2009年06月24日(水) |
コンビニ元締めの横暴を許すな! |
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コンビニというのはタクシーと同じである。タクシーの運転手が過酷な労働条件で働かないといけないのは、台数が多すぎて客の奪い合いになってしまい、一人あたりの実入りが少なくなるからである。ところがタクシー会社はちっとも腹が痛まない。台数を増やせば増やすほど利益は増えるのだ。そういうわけで大都市の道路には過剰なまでのタクシーが溢れている。
コンビニも同様である。すでに大都市圏のコンビニは飽和状態である。新規出店すれば古い店がその煽りを食って売り上げが落ち込む。ところが元締めは全く困らないのである。その理由はなぜか。コンビニ本体がもうからなくても、元締めはもうかるような仕組みが確立されているからである。コンビニでは大量の賞味期限切れの廃棄食品や万引き被害が発生する。それらはすべて店側の負担なのだ。小売業のリスクの部分はすべて店側に押しつけ、元締めは利益の部分だけをかっさらっていくのである。だからセブンイレブンもローソンも元締めは儲かってるのである。その一方でコンビニ経営者は過労死したり破産したりという悲劇が後を絶たないのだ。まずくて誰も買ってくれず、仕方なしに捨てるしかないような弁当まで原価相当分を店側は払わされるのだ。捨てる前に値引き販売するというしごくまっとうなことをしているだけで、元締めからは「契約違反だ!」などといじめられてきたのである。つまり、コンビニ業界の巨額の利益は、損失はすべて店に押しつけ、元締めが利益だけを吸い上げてきたから生まれたものだったのである。同じ系列の店が近くにあって共倒れになりそうな時でも平気で出店させる。上述のタクシーと同じ状況がコンビニに生まれているのだ。
そのあこぎなやり方がついに排除される日がやってきたのだ。オレは粘り強く戦ってこの決定を勝ち取った方たちの努力を賞賛したい。一軒一軒のコンビニの力は小さくても、その小さな力を結集すれば巨大な元締めと戦うことができるのだ。この世に珍しい「正義が勝ったできごと」として、オレは今回の公正取引委員会の決定を高く評価したい。
セブンイレブンに排除命令 公取委、値引き制限「不当」 2009年6月23日3時30分
約1万2千店舗を抱えるコンビニエンスストア最大手のセブン―イレブン・ジャパンの本部(東京)が、販売期限の迫った弁当などを値引きして売った加盟店に値引きをしないよう強制していたとして、公正取引委員会は22日、独占禁止法違反(不公正な取引方法)で同社に排除措置命令を出した。
本部との契約を打ち切られると事実上経営が成り立たなくなる加盟店は、本部からの要請に従わざるを得ない実態がある、と公取委は判断。独禁法の「優越的な地位の乱用」にあたると認定した。
販売期限の迫った弁当などの値引きは「見切り販売」と呼ばれるが、これをしていた加盟店側は「見切り販売をせずに本部の要請通りに弁当などを捨てると、大きな損失が出て経営が圧迫される」と主張。本部側は「安易な見切り販売は中長期的に加盟店の利益にならない。発注精度を高めることがなによりも重要だ」などとして対立していた。
しかし、命令は、見切り販売しないで捨てることになる弁当などが、1店舗あたり年間約530万円(調査した約1100店の平均額)に達している現状も指摘。今後、加盟店側が値引き販売できるようにするための具体的な方法を示した資料(マニュアル)を作ることを求めるなど、加盟店側に立った認定をした。
販売期限の迫った弁当などの販売をめぐっては、指導の強さに違いはあるものの、セブン―イレブン以外のコンビニ各社も同じように「本部が推奨する価格での販売」を加盟店側に求めていることから、影響は業界全体に及ぶ可能性がある。また、本部側は「他店との値引き競争の恐れから見切り販売には慎重な店主が多い」と主張しているが、今回の命令を機に、スーパーや百貨店の閉店間際に見られるような「見切り品」の安売りを始めるコンビニ店も出てきそうだ。
公取委の命令によると、同社は加盟店に対して、弁当やおにぎり、総菜など鮮度が低下しやすい「デイリー品」を本部が推奨する価格で販売するよう指導。デイリー品の廃棄による損失を減らすため販売期限の迫った商品を値引きする「見切り販売」をした加盟34店に対し、本部側の担当者らが「契約違反だ」「このままでは契約の更新ができない」などと言い、見切り販売を制限したとされる。
