細投資家の一人であるオレは、日々報道されるニュースによって乱高下する株価や為替に翻弄されながら、なんとか損しないようにと必死なのである。明日の為替レートがどうなってるかなど全く予想できない。日々ビクビクしながら大きな勝負もできずにおそるおそる買ったり売ったりしているのである。早く落ち着いて欲しいものである。
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