2009年03月15日(日) |
PB(プライベートブランド)商品で自滅するイオン |
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オレは帰宅時に途中でよく北花田のイオンモールに寄り道して、そこに入ってるジャスコで、PB(プライベートブランド)であるトップバリュのカップやきそばやカップラーメン、カップうどんを買う。たったの88円である。値段を考えるとまあまあの味である。このトップバリューのカップ麺があるおかげで、100円以上で売られているカップ麺には見向きもしないのである。ただ、この値段で販売されていて、いったいどれほどの利益が上がるのかと不思議に思うのだ。いまどき一食が88円なんて、どう考えても安すぎるだろう。これでは適正価格から下げすぎである。
このトップバリュの商品はどれもかなり安いのだが、それでもまだ下げたりないと思ってるのか、イオンは今年の2月24日にさらに値下げすることを発表した。約5000品目のPB商品のうち、1700品目を8月末までに1〜3割値下げするのだという。メーカー品よりもかなり割安に買えるPB商品を増やすことで、客寄せにしたいと目論んでいるようである。オレはそれを聞いて、イオングループの株はまだまだ値下がりすると予測したのである。一年間で半値以下に暴落した株価だが、適正価格よりもさらに安売りしたところで今よりも客を増やせるとは思えないのである。オレのような安物単品買いの客が増えるだけであり、そんな客は利益には貢献しない。こういう商品を増やすことは売上高のさらなる減少につながる一方で、客数はさほど伸びないだろう。
どんな商品にも適正価格というものがある。生産者に十分な利益をもたらし、その上で流通過程で関わる方々にも一定の利益をもたらすことができるだけの売るときの値段が必要なのだ。その適正価格を大幅に割り込むような安い商品を販売する場合、誰にそのしわ寄せが行くのか。もしもこんな安値で販売しても十分に利益が出るのならば、おそらく仕入れ値はとてつもない安値に設定されているわけで、この値下げによってダメージを受けるのはイオン本体ではなくてPB商品を納入させられている製造業者である。利益なんかほとんど出ないのに、工場の稼働率を上げるためだけに作らされてるのかも知れない。
ジャスコのPBには 「トップバリュ」よりももっと安い「ベストプライス」というものがある。なんとそのカップ麺はトップバリュの88円よりもさらに安い68円なのだという。そんなに安くしなくてもいい。そこまで値下げしていったいどうするんだ。やりすぎじゃないか。
オレはイオングループのような小売業大手が、価格競争で集客する必要はないと思うのだ。多少高くても適正な利潤を守るべきであり、それが大手の系列に属さない弱小小売店を守ることにつながると思うのである。少子化で人口が減っていき、景気も悪い今、それぞれの小売店は「いかにして売り上げ高を回復させるか」という難問に挑んでいるのである。そんなとき、明らかに客単価を下げさせる原因となる商品群は削った方がいいのではないだろうか。イオングループの全体の売上高が落ち込んでも、利益だけはきっちりと出るような体質を作っていかないといけないのだ。
PB商品を販売することでイオングループにはどんな利益がもたらされるのだろうか。もしもPB商品でなかったらもっと高い値段がついているものを、安く生産させて買い叩く行為によって仕入れ先はどんどん体力を失っていくだろう。そうなるとこれまで維持してきた品質を落とさざるを得なくなるのだ
かつて小売業の雄であったダイエーが没落して敵の軍門に降った(イオングループの支配下に墜ちた)ように、オレはイオングループの将来をかなり心配しているのだ。このまま行けば第二のダイエーとなるしかないのではないかと。
イオングループが郊外に開店した大規模店の中には、すでにテナントが虫食い状態になっているものもある。少子高齢化でその傾向はこれからもっと加速するだろう。失業者がじわじわと増加して国民は購買力を失っている。その結果ますます安いPB商品が売れるのである。PB商品を増やし、さらに値下げを行えばもう過去の利益水準には永遠に戻れないだろう。そう予想したオレはイオン株の空売り準備を整えるのである。さて、夏までに景気は回復してイオングループは復活できるのだろうか?
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