公取委によると、同社の会計方式では「デイリー品」を捨てた分の原価は加盟店側が負担することになるため、値引き販売ができないと加盟店の負担は大きくなるという。
そのため、公取委がセブン側に作成を求めている「加盟店が見切り販売をする際のマニュアル」には、「販売期限の何時間前から、何円まで値引きをすれば加盟店が利益を確保できるか」などが具体的に記されることが想定されているという。
一方、命令を受けて記者会見したセブン―イレブンの井阪隆一社長は「(加盟店と本部は)対等の立場にある。公取委とは見解の相違があり、残念だ。命令内容を精査し、慎重に検討したい」と発言。命令に従うか、あるいは不服として審判請求するか、明言しなかった。(小島寛明、五十嵐大介)
わかりにくい方のために具体的に説明しよう。一個500円の弁当があるとする。その弁当の仕入れ値は300円とすると、一個売れれば200円の粗利が出るが、そのうち100円は元締め、そして100円が店側の取り分であるとする。この弁当を10個売れば店は1000円、元締めも1000円(正確には弁当の卸値−製造原価分も元締めの利益なんだが)儲かることになる。
ところが10個のうち、1個が残ってしまった。この1個を廃棄したとすると、元締めの利益は9個分で900円だが、店は900円の利益から売れ残り分の原価を元締めに払わないといけないので300円を引かれて利益は600円になってしまうのである。廃棄するのが2個になってしまった場合は、元締めの利益は800円だが店は捨てる2個分の原価を負担しないといけないので利益は800−600=200円ということになってしまうのである。3個も売れ残ってしまったら200円の赤字になるしかない。そんな理不尽な仕組みがこれまでコンビニ業界の標準だったのである。元締めの命令で捨てる分にまでゼニを払わされるのである。
しかも値引き販売が規制されてるから、大量廃棄はコンビニ元締めの方針なのである。店によっては月間500万円を越えるという廃棄品を出しているのだ。一日あたり10万円以上である。エコが叫ばれる時代になんという無駄遣いだろうか。それが店側の負担なんだから全くひどい話である。つまりコンビニ元締めは捨てる分までよけいに仕入れさせるという無駄をずっと慣行として続けてきたのである。零細経営者を犠牲にして巨額の利益を上げるというビジネスモデルだったのだ。
そもそも弁当が売れないのは店の責任ではない。数年前のローソンではボクシングの亀田兄弟にちなんで亀田弁当なるものを並べていたが、そんなくだらない弁当で貴重な売り場を占領され、そのあげくに売れ残ったからと原価分のゼニもぼったくられるのだ。それでどうやって稼げばいいのか。
ところが値引き販売を許せば、この収支状況は劇的に改善する。たとえ10個のうち3個売れ残って廃棄することになったとしても、その3個を原価の300円で販売できるならば900円入ってくることになり、店側は損失を大幅に減らせるのである。たとえ10個中3個が売れ残ったとしても、その廃棄費用をかぶる必要がなくなれば売れた7個分の利益である700円はしっかりと守れるということになるのだ。
値引き販売を可能にした今回の決定で、全国のコンビニ経営者たちの苦しみはかなり軽減されるだろう。もちろん元締めの利益は減るわけだが、そもそもコンビニ経営者たちが苦しんでるのに元締めだけが儲かってウハウハというこの仕組み自体が間違っているのだ。自殺するコンビニ経営者たちはたくさんいるが、元締めの幹部連中がノルマに追われて死亡なんてニュースは少なくともオレは聞いたことがない。
国民を犠牲にして党幹部だけが豊かになるような国家の存在が許されないように、多数のフランチャイズ店を破産させておきながら繁栄を謳歌する元締めなんてオレには悪い冗談としか思えないのである。今回の決定で、これまで苦しんできたコンビニ経営者たちの生活が少しでも改善すればと思うのである。何度かオレが買ったことのあるローソンでは、経営者一家の息子だろうか。男の子がせっせと商品を並べてお手伝いしている光景を見たことがある。値引き販売を禁止できなかった腹いせにそういう店に対して「小学生に労働させてはいけない!」などと排除命令を出すのだろうか。まさかあの連中もそこまでは落ちぶれてはないと思いたいのだが。
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