2009年11月07日(土) |
アメリカは本当に大丈夫なのか? |
携帯用URL
| |
|
どうかお読みになる前に←応援のクリックをお願いします! m(_ _)m
NYダウが1万ドルを回復し、株価が戻ったということで景気が底打ちしたという楽観論に対して、雇用がちっとも回復していないという事実が突きつけられた。アサヒコムの記事を引用しよう。
米10月失業率、10.2%に 83年以来の10%台 2009年11月6日23時18分
米労働省が6日発表した10月の米失業率は前月より0.4ポイント高い10.2%になった。83年4月以来26年半ぶりの高水準で、失業者数も約1570万人と48年以来の過去最多を更新。失業率の10%超えは心理的な節目とみられてきただけに、オバマ米大統領の支持率下落がさらに進む可能性もある。
失業率は市場関係者の予測(9.9%程度)を大きく超えた。10%台にのるのは83年6月(10.1%)以来。戦後の米国の失業率は82年末につけた10.8%が最高で、その水準に徐々に近づいている。
08年8月の失業率は6.2%だったが、翌9月のリーマン・ショック以降、急速に上昇。景気悪化が、自動車をはじめとした製造業や小売業界など経済全体に大きく広がり、大幅な雇用減に歯止めがかからない状況だ。
10月の非農業部門の就業者数(季節調整済み)は前月比で19万人減少。就業者数の減少は、22カ月連続で過去最長を更新した。ただ、減少の幅は9月の21万9千人(改定値)よりも小さくなった。
米経済の09年7〜9月期の実質国内総生産(速報値)は前期比3.5%増で5四半期ぶりのプラス成長となり、景気回復に向けた期待が増している。ただ、エコノミストや米当局の間では、景気が上向いても当面は失業率の上昇が続くとの見方が多い。
オバマ大統領の支持率は6月末まではほぼ6割を超えていたが、雇用情勢の悪化に伴ってじりじりと低下。現在は50%台前半まで落ち込んでいる。今後、野党・共和党からの攻撃が強まるのは必至。追加景気対策を望む声も高まりそうだ。輸出主導による景気回復を掲げるオバマ政権が、日本や中国などに貿易不均衡の是正を強く求めてくる可能性もある。(尾形聡彦)
なんと、失業率が10%を超えているのである。1570万人もの大量の失業者が街にあふれているのだ。どうやってそんな大量の雇用を見つければいいのか。そんなこと絶対に無理である。ここでアメリカが雇用回復のためにやけくそになって仕掛けてくる政策によっては日本がとばっちりを受けて大変なことになるかも知れない。しかし、雇用回復なき景気回復はありえない。今回の金融恐慌を引き起こしたウォール街の張本人たちには高額ボーナスが復活しているというのに、大多数の、特に製造業の労働者たちには職がないのである。業績回復というのはただ単にリストラの嵐が行われてスリム化しただけであり、ちっとも回復したわけではなかったのだ。
ここでオバマ大統領が輸出主導による景気回復を積極的に推進してくるなら、ドル安に誘導して輸出産業に有利にしようとするだろう。今90円付近の攻防をしているドル円の為替レートが安値更新して80円くらいになってしまえば日本の輸出産業は壊滅する。もっとも世界一の消費国であるアメリカにとってドル安=輸入品の高騰を意味するわけだから国民は怒るだろう。ただ、それでもなりふり構わずドル安を仕掛けてくる可能性がないとは言えない。アメリカの貿易赤字が増加することも、財政赤字が増えることもどちらも大きなドル安要因である。その2つに関しては確実に起きるからだ。
雇用が回復せず、オバマ大統領の政策に人々が期待したほどの効果が出てない今、大統領支持率は60%を割り込んでじりじりとさがっている。それでもまだ5割はいちおう超えているが、このままではそれを割り込むのも時間の問題だろう。アメリカを失望感がじわじわと覆いつつあるのだ。しかし、オバマ以外の誰かが大統領になっても状況はそんなに変わらないだろう。このような状況をなんとかできる政策がそもそもあるのだろうか。製造業が空洞化してしまったアメリカで、唯一の産業である金融業がボロボロになった今、もはやアメリカにはまともな産業といえるものは残っていないのである。もはや手の打ちようがないのだ。
世界金融大恐慌の第二幕は、もしかしたらこの雇用不安によるさらなる景気悪化かも知れないのである。日本でもじりじりと失業者が増えていて、哀れな中年ニートも増加中である。せっかく企業業績が回復し始めたのに、ここで急激なドル安円高に見舞われたら、黒字に転換しつつあった自動車産業が壊滅的なダメージを受けてしまうのだ。オレはそれを想像するだけで気が重くなるのであった。
←1位を目指しています! m(_ _)m 週刊アクセス庵もよろしく。 投票博物館