2009年02月16日(月) |
ホームレス歌人、公田耕一さんはどこに? |
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オレは朝日新聞の記事の中で「朝日歌壇」をけっこう気に入って読んでいる。国語教師としてそこからいろいろと得るところが多いからである。その中に実は以前から気になっていた投稿者が居たのだが、どうもその肩書きの「ホームレス」というのが本当だったようである。朝日新聞のWEBサイトで次の記事を見つけたのだ。
秀歌連発のホームレス歌人へ 「連絡とれませんか」2009年2月15日20時22分
朝日歌壇に「ホームレス・公田耕一」と名乗る歌人が現れた。昨年末以来ほぼ毎週入選を重ねている。経歴も年齢も不明だが、投稿数に比例して“気になる存在”度は高まるばかりだ。
初投稿で初入選したのは08年12月8日掲載の〈(柔らかい時計)を持ちて炊き出しのカレーの列に二時間並ぶ〉。冒頭は、ダリの時計の絵を連想させる。
4人の選者のうち佐佐木幸綱、永田和宏両氏が「真に迫る、知的な歌」と注目した。投稿には「住所明記」の規定があるが、「住所という存在証明を持たないホームレスという立場は実際にある。排除すべきではない」と、選者の考えが一致した。住所表記は(ホームレス)にすることになった。
入選歌は12月22日掲載の〈鍵持たぬ生活に慣れ年を越す今さら何を脱ぎ棄(す)てたのか〉、1月5日は〈パンのみで生きるにあらず配給のパンのみみにて一日生きる〉ほか一首。19日、〈日産をリストラになり流れ来たるブラジル人と隣りて眠る〉。26日の〈親不孝通りと言へど親もなく親にもなれずただ立ち尽くす〉は3氏が選んだ。
投稿はがきの消印は「横浜」。本日付の歌壇欄に掲載の歌には、寿町や長者町の地名が詠まれている。
選外の作品からも人物の輪郭が見えてくる。〈ホームレス襲撃事件と派遣村並ぶ紙面に缶珈琲(コーヒー)零(こぼ)す〉や〈美しき星座の下眠りゆくグレコの唄(うた)を聴くは幻〉。野宿の日もあるのか。今の境涯に対する自嘲(じちょう)も見える。〈百均の「赤いきつね」と迷ひつつ月曜だけ買ふ朝日新聞〉。朝日歌壇は原則、月曜朝刊掲載。カップ麺(めん)を我慢しても歌を取る姿が浮かぶ。
歌壇係には、ホームレス歌人を思う歌や、「短歌を拠(よりどころ)に生きぬいて」などの励ましが寄せられているが、(ホームレス)では、これらの厚意を届けることができない。
公田さん、何とか連絡がとれませんか。あなたが手にすべき入選一首につきはがき10枚の“投稿謝礼”も宙に浮いているのです。(河合真帆)
記事の中に紹介されていたどの歌にも新聞で読んだ記憶があった。オレの心に響く何かをこの公田耕一さんのさんの歌は秘めていた。しかし、まさか本当に連絡が取れない状況であったとはオレは初めて知ったのである。
この公田耕一さんは、これまで書きためたその歌を角川短歌賞などに応募したことがあったのだろうか。もしかしたらもうすでに応募されていたのかも知れないが。朝日歌壇に入選されてる作品を見れば、読んだ人の心を動かせるすばらしい歌を作る人だと言うことがよくわかる。きっと出版されれば多くの人がその歌集を買うだろう。社会の中で虐げられた者たちの声なき叫びを訴える手段として、短歌の形で世間にアピールすることはきっと多くの人々の共感を得るはずだ。
公田耕一さん、あなたの歌を毎週待っている多くの読者が居る。決してあなたは社会から孤立していない。あなたが投稿する歌に励まされて日々を生き抜く人たちがいることをどうか知って欲しい。あなたと同じように恵まれない境遇にありながら、朝日歌壇を読むために一食分以上になるそのお金で月曜日の朝日新聞を買い求める人もきっといるはずだ。オレはそれを思うと涙が溢れてしまったのである。
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