2009年11月01日(日) |
個人が発電所を持てる時代が来るのか? |
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家庭に太陽光発電パネルを設置して余剰電力分を売る場合、家庭で使用した分との差額分だけしか売れず、ほとんどの家庭にとってその余剰分というのは微々たるものだった。電力会社に余剰分を高く購入することを義務づけたとしても、その余剰分がわずかなのでさほど電力会社の負担は大きくなかったのである。しかし、今回菅副総理が提案した内容はかなり電力会社の負担を増すことになる。家で発電した電力はすべて50円/キロワットで電力会社に購入してもらえるのに、使う電気は20円/キロワットで買えるわけで発電量すべてが売れるわけだ。大規模に太陽光発電パネルを設置した場合、それによってかなりの収益を上げられる可能性が出てくるわけである。土地が余ってる個人がそこに太陽光発電所を建設するなんてことがこれから流行するかも知れないのだ。アサヒコムの記事を引用しよう。
太陽光発電、全量買い取りへ 来年度、菅副総理が方針2009年10月31日23時18分
菅直人副総理兼国家戦略相は31日、家庭の太陽光発電で生じた電力を電力会社がすべて買い取る「全量固定価格買い取り制度」を来年度から導入する考えを示した。太陽光発電については、今月1日から余剰電力を電力会社が現在の2倍の価格で買い取る新制度が始まるが、これを全量に広げる構想だ。
太陽光発電の一層の普及を図り、地球温暖化対策を進めるのが狙い。ただ、電力会社は現在、1年間の買い取り費用を翌年度の電気料金に上乗せして回収している。余剰電力買い取りで、経済産業省は11年度、標準家庭で月平均30円程度負担が増えると試算したが、全量買い取りになればさらに上乗せ額が増え、太陽光パネルを設置していない国民の負担は大きくなる。
菅氏は31日、東京都内での講演で、「来年度からやろうと思っている。(国が)1円も金をかけないで太陽光パネルがばっと増えるやり方がある。全量固定価格買い取り制を決めればいい。(パネルを設置した家庭が)1キロワットあたり50円で(電力会社に)売り、キロワット当たり20円で(電力会社から)買ってくれば30円得する」と語った。
温暖化対策として、鳩山由紀夫首相は、温室効果ガスを90年比で25%削減する中期目標を打ち出し、内閣では菅氏が責任者。太陽光発電について民主党は衆院選マニフェスト(政権公約)で、「再生可能エネルギーの全量買い取り方式を早期に導入する」としていたが、導入時期は明示していなかった。
余剰電力の買い取りは、7月に成立した「エネルギー供給構造高度化法」に基づく。同法には施行2年後の見直し規定があるが、全量買い取りを電力会社に義務づけるには新たな措置が必要だ。新たな国民負担への理解とともに、天候によって発電量が変わるなどの課題もあり、来年度に導入が間に合わない可能性もある。(北沢卓也)
国がゼニを使わずに電力会社にだけその負担を押しつけるこの政策を知って、オレはなぜ最近電力会社の株価が下がっていたのかという謎が解けたのである。こんなことを導入されたらかなりのダメージである。だから下げていたに違いない。これから環境税(炭素税の形になるだろうか?)が導入されればさらに電力会社の負担は増すに違いない。炭素税は二酸化炭素の排出量に応じて課されるだろうから電力会社が赤字でも無関係だ。結果的に赤字転落するところも出てくるだろう。
オレは今回の「全量買い上げ」案に賛成だ。鳩山総理が掲げた二酸化炭素排出量の25%削減というむちゃくちゃな目標に対して、とりあえずひとつの具体的な提案を示したのである。ぜひ実現させてもらいたい。造成したのに使い道がなくなっている工業団地なども日照量が確保できそうな瀬戸内とかなら、太陽光発電所を設置して採算が合うかも知れない。「儲けが出る」ということになれば設置が一気に加速するはずである。そこに補助金で設置を後押ししてやればいいのだ。シャープや京セラといった太陽光発電関連企業も一気に関連のビジネスを拡大できるだろう。
築30年を超えたわが家も、屋根を全面的に張り替えて太陽光発電パネルを設置すれば面白いかも知れない。太陽光での発電効率が上がり、設置費用が安くなっていけば元をとるまでの期間が短縮され、今みたいに20年〜30年掛かるので耐用年限が来てしまうということもなくなるはずだ。田舎であっても都会であっても太陽の恵みは同じである。田舎に行けば行くほど土地代が安くて済む。すでに建設された建物で屋上部分にスペースがあればそこを有効活用できることになる。
電力会社の反発が予想されるが、これが実現すればかなり大きなことである。株で稼いだ資金で老後は発電所の経営もなかなか悪くないなあとオレは思ってしまうのである。江草発電所の設置場所を考えなければ。
